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文化庁月報
平成25年7月号(No.538)

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連載 「鑑 文化芸術へのいざない」

特別展観 遊び別ウィンドウが開きます

会期: 平成25年7月13日(土)〜8月25日(日)
京都国立博物館 学芸部主任研究員 永島明子

 この夏のテーマは「遊び」です。9つのテーマのもと,当館の収蔵品から,楽しい作品,意外な作品,久々に登場する有名作品,滅多に並ばない面白い作品を選抜しました。各テーマと魅力的な作品の一部をご紹介しましょう。

1.神々から人へ
 神々のために歌い踊ることを「神遊び」といいます。競馬,蹴鞠(けまり),相撲なども神前に(ささ)げる祭礼でした。これらの遊びはやがて人々の楽しみのために催されるようになります。

2.酒宴のたのしみ
 酒席には趣向がこらされます。酒は人の心を解放し,詩人に霊感を与え,人々の親交を深めますが,ほどほどに(たしな)むのが理想です。

享保雛(大内雛) 京都国立博物館蔵

享保雛(大内雛) 京都国立博物館蔵

3.年中行事
 日本には四季折々の行事があります。正月,(ひな)祭り,端午の節句,七夕,重陽。特別な飾りや道具を用いて行われる,年に一度の祭礼に,人々は祈りを込めつつ,また非日常の楽しみを見いだしました。

4.遊山
 遊ぶということばには,日常を離れて広い屋外を気楽に歩きまわる,という意味もあります。花見や紅葉狩り,月見に船遊び。気の合う仲間と野外で宴会を楽しみ,あるいはひとりで季節の移ろいに心を震わせます。

5.遊興―芸能と大衆―
 歌も踊りも芝居も演者がプロになり,大衆へ向けて上演されるようになります。町には芝居小屋や宴会場が設けられ,芸事を身につけた美しい女性たちが客をもてなす遊里も発達します。

6.清遊―文人のたしなみ―
 君子は「琴棋書画」を嗜みます。すなわち音楽,囲碁将棋,詩文,絵画という四つの芸道を極めながら決して生活の糧にはしないのが,東洋の知識人が理想とする暮らしでした。心を通わす友人と知性を磨きあう,清らかで豊かな遊びの世界です。

源氏物語図帖 空蝉(部分) 伝土佐光元筆 京都国立博物館蔵

源氏物語図帖 空蝉(部分) 伝土佐光元筆 京都国立博物館蔵


御所人形 かくれんぼ 入江波光コレクション 京都国立博物館蔵

御所人形 かくれんぼ 入江波光コレクション 京都国立博物館蔵

7.動物のたわむれ
 動物も遊びます。そして,人も動物と遊んだり,動物で遊んだりしてきました。馬に乗って球を打つポロ,闘鶏や闘犬,鳥の鳴き声比べなどは動物がいなければできません。子犬と子供などは互いに格好の遊び相手といえるでしょう。

8.室内の競技
 平安貴族は室内遊びの天才です。中国から伝わった囲碁,和歌の教養を基礎にした歌合わせ,香合わせに貝合わせなど,団体戦もあれば個人戦もあり,多くは賭け事を伴いました。時代を経て発達したお座敷遊びを集めます。

9.子供の遊び,雑技,曲芸
 遊びころげる子供の姿は,なごやかで幸せな暮らしの象徴です。子供の健やかな成長を願って作られる人形やおもちゃのほか,人々を笑わせる雑技や曲芸など,にぎやかで楽しい雰囲気の作品を展覧会の最後に並べます。

 京博の遊びコレクション。国立博物館はどうも敷居が高くてという方にはもっと身近に古美術に親しんでいただけますように。平常展の再開を首を長くして待っていてくださるファンのみなさんには懐かしい常連作品や初めて見る作品に出会える楽しい時となりますように。みなさんお誘い合わせのうえ,どうぞ遊びにいらしてください。

京都国立博物館

〒605-0931 京都市東山区茶屋町527

お問い合わせ
075-525-2473(テレホンサービス)
交通
JR・近鉄/京都駅下車,駅前市バスD2のりばから206・208号,D1のりばから100号系統にて博物館・三十三間堂前下車,徒歩すぐ
京阪電車/七条駅下車,東へ徒歩7分
開館時間
9:30〜18:00(金曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(ただし,7月15日は開館,7月16日は休館)
※平常展示館建替え工事中のため,展覧会開催期間以外は全館休館
観覧料
一般1000円(800円),大学・高校生700円(500円),中学・小学生無料
※( )内は,団体20名以上
ホームページ
http://www.kyohaku.go.jp/別ウィンドウが開きます

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