2017年7月3日
人形浄瑠璃文楽はユネスコ無形文化遺産
様々なスタイルで楽しむ夏の文楽
国立文楽劇場 企画制作課 課長 猪又宏治
夏の文楽公演は,スペクタクルあり,笑いあり,夏の暑さも忘れるほどの作品でお楽しみいただきます。
太夫の語り,三味線の響き,三人で一体の人形を遣う,世界に類のない人形劇を大阪・日本橋の国立文楽劇場で楽しみましょう。
第1部 [親子劇場] 夏休みの子供たちが親子一緒に楽しんでいただけるよう,わかりやすい作品です
「金太郎の大ぐも退治」
今回新たに大きな蜘蛛を作成して,スペクタクルな文楽を御覧いただきます。
荒地山(福井県敦賀市)に住む恐ろしい大蜘蛛と金太郎の戦いを描きます。宙乗りがあるなどスリル満点の舞台をお楽しみください。大蜘蛛は時の権力に従わない一族の象徴とも取れ,滅びていく哀れな一面もあると思われます。
「赤い陣羽織」
「夕鶴」などの名作を残した劇作家の木下順二がスペインの喜劇から翻案した作品で,大人のための童話とも言える作品となっています。背は低いが正直者で働き者のおやじと美人の女房をめぐる喜劇です。横恋慕する代官をうまく利用する女房,お代官の無理難題になんでも従う庄屋様や子分たち,様々な人間関係が暴力や難しい理屈抜きで,おもしろおかしく描かれます。
「金太郎の大ぐも退治」
第2部 [名作劇場] 文楽の名作をお楽しみいただきます
「源平布引滝」
平家物語等に描かれた斎藤別当実盛が,北陸篠原で討たれる前の胸のすく生き様を描く名作。
源平の戦・篠原合戦で老武者斎藤別当実盛が髪を黒く染めて出陣し,手塚太郎光盛と一騎打ちの末に討たれますが,その前の話になります。源氏の白旗が木曽義賢からその子・義仲の手に渡る数奇な運命を描き,実盛と手塚太郎の因縁を描きます。実盛は室町時代に世阿弥によって能「実盛」となり,篠原で討たれた後,亡霊となった姿を描いています。
「源平布引滝」
第3部 [サマーレイトショー] 勤め帰りに,夕涼みに,気軽に文楽を味わって!
「夏祭浪花鑑」
夏といえば夏祭浪花鑑というほどの,大阪夏の風物詩で人気曲です。
高津宮は現在の大阪・中央区に鎮座して,この物語の背景である夏祭りが7月に今でも行われています。
団七という江戸時代の侠客の心意気を描きます。他人のため,それを悔いることなく貫く生き様に魅せられた,周りの人たちの心意気も描かれます。まっとうとは言えませんが団七の姿を通して,祭りの神の荒御霊が悪を懲らしめるような勧善懲悪を描きます。人形だからこそ描ける世界をお楽しみください。
「夏祭浪花鑑」
国立文楽劇場 夏休み文楽特別公演
(住所)〒542-0073
大阪府大阪市中央区日本橋1丁目12番10号
- お問合せ
- 【国立劇場チケットセンター】(午前10時~午後6時)
0570-07-9900,03-3230-3000[一部IP電話等] - 交通
- 地下鉄・近鉄 日本橋駅7号出口より徒歩1分
- 公演日時
- 7月22日(土)~8月8日(火) 【第一部】11時開演【第二部】2時開演【第三部】6時30分開演
- 御観劇料
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- ・一般:4,700円 ・学生:2,400円 ・子供(18歳以下):1,900円
- ・親子劇場【第一部】のみ 親3,900円 子供(18歳以下)1,500円
- ホームページ
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