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文化庁月報
平成26年1月号(No.544)

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イベント案内

九州国立博物館
特別展「国宝 大神社展」

会期:平成26年1月15日(水)〜3月9日(日)
会場:九州国立博物館 3階 特別展示室

『国宝 大神社展』福岡展へのいざない

 今年の4月から6月にかけて,東京国立博物館で開催された特別展『国宝 大神社展』(本誌平成25年4月号・No.535参照)は,来年の1月から3月にかけて,九州国立博物館で福岡展を開催します。福岡展では,国宝57件,重要文化財65件を含む,日本全国の神社に守り伝えられてきた名宝の数々が再び大集結いたします。ここでは,福岡展でのみ公開される宝物の幾つかを御紹介しましょう。

 現存最古の古事記写本である愛知・大須観音宝生院の国宝『古事記』は,稗田阿礼(ひえだのあれ)太安万侶(おおのやすまろ)の肉声に最も近い写本として注目されます。大分・宇佐神宮の『八幡(はちまん)宇佐宮(うさぐう)御託宣集(ごたくせんしゅう)』は,宇佐神宮の歴史や伝承が網羅的に収録されています。神代に比売大神(ひめおおかみ)(あらわ)れた地とされる御許山の絵図では,山上の三つの巨岩を三柱の神とみなして(まつ)る様子がよく分かります。福岡・志賀海神社の『志賀海神社縁起絵』や福岡・玉垂宮の重要文化財『玉垂宮縁起絵』は,いずれも社頭図と神功皇后伝説図がセットになった掛け幅形式の縁起絵です。八幡縁起(神功皇后伝説)は絵巻形式が一般的ですが,中世の九州では掛け幅形式で制作されたものが多くみられます。

国宝 熊野夫(くまのふ)須美(すみの)大神(おおかみ)坐像(ざぞう) 平安時代・9世紀 和歌山・熊野速玉大社 展示期間:全期間

国宝 熊野夫(くまのふ)須美(すみの)大神(おおかみ)坐像(ざぞう)
平安時代・9世紀
和歌山・熊野速玉大社
展示期間:全期間

 長崎・神御魂神社の『(ふん)(せい)象嵌(ぞうがん)蓮華(れんげ)唐草(からくさ)(もん)瓶子(へいし)』は梅瓶(めいぴん)と呼ばれるタイプの瓶子で,朝鮮時代15世紀のものです。対馬島内の神社には朝鮮半島製の陶磁器が数多く奉納されており,朝鮮半島と一衣帯水の関係にある対馬島の地勢的条件を物語っています。鹿児島・鹿児島神宮の『奉納陶磁器』は,タイ製(14〜15世紀)・中国製(14〜16世紀)の陶磁器とそれらを精巧に写した日本製(江戸時代・19世紀)で構成されており,島津(しまづ)(なり)(あきら)が海外製陶磁器を陶工に模倣させ,成果品を神前に奉納したものと伝えられます。海外製陶磁器は琉球(りゅうきゅう)を介して招来されたのでしょう。

 和歌山・熊野速玉大社の国宝『熊野夫(くまのふ)須美(すみの)大神(おおかみ)坐像(ざぞう)』は等身を超える重厚な女神像です。その姿は清楚(せいそ)で麗しく,日本神像彫刻の最高峰の一つと称されています。藤田美術館の重要文化財『春日明神影向図』は,関白鷹司冬平の夢に現れた,牛車に乗った束帯姿の春日大明神の半身を描いており,夢幻的な神の表現が試みられています。根津美術館の国宝『那智(なちの)瀧図(たきず)』は,那智山の御神体である那智瀧(飛瀧権現)だけを画面中央に大きく描いた孤高の礼拝画です。

 このように福岡展限定公開の宝物も魅力満載ですので,東京展を御覧になった皆様にも改めて堪能していただけると思います。このたびの展観が,私たちの祖先が神社と共に歩んできた歴史,そこから育まれた文化と伝統などに触れるまたとない機会となり,身近な神社を再訪してみるきっかけとなるならば,これ以上の(よろこ)びはありません。

(主任研究員 楠井隆志)

九州国立博物館

〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4-7-2

問合せ
050-5542-8600(ハローダイヤル) 午前8時〜午後10時
交通
西鉄太宰府駅下車後,徒歩約10分
開館時間
9:30〜17:00(入場は閉館30分前まで)
休館日
毎週月曜日
観覧料
一般1,500円(1,300円), 高大生1,000円(800円), 小中生600円(400円)
※(  )内は前売り及び団体料金(20名以上の場合)
※上記料金で文化交流展(平常展)も御覧いただけます。
※障害者等とその介護者1名は無料です。展示室入口にて,障害者手帳等を御提示ください。
※満65歳以上の方は前売り一般料金で御購入いただけます。券売所にて年齢が分かるもの(健康保険証・運転免許証等)を御提示ください。
※キャンパスメンバーズの方は団体料金で御購入いただけます。券売所にて学生証,教職員証等を御提示ください。
ホームページ
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「国宝大神社展」公式サイト別ウィンドウが開きます

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