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文化庁月報
平成26年2月号(No.545)
連載 「鑑 文化芸術へのいざない」
新国立劇場
新国立劇場2013/2014シーズン
オペラ「死の都」の魅力
尾高忠明オペラ芸術監督
私が芸術監督在任中に是非とも取り上げたかった「死の都」が,この3月にいよいよ新国立劇場で上演されます。後期ロマン派のロマンティシズムと現代の映画音楽に近いエンターテインメント性,この二つを持ち合わせた類いまれなオペラです。
作曲はウィーンの
原作は,ベルギーの作家ジョルジュ・ローデンバックの小説『死都ブルージュ』。亡くなった妻を忘れられない男が,妻と
「死の都」は1920年にハンブルクとケルンで初演,翌年ウィーンでも上演され,いずれも圧倒的な成功を収めました。これには,死者との
エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト
しかしこの後ナチスが台頭し,ユダヤ系であったコルンゴルトの作品は上演が禁止され,コルンゴルト自身もナチスからの迫害を避けてアメリカに亡命します。そしてハリウッドの映画音楽家として後半生を送りました。
第二次世界大戦後も埋もれていた「死の都」は,1955年にミュンヘンで上演されたことがきっかけで再評価が進み,今では20世紀を代表するオペラの一つとなっていますが,日本ではなかなか上演機会がありませんでした。理由の一つは,ソプラノ,テノールともに大変な難役のためと思われます。
今回の新国立劇場公演では,タイトルロールにトルステン・ケールを迎えました。彼はこの全幕出ずっぱりで歌い続ける難役を得意としており,これまでにウィーン国立歌劇場,英国ロイヤルオペラをはじめ各地で同役を歌っています。また,極めて高音域を要求されるマリエッタ役は,昨年1月に『タンホイザー』エリーザベトで美声を披露したミーガン・ミラーです。
また,今回の公演は,フィンランド国立歌劇場のプロダクション・レンタルでの上演となります。現在英国ロイヤルオペラの芸術監督であるカスパー・ホルテンの演出による,美しく幻想的なプロダクションです。
是非春の一日を皆様に新国立劇場にお越しいただき,このオペラを味わっていただけたらと思います。
フィンランド国立歌劇場「死の都」から (C)Stefan Bremer
オペラ「死の都」
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新国立劇場 オペラパレス
公演日程:2014年3月12日(水)7:00,15日(土)2:00,18日(火)7:00,21日(金・祝)2:00,
24日(月)2:00(全5公演)
チケット料金:S席 26,250円,A席 21,000円,B席 14,700円,C席 8,400円,D席 5,250円
作 曲:エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト
原作者:ジョルジュ・ローデンバック
台 本:パウル・ショット(ユリウス・コルンゴルト,エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト)
指 揮:ヤロスラフ・キズリンク
演 出:カスパー・ホルテン
パウル:トルステン・ケール
マリエッタ/マリーの声:ミーガン・ミラー
フランク/フリッツ:アントン・ケレミチェフ
ブリギッタ :山下牧子
ユリエッテ:平井香織
リュシエンヌ:小野美咲
ガストン/ヴィクトリン:小原啓楼
アルバート伯爵:糸賀修平
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団
新国立劇場
〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1
- 問合せ
- 03-5352-9999(ボックスオフィス) (10:00〜18:00)
- 交通
- 京王新線(都営新宿線乗入)「初台駅」中央口(新国立劇場口)直結。
- ホームページ
-
新国立劇場ホームページ
http://www.nntt.jac.go.jp
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