文化庁月報
平成25年8月号(No.539)
イベント案内
京都国立近代美術館
映画をめぐる美術――マルセル・ブロータースから始める
ジョルジュ・サドゥール著『映画の発明』を手にするマルセル・ブロータース(1971年,デュッセルドルフ)
Courtesy: Estate Marcel Broodthaers
Photo: Joaquin Romero Frias
「映画とは書くことの延長上にあるもの」(マルセル・ブロータース)
詩人として出発したベルギー出身の芸術家マルセル・ブロータース(1924-1976)は,1964年頃から美術の領域に身を置き,言語とイメージの関係を扱ったオブジェや写真・短編映画の制作,また公開書簡や出版などの著述活動,さらに美術を取り巻く権威や制度を批判的に検証する虚構性に満ちたプロジェクトなど幅広い創作活動を展開し,戦後美術の転換期に大きな足跡を残しました。
仮面を付けたブロータースが手にしている書物『映画の発明1832-1897』(ジョルジュ・サドゥール著,1946)が示すように,ブロータースにとって映画は重要な表現方法のひとつであり考察対象でした。特にブロータースが映画を「書く」ための方法として位置づけたことは,これまで「視る」ことへ主に意識を傾けてきた映像表現に対して「読む」という視点を改めて強調した,と言えるでしょう。時にユーモアを交えながら言語とイメージの関係を根源的に問うブロータースの実践は,後進の世代の美術家たちに大きな影響を与えて続けており,特に写真やヴィデオ,インスタレーションの手法を用いた表現が急増した1990年代以降の美術動向を理解する上でも,有効な手がかりとなるように思えます。
ピエール・ユイグ《第三の記憶》1999年
2面プロジェクション,9分46秒
(C)Marian Goodman Gallery Paris/New York
Co-production: Centre Pompidou, Musée National d'Art Moderne, The Renaissance Society at the University of Chicago, and The Bohen Foundation
映画を読み解く美術家たち
主に1990年代後半以降,映像表現を手がける美術家たちに見出せるひとつの傾向として,映画の技術や理論,歴史に高い関心を持ち,過去の映画作品をさまざまな形で参照・解読するという創作手法が挙げられます。こうした傾向を視野に入れつつ,今回の展覧会では,ブロータースによる映画に関するテクストやプロジェクトを参照軸とし,そこから引き出される5つのテーマ――「Still / Moving」「音声と字幕」「アーカイヴ」「参照・引用」「映画のある場」――に即して,国際的に活躍する美術家13名のフィルム,写真,ヴィデオ,インスタレーション等の作品により,映画をめぐる美術家の多様な実践を紹介します。
出品作家:エリック・ボードレール,マルセル・ブロータース,ドミニク・ゴンザレス=フォルステル,ピエール・ユイグ,アイザック・ジュリアン,アンリ・サラ,シンディ・シャーマン,ダヤニータ・シン,田中功起,アナ・トーフ,やなぎみわ,ミン・ウォン,アクラム・ザタリ
(学芸課研究員 牧口千夏)
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- 毎週月曜日(月曜日が休日に当たる場合は,翌日が休館)及び年末・年始
- 観覧料
- 当日 一般850円, 大学生450円
前売り(7月12日〜9月6日の期間限定発売) 一般700円, 大学生350円
団体(20名以上) 一般600円, 大学生 250円
※本料金でコレクション展もご覧いただけます。
※高校生以下・18歳未満,心身に障がいのある方と付添人1名は無料(要証明) - ホームページ
- http://www.momak.go.jp/

