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文化庁月報
平成26年3月号(No.546)
連載 「祭り歳時記 伝承を支える人々」
加茂神社のオイケモノ
指定・登録年月日:平成19年3月7日
所在都道府県:福井県小浜市
加茂神社のオイケモノは,ドングリ,シイ,トコロイモ,クリ,ギンナン,カヤ,カキの7種類の木の実や種を埋納箱(木の小箱)に入れて老樹(神木)の根元にある地中の石室に埋め,1年後に取り出して発芽具合により,その年の農作物の作柄を占う全国的にも珍しい行事で通称「芽立ち神事」とも呼ばれています。
オイケモノ神事行列
加茂神社のオイケモノの由来
起源は,加茂神社上の宮が鎮座された8世紀初頭に遡るとされており,加茂注記記帳にも寛治年間1090年旧正月16日,歩射神事,
埋納箱の堀りお越し
加茂神社オイケモノ近年の様子
旧暦の1月16日,配役に充てられた氏子約20人が午前8時に社務所に参集,午前10時正座着席し,開始の振れ太鼓を合図に神事が斎行されます。行列は加茂神社神拝殿に参拝したあと神事当番の「御幣振り」,大蛇に見立てたむしろをめがけて弓を放つ「弓打ち」を行い,社務所から約200b離れた山の神が宿る神聖な場である上の宮に到着します。上の宮では,参拝を行い,「百万石」と呼ばれる餅花をまき,2回目の「弓打ち」を行います。いよいよ,神木の根元から昨年の埋納箱を掘り起こし,その後,新しく木の実の入った埋納箱を奉納します。ここで,上の宮での儀式は終わり,掘り起こした埋納箱を洗い清め,社務所へ持ち帰ります。
豊作祈願の口上
この行事のクライマックスが始まります。加茂区総代長が掘り出した埋納箱を開封し木の実,種の発芽具合を確認し,「根も芽も十分育っており,今年も豊作間違いなし。お芽でとうございます。」と口上し,行事終了の振れ太鼓を合図に2時間にわたる儀式を全て終えることになります。出席者には,豊作祈願の縁起物として「牛の舌」をかたどったお餅が振る舞われます。
千年の歴史をもつ加茂神社
神事を支える人々
平成6年に保存会を結成しました。この結成にあわせ文献などに伝わる往事の服装を整備し再現しました。江戸時代の武士の礼服である

