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文化庁月報
平成26年1月号(No.544)

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お知らせ

芸術文化振興基金ニュース

■芸術文化振興基金助成事業と事例

 我が国の優れた芸術文化活動を助成し,芸術・文化の振興・普及に寄与することを目的として,次の活動に対して助成しています。

  1. ☆音楽,舞踊,演劇,伝統芸能等の公演活動や美術の展示活動
  2. ☆文化会館主催公演・美術館等の展示活動やアマチュア等文化団体の公演・展示活動
  3. ☆歴史的集落・町並み,文化的景観・民俗文化財の保存活用や伝統工芸技術・文化財保存
  4. 技術の保存伝承活動
  5. ☆国内映画祭・日本映画上映活動
漆・うるわしの饗宴(きょうえん)
[美術の創造普及活動]  漆・うるわしの饗宴(きょうえん)展実行委員会

【活動概要】

Kyoto Artist Talkの様子(京都)

Kyoto Artist Talkの様子(京都)

 漆芸は,伝統技術を基礎としているため伝統的形式に縛られやすいが,漆素材の造形性・装飾性に幅広い表現の可能性がある。その特性を生かし,現在,日本・中国・韓国・東南アジア・欧米において独自の漆芸表現が展開されている。
 平成24年度助成対象活動として採択された活動,「漆・うるわしの饗宴(きょうえん)展」では,伝統ある素材や技法を使用しながらも,一味違う革新の表現を行っている女性の漆作家をクローズアップし,今までにない新しい漆表現を提案した。
 平成24年9月14日の東京会場山脇ギャラリーから始まり,10月6日からの京都会場では,京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで,シンポジウムとパフォーマンスも交え開催し,10月27日からの福島会場では,喜多方市美術館を会場にパフォーマンス・アーティストトークも行い,11月25日までトータル53日間の活動を終了した。
 展示内容は,各国の漆表現の現在と変遷,各国の女性漆作家の漆表現コンセプトとプロフィール等で,展示作品全てを収録した図録の販売,シンポジウムや参加作家ShaShaHigbyの漆装身具による舞踏パフォーマンスなども行った。
 それぞれ情勢の異なる国,異なる漆文化に生きる女性漆作家が漆をどう捉え,この時代をどう見つめているのか,漆表現の伝統と革新の挑戦と交差を試みる取組であった。相互理解を深め,新しい漆表現による多様な文化を発信することができた。
 また,福島展での活動を通し,被災地の方々の現状と復興の様子や,被災者への思いが,作家を通して各国へ伝えられたことは,今後新たな震災復興の助けにもつながることになると考えている。

【助成を受けて】
 9か国の出品作家の作品輸送費や旅費を出すことができたことにより,シンポジウムをはじめとする交流活動に多くの作家が来日し出席したことは,工芸史上類を見ない展開であった。ポスター・チラシ,日英の両言語による図録や報告書等制作も充実したものとすることができた。また,多くの雑誌や11月11日放送のNHKテレビ「日曜美術館アートシーン」にも取り上げられ反響を呼んだ。※『平成24年度 芸術文化振興基金・文化芸術振興費補助金助成事業事例集』から抜粋

第37回わたぼうし音楽祭
[地域の文化振興等の活動 アマチュア等の文化団体活動]  奈良たんぽぽの会

【活動概要】
 奈良たんぽぽの会は,昭和48年「たんぽぽの会」として発足し,障害のある人たちの芸術文化活動などの創造的活動を支援し,共に生きる社会の実現を目指して活動を続けている。「わたぼうし音楽祭」は,昭和51年から開催しており,平成24年で37回を数えた。この音楽祭の当初の目的は障害者理解であったが,全国の障害のある人から寄せられた詩をメロディにのせ生命の尊さや人間の素晴らしさを歌う活動を続けるうちに,作品には大切なものを忘れがちな社会へのメッセージがあふれていることに思い至るようになった。こうして私たちの活動は,「福祉」という視点から,「芸術」「文化」さらには「人権」「平和」へと(ひろ)がっていった。
 平成24年度助成対象活動として採択された第37回わたぼうし音楽祭は,7月29日奈良県文化会館国際ホールにおいて開催され,全国の障害のある人から作詩の部約500点,作詩作曲の部約300点が寄せられた。その中から8点の入選作品が選ばれ,わたぼうし大賞,文部科学大臣賞,奈良県知事賞,奈良市長賞などの表彰を受けた。
 また,中国から「上海市障害者芸術団」25名を特別ゲストに迎え,障害のある人の舞台芸術活動を通した可能性を紹介したほか,アメリカからは片手で演奏できるサックスを開発・演奏しているデビット・ナブさんをゲストに迎え演奏も披露していただき,国際色も豊かなステージとなった。

わたぼうし音楽祭エンディングの様子 撮影:保坂高明

わたぼうし音楽祭エンディングの様子
撮影:保坂高明

 今回の活動には,ボランティア出演者30名,公募による出演者55名,アマチュアの客演者52名を含む総数約160名が参加し,観客数は約1,200名であった。
 誰もが人間らしく生きられる社会とは,障害のあるなしや,どこに住んでいるかにかかわらず,世界中の人の普遍の願いである。私たちは,わたぼうし音楽祭の活動を通して今後も社会に新しい価値を提案し続けていく。
 ※「作詩」の「詩」は,「言」を(つかさど)る「詞」でなく,「言」を光り輝かせる「詩」(サンスクリット語で「寺」は光り輝くもの)というところにこだわり使用しています。

【助成を受けて】
 社会から「障害者音楽祭」というレッテルを貼られ,単に障害者への福祉だけという狭い視点で見られがちであったが,助成を受けられたことで「芸術」,「文化」の視点が加えられ,さらには「人権」,「平和」へと視野が拡がり社会的に大きな評価を頂いた。また,日本のみならず海外の障害のある人たちの芸術文化活動も発展し,社会参加を果たすようになってきており「WATABOSHI」は世界の合い言葉となっている。※『平成24年度 芸術文化振興基金・文化芸術振興費補助金助成事業事例集』から抜粋

※二つの助成事業募集の時期・方法,助成の対象となる活動等については,ホームページ別ウィンドウが開きますに掲載しています。

芸術文化振興基金

独立行政法人日本芸術文化振興会 基金部
〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1

問合せ先
03-3265-6302(直通)
交通
地下鉄「半蔵門駅」(半蔵門線)1番出口から徒歩5分
「永田町駅」(有楽町線・半蔵門線・南北線)4番出口から徒歩8分
ホームページ
http://www.ntj.jac.go.jp/kikin.html別ウィンドウが開きます

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