2017年7月3日
サンシャワー:東南アジアの現代美術展
1980年代から現在まで
国立新美術館研究員 米田尚輝
「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」は,東南アジア諸国連合(ASEAN)設立50周年を記念し,この地域の数世代にわたる現代アートの発展を86組のアーティストやグループの表現を通して紹介する展覧会です。国立新美術館及び森美術館の二会場で開催される本展は,日本では過去最大規模の東南アジア現代美術展となります。「天気雨」を意味するタイトル「サンシャワー」は,この地域で頻繁に見られる気象現象ですが,紆余曲折の歴史や多義的な価値観,多様な文化を暗示するものでもあります。
リー・ウェン
《奇妙な果実》
2003年
Cプリント
42 × 59.4 cm
Courtesy: iPreciation, Singapore
本展は国立新美術館,森美術館,国際交流基金アジアセンターの共同プロジェクトとして2015年に始まり,二館のキュレーターに東南アジアの若手キュレーターを加えた14名が,ASEAN加盟国10か国,16都市の現地調査を実施してきました。さらに,これまでの東南アジア現代美術展や,今日世界各地で活躍する東南アジアのアーティストも考慮しながら,異なる時代や社会背景が,各世代のアーティストの価値観や表現にどのように反映されているかにも注目してきました。したがって,展覧会は国別の紹介ではなく,国や時代を横断する9つの異なる視点を通して,東南アジア地域全体の現代アートの動向を緩やかな時系列で追うものとなっています。
イー・イラン
《うつろう世界》(「偉人」シリーズより)
2010年
ミマキデジタル・インクジェット・プリント,酸性染料,ろうけつ・藍染め,絹
140.5 × 298 cm
Courtesy: Silverlens Galleries, Makati, the Philippines
インドシナ半島,マレー半島,ボルネオ島,インドネシア諸島,フィリピン諸島などからなる東南アジア地域は,植民地支配からの独立や冷戦時代の戦争や内戦などを経て,近年目覚ましい経済発展を遂げており,約6億人という人口は21世紀の新しいマーケットとしても世界中から注目を浴びています。また,高温多湿な気候や多様な民族,言語,宗教によって育まれたこの地域の文化や芸術には,祭祀や慣習などを通して継承された美しい伝統がある一方で,激動の時代を反映した批評性の高い表現も多く見られます。
ジョンペット・クスウィダナント
《言葉と動きの可能性》
2013年
原動機のないモーターバイク,布旗
サイズ可変
所蔵:森美術館,東京
国立新美術館
森美術館(2館同時開催)
(住所)国立新美術館 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
森美術館 〒106-6150 東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー53階
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- 交通
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東京メトロ日比谷線 六本木駅 4a出口から徒歩約5分
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(六本木ヒルズまで) - 東京メトロ日比谷線 六本木駅 1C出口 徒歩0分(コンコースにて直結)
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- 国立新美術館
- 10:00~18:00(毎週金曜日・土曜日は21:00まで)※入場は閉館の30分前まで
- 森美術館
- 10:00~22:00(毎週火曜日は17:00まで)※入場は閉館の30分前まで
- 休館日
- 国立新美術館
- 毎週火曜日
- 森美術館
- 会期中無休
- 観覧料
-
【2館共通】
当日 1,800円(一般),800円(大学生)
【単館】(※国立新美術館又は森美術館の一方のみ) - 国立新美術館
-
当日 1,000円(一般),500円(大学生)
団体(20名以上) 800円(一般),300円(大学生) - 森美術館
-
当日 1,000円(一般),500円(大学生)
団体(15名以上) 800円(一般),300円(大学生)
- ※高校生及び18歳未満の方(学生証又は年齢のわかるものが必要)は無料。
- ※障がい者手帳を御持参の方(付添いの方1名を含む)は無料。
- ※学生は身分証等を御提示ください。
- ※団体券は各館で販売(国立新美術館は20名以上,森美術館は15名以上で団体料金を適用)します。
- ※サントリー美術館,国立新美術館,森美術館で開催中の展覧会チケット(半券可)を提示された方は,相互割引「あとろ割」(200円引)が適用されます(国立新美術館,森美術館の各単館券のみ有効)。
- ※その他の割引につきましては,各館へお問い合わせください。
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