2017年8月7日
超大作,ついに完結!
新国立劇場 広報室長 酒井美惠
「この黄金から指環を作る者は途方もない力を手にし,世界を我がものとする。」そんな指環を巡るドラマを描く「ニーベルングの指環」は上演するのに4日間もかかるという,まさに超大作です。この途方もない作品を生み出したのは19世紀ドイツを代表する芸術家の一人,リヒャルト・ワーグナー。革命に参加して追放され流浪の日々を送ったり,はたまた最も忠実な友人から略奪婚してみたりと,波乱万丈の人生を送ったワーグナーですが,舞台芸術そのものを大きく変革したまさに天才!です。
「ニーベルングの指環」序夜『ラインの黄金』
2015年新国立劇場公演より
(撮影:寺司正彦)
彼が提唱し,作り出したのが「総合芸術」という新しい舞台芸術です。何が「総合」で新しいのかというと,オーケストラと歌,さらに装置,衣装,照明といった様々な要素が物語を語り,一体となって大きな芸術を紡ぐという,それ以前の作品と比較して大きくスケールアップした世界が展開することです。この新しい芸術はこれまでの舞台芸術とは桁違いの迫力を持ち,「ワグネリアン」というワーグナーの魔力に取りつかれた人々を指す言葉まで生まれました。
「ニーベルングの指環」第一日『ワルキューレ』
2016年新国立劇場公演より
(撮影:寺司正彦)
そんな天才ワーグナーが26年もの歳月をかけ作り上げたのが「ニーベルングの指環」です。この作品は世界を支配する権力をもたらす指環を軸に,神々の世界の創生から終焉までを4作品にわたって描く超大作で,新国立劇場は2015年10月からこれまでに3作を既に上演,いよいよこの10月には最後の4作目「神々の黄昏」で完結することとなります。ワーグナーの集大成ともいうべき傑作で,その圧倒的な豊かさ,劇的さ,迫力で観る者を捕らえて離しません。今回の上演は日本のワーグナー指揮の第一人者,飯守泰次郎新国立劇場オペラ芸術監督が満を持してタクトを取るほか,現在世界最高のソリストがそろったこれ以上ない公演です。絶対に逃しては後悔するこの機会,是非新国立劇場へ足をお運びください。
「ニーベルングの指環」第三日『神々の黄昏』
2004年フィンランド国立歌劇場公演より
(撮影:Stefan Bremer)
新国立劇場ではこのほかにもおなじみのメロディにあふれた「椿姫」「アイーダ」,ウィーンの香り漂う「ばらの騎士」「こうもり」など幅広いラインアップを準備しています。
ヴェルディ作曲「アイーダ」
2013年新国立劇場公演より
(撮影:三枝近志)
ちょっと敷居が高いかな,と思われるかもしれませんが,学生や若い方には大きな割引など,気軽に体験していただけるよう,様々なサービスも準備しています。是非一度オペラの魅力を体験してみてください。
新国立劇場オペラ
10月公演 楽劇「二ーベルングの指環」第三日「神々の黄昏」
(住所)〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1
- お問合せ
- 【ボックスオフィス】(10:00-18:00) 03-5352-9999
- 交通
- 京王新線(都営新宿線乗入れ)初台駅中央口直結
- 公演日程
- 2017年10月1日(日)14:00,4日(水)16:00,7日(土)14:00,
11日(水)14:00,14日(土)14:00,17日(火)16:00 - 観劇料金
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S席:27,000円 A席21,600円 B席15,120円 C席8,640円
D席5,400円 Z席(公演当日のみ)1,620円 - ホームページ
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「神々の黄昏」公演情報
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