2017年7月5日
奈良文化財研究所平城宮跡資料館
平成29年度夏のこども展示
「ナント! すてきな!? 平城生活♪」
奈良文化財研究所企画調整室長 加藤真二
今年も奈良文化財研究所平城宮跡資料館では,夏休みこども展示(会期7月22日(土)~9月3日(日))を開催します。今回のテーマは「ナント! すてきな!? 平城生活」です。
夏のこども展示「ナント! すてきな!? 平城生活♪」
奈良時代,ならのみやこ平城京には,5万から10万人の住民が暮らしていたといいます。中でも平城宮や京内の様々な施設に勤めるお役人は,1万人にも達していたと推定されており,役人とその家族が平城京の住民の大きな割合を占めていたことが分かります。そして,この時代,お役人は位の高低によって,住まいや収入,出世に雲泥の差があったことなどもわかっています。
今回,そんな平城京に暮らしていたかもしれない,想像上のお役人,高級官僚で貴族の“とよなりさま”と万年ぺいぺい役人の“やかまろさん”の一日,一年,一生を出土品や復元品などで展示し,それを通して,平城京の住民の生活を紹介したいと思います。
6月・12月の大祓に使っていた人形
平城京・宮では,時刻を知らせる2時間ごとの太鼓の音や30分ごとの鐘の音,日の出,日の入り,南中などの太陽の動きを知らせる太鼓の音,そして修行の時間を知らせる寺院の鐘の音などが鳴り響き,それに合わせて人々も生活をしていました。
また,既に1年間のカレンダーがあり,年間を通じて様々な年中行事があり,平城京の人々も四季の移り変わりを楽しんでいたかもしれません。
そして,子供が生まれると胞衣壺とよばれる壺を家の前にうめるといった習慣があった一方,一般の人は死んだ後,お墓を作らなかったかもしれないという衝撃的な事実もあります。
子どもが生まれた時にうめた胞衣壺
きっと,「へーそうだったんだ」,「いまとそんなにかわらないんだな」という目からうろこの新発見や古代を身近に感じる経験があることと思います。また,このこども展示は,こどもたちばかりでなく,おとうさん,おかあさん,おじいちゃん,おばあちゃんまで楽しめる展示と好評です。是非,御来館していただき,涼しい館内で「すてきな平城生活」を楽しんでください。
会期中,7月28日(金),8月4日(金),18日(金),25日(金)には,平城京お役人によるギャラリートークも開催します。詳しくはホームページを御覧ください。
奈良文化財研究所 平城宮跡資料館
(住所)〒630-8577 奈良市佐紀町247-1
- 問合せ
- 0742-30-6753(連携推進課)
- 交通
- 近鉄大和西大寺駅北口を出て,東へ約10分
- 開館時間
- 火曜日~日曜日 9:00~16:30(入場は16:00まで)
- 休館日
- 月曜日(月曜が休日の場合はその翌平日),年末年始(12月29日~1月3日)
なお駐車場は年末年始も開放しています。(8:30~17:00) - 観覧料
- 無料
- ホームページ
-
https://www.nabunken.go.jp/heijo/museum/
館内では,ボランティアによる解説を行っております(無料)。 是非御利用ください。
なお団体を対象とした解説の場合には事前申込みが必要です。