東京国立博物館
特集陳列「清時代の書―碑学派―」
会期:平成25年10月8日(火)〜12月1日(日)
会場:東京国立博物館 平成館 企画展示室
行書五言絶句軸 トウセキジョ筆 清時代・18-19世紀 個人蔵
書の流れを変えた碑学派の祖・トウセキジョ
清の康熙帝(在位1611〜1722)は明の董其昌の書を,乾隆帝 (在位1735〜95)は元のチョウモウフ※1の書を好んだため,清時代の初めには,王羲之の流れを汲む董其昌やチョウモウフ※1の書風が一世を風靡していました。ところが,この流れを一新する人物が輩出します。安徽省・懐寧の出身になるトウセキジョ※2(1743〜1805)その人です。
貧しい家に生まれたトウセキジョ※2は,幼い頃から書・篆刻を学び,長じてからは各地を放浪しながら,書画・篆刻を生業として生計を立てていました。彼の才能を見抜いた名家の梅鏐は彼を8年間養い,所蔵の金石拓本を自由に閲覧させます。トウセキジョ※2は梅家で篆書や隷書などの古代文字を徹底的に学び,柔弱な行書や草書が蔓延する当時の書壇に,重厚で威厳に満ちた格調高い篆書や隷書を復興させました。ちょうどその頃,清時代を代表する阮元という文人官僚が,『南北書派論』『北碑南帖論』という画期的な論文を発表,王羲之の流れを汲む法帖を否定し,石碑などの拓本こそが古くからの書法を忠実に伝えるという主張を展開します。トウセキジョ※2の作風と,それを後押しするかのような理論が示され,清時代の書はやがて碑学派が主流を占めるようになるのです。
隷書崔子玉座右銘横披 トウセキジョ筆
清時代・嘉慶7年(1802) 個人蔵
楷書嬌舞倚床図便面賦軸 包世臣筆 清時代・18-19世紀 東京国立博物館蔵
書道博物館・朝倉彫塑館との連携企画
今年は碑学派の祖と称されるトウセキジョ※2の生誕270周年。そこで,今回11回目を迎える連携企画は,東京国立博物館,台東区立書道博物館のほかにも,台東区立朝倉彫塑館を加え,台東区内に近接する3館が連携して,碑学派の主な書人の代表作を紹介し,碑学派の流れを概観します。
東京国立博物館では,碑学派の前期に重きを置き,主として勃興期に焦点を当てます。書道博物館では碑学派の後期を中心に,楊守敬・康有為と中村不折とのつながりや,日本における受容なども紹介,朝倉彫塑館でも一部に日中の文化交流を彩る清時代の書画を展示します。
従来の書の流れを大きく変えることとなった,清時代の碑学派。学問に裏付けられて生まれた,派の書の魅力をたっぷりとお楽しみください。
※1 本文中の「チョウモウフ」は正式には以下の漢字で表します。
チョウモウフ
※2 本文中の「トウセキジョ」は正式には以下の漢字で表します。
トウセキジョ
(列品管理課長 富田淳)
東京国立博物館
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- 観覧料
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※( )内は20名以上の団体料金です。
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