HOME > 文化庁月報 > イベント案内

文化庁月報
平成25年12月号(No.543)

文化庁月報トップへ

イベント案内

東京国立博物館
特集陳列 博物館に初もうで―午年によせて―

会期:平成26年1月2日(木)〜1月26日(日)
会場:東京国立博物館

 東京国立博物館のお正月の恒例,干支(えと)にちなむ展示です。馬を表した美術工芸品や,馬具の名品を御覧いただき,人間と馬の深い(きずな)に思いを()せていただければ,幸いです。今年も万事うま(・・)く行きますように,願いを込めて…

重要文化財 牧馬図屏風(部分) 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀

重要文化財 牧馬図屏風(部分) 長谷川等伯筆
安土桃山時代・16世紀

武士と馬

 人間にとって身近な存在であった馬の姿は,日本の美術工芸品の中にも,たくさん見いだすことができます。戦野を疾駆する武将たちにとって,馬の良しあしはすなわち,戦いの勝敗や自らの命運を分かつ,重大な関心事だったのではないでしょうか。安土桃山時代の絵画には,調馬図や(うまや)図のように馬を飼い慣らす場面を描いた作品がよく見られます。馬は,人間にとって貴重な財産であり,大切なパートナーでもあったのです。長谷川(はせがわ)等伯(とうはく)の筆になるこの屏風(びょうぶ)には,山野に遊ぶ群馬と調馬にいそしむ武人の姿が,生き生きと描かれています。

重要文化財 芦(あし)穂(ほ)蒔絵(まきえ)鞍(くら)鐙(あぶみ) 安土桃山時代・16世紀 久松定法氏寄贈

重要文化財 (あし)()蒔絵(まきえ)(くら)(あぶみ)
安土桃山時代・16世紀
久松定法氏寄贈

馬具の美

 人が馬に乗るための道具類には,工芸技術の粋を集めた作例が数多く見受けられます。特に(くら)(あぶみ)は,乗馬用具の根幹をなすものです。鞍は馬の背中に乗せ,腹帯で縛りつけるようにして馬の体に固定して,その上に人間がまたがります。鐙は騎乗者が両足を乗せて踏ん張り,馬上での安定を保つための道具で,馬の背に登る際の足がかりともなるものです。武器や武具の多くは防水性のために漆が用いられていますが,鞍は特に,高度な漆芸技術によって美しく飾られた作品が数多く残されています。

ヴァージィムカ立像 プレアンコール時代・7〜8世紀 カンボジアあるいはタイ

ヴァージィムカ立像
プレアンコール時代・7〜8世紀
カンボジアあるいはタイ

馬と信仰

 日本の東北地方には,「おしら様」と呼ばれる蚕の神,農業の神,馬の神がいまでも住宅の神棚や床の間に(まつ)られています。その姿は男女の顔や馬の顔を表したものです。
 こうした民間信仰に見られるような人と馬との結びつきは,ヒンドゥー教や仏教にも見られます。
 ヴァージィムカはヒンドゥー教の聖典を守るために,ヴィシュヌ神が馬の頭と人の身体をもった姿に化身した神様です。
 これは仏教の馬頭(ばとう)観音(かんのん)に相当し,日本にも奈良時代に伝わったとされます。

轡(くつわ) 前2千年紀末〜前1千年紀初頭 イラン, ルリスタン地方出土

(くつわ)
前2千年紀末〜前1千年紀初頭
イラン, ルリスタン地方出土

シルクロードを駆け巡る馬

 西アジアを駆け巡った騎馬民族の馬具にふさわしく(くつわ)の意匠も馬形です。
中国前漢時代の皇帝武帝は,騎馬民族に対抗するため,汗血馬という駿馬(しゅんめ)を求めようとします。西域の草原を駆け巡る馬はこうした轡を付けていたのでしょう。シルクロードの幕開けは馬から始まったとも言えます。

(東京国立博物館 竹内奈美子・勝木言一郎)

東京国立博物館

〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9

問合せ
03-5777-8600(ハローダイヤル)
交通
JR上野駅公園口・鶯谷駅南口から徒歩10分,東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅,千代田線根津駅,京成電鉄京成上野駅から徒歩15分
開館時間
9:30〜17:00 (入館は閉館の30分前まで)
休館日
毎週月曜日(ただし1月13日(月・祝)は開館,1月14日(火)は休館)
観覧料
一般600円(500円),大学生400円(300円)
※( )内は20名以上の団体料金です。
※障害者とその介護者各1名は無料です。入館の際に障害者手帳等を御提示ください。
※満70歳以上,高校生以下及び満18歳未満の方は無料です。入館の際に年齢の分かるものを御提示ください。
ホームページ
東京国立博物館ウェブサイト別ウィンドウが開きます

トップページへ

ページトップへ