2021年8月27日
寿ぎ、そして安穏の日々を祈って
国立劇場制作部伝統芸能課 吉矢正之
昭和41年(1966)に国立劇場が三宅坂(東京都千代田区)の地に開場して今年で55周年の節目の年となります。これまでその55年という長きにわたり、さまざまな伝統芸能の殿堂として、名人たちによる名舞台が繰り広げられてきた国立劇場。本年9月文楽公演は、その記念公演の幕開きとして開催いたします。
記念公演にふさわしく第一部(10時45分開演)は『寿式三番叟』から上演します。能楽で特別な曲とされる『翁』を人形浄瑠璃に移したもので、颯爽とした千歳の舞、天下泰平、国土安穏の祈りを込めた翁の荘重な舞、そして対照的に三味線の華やかな演奏に乗って、二人の三番叟が五穀豊穣の祈りを込めて躍動的に舞う作品です。今回は、55周年を寿ぐとともに、この一年間の新型コロナウイルス感染症に伴う様々な災厄を払い、皆様に安穏な日々が戻ることを祈念して上演いたします。
9月文楽公演はこの他、第一部に仲秋の名月を背景に、人びとの情と義理とが美しく絡み合う『双蝶々曲輪日記』、第二部(2時15分開演)は名刹・三十三間堂の創建の謂れを伝え親子・夫婦の別れを謳いあげる『卅三間堂棟由来』と道成寺伝説を題材にした『日高川入相花王』、第三部(5時15分開演)は日本三大仇討ちの一つ“鍵屋の辻の仇討ち”を劇化した『 伊賀越道中双六』と、記念公演にふさわしくそれぞれ文楽屈指の名作を揃えた盛りだくさんの構成にて上演します。引き続き新型コロナウイルス感染症予防対策には万全の態勢を整え皆様のご来場をお待ち申し上げます。
これまで長い年月にわたって国立劇場をご支援くださいました皆様に改めて感謝申し上げるとともに、これからも引き続きご愛顧くださいますようお願い申し上げます。
『寿式三番叟』
国立劇場 令和3年9月文楽公演
(住所)〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1
- 問合せ
- 《国立劇場チケットセンター》(午前10時~午後6時)
0570-07-9900、03-3230-3000[一部IP電話等] - 交通
- 東京メトロ半蔵門線・半蔵門駅から徒歩5分
半蔵門線・有楽町線・南北線永田町駅から徒歩8分
都営バス都03(晴海埠頭-四谷駅)三宅坂下車 徒歩1分
※バスの本数が少ないのでご注意ください。 - 公演日時
- 2021年9月4日(土)~21日(火)
第一部10時45分開演 第二部2時15分開演 第三部5時15分開演
※10日(金)は休演 - 観覧料(税込)
- 一般:1等席7,000円、2等席6,000円
学生:1等席4,900円、2等席4,200円 - ホームページ
-
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2021/39100.html
【インターネット予約】
https://ticket.ntj.jac.go.jp (パソコン/スマートフォン共通)