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文化庁月報
平成25年10月号(No.541)
連載 「鑑 文化芸術へのいざない」
飛鳥資料館
竹内街道1400年記念/奈良文化財研究所都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)設立40周年記念
秋期特別展「飛鳥・藤原京への道」
飛鳥・藤原京の道に焦点をあて,関連する発掘調査・研究の成果を紹介します。
関東地方から運ばれた土器と瓦(藤原宮跡)
「大道を置く」から1,400年
いまから1,400年前にあたる推古天皇21年(613)のこと。11月に「難波より京(飛鳥)に至る
また,今年は,奈良文化財研究所 都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)の前身にあたる奈良国立文化財研究所 飛鳥藤原宮跡発掘調査部が昭和48年(1973)に設立されてから,40年の節目の年にあたります。
そこで,秋期特別展として,飛鳥と藤原京の道をテーマとする「飛鳥・藤原京への道」展を企画しました。
古代の道
『日本書紀』にはさきの「大道を置く」のほか,
奈良盆地には東西方向の横大路や南北方向の上ツ道・中ツ道・下ツ道,阿部山田道などの道がありました。これらは古代の主要な交通路であり,大和と難波,あるいは
発掘調査によっても,近年,中ツ道,下ツ道の発掘調査をはじめ,全国で官道の調査事例が増えています。また,飛鳥においても,石神遺跡では敷葉遺構による山田道の地盤構築の状況が確認され,川原下茶屋遺跡などでは飛鳥の中心部に設定された道路遺構も検出されるなど,着々と成果が蓄積されてきています。
古代国家が設置した官道の特色として,なによりもその直線性に大きな特色があります。また,道路幅員が広く,側溝をもつといった,必要以上に大規模な構造をしていることがあげられます。人の往来によって自然発生的にできた道であれば,地形なりにできるだけ高低差がすくなく,短距離で,湿地などを避けて往来しやすいようになっているでしょう。しかし,古代国家はその威信を示すかのように,大規模で地形を無視した直線道路をはしらせます。このような直線道路は古代国家が強力な力を持っていたことの証でもあり,目に見えるモニュメントで威厳を示そうとしたのでしょう。中ツ道・下ツ道・横大路をとりこみ,一辺5.3kmの巨大な碁盤目状の道路網をもって都を形作った藤原京は,7世紀におけるその究極の形といえるかもしれません。
緑釉椀(石神遺跡)
奈良文化財研究所の発掘成果を展示
本展では,今年が奈良国立文化財研究所の飛鳥藤原宮跡発掘調査部(現奈良文化財研究所都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区))が設立されてから40年にあたることから,その調査成果を中心に取り上げます。
飛鳥・藤原京の道とその造営,道を通じて国内外の各地から運ばれてきた様々な物品,道と戦い,
今回の展覧会では,発掘調査の成果を主として,古代の道をめぐる様々な研究成果を分かりやすく御紹介します。秋は是非飛鳥資料館へお越しください。
奈良文化財研究所飛鳥資料館
〒634-0102 奈良県高市郡明日香村奥山601
- 問合せ
- 0744-54-3561
- 交通
- 近鉄橿原神宮前駅から「かめバス(周遊)」で「飛鳥資料館」下車
近鉄・JR桜井駅から石舞台行きバスで「飛鳥資料館」下車 - 開館時間
- 月曜日〜日曜日 9:00〜16:30(入場は閉館30分前まで)
- 休館日
- 会期中無休
- 観覧料
- 一般260円(170円),大学生130円(60円),高校生および18歳未満は無料
※( )は20名以上の団体 - ホームページ
- http://www.nabunken.go.jp/asuka/
- その他
- 講演会:11月16日(土)13:30〜近江俊秀氏「飛鳥へ続く道」(仮題)

