2022年2月25日
弟は本当に死んだのか……?
3月歌舞伎公演『近江源氏先陣館-盛綱陣屋-』
国立劇場制作部歌舞伎課 根本育実
東京・半蔵門の国立劇場では、昭和41年(1966)11月の開場以来、歌舞伎をはじめ日本の様々な伝統芸能の公演を上演してきました。3月歌舞伎公演は、「歌舞伎名作入門」と題し、人気演目『近江源氏先陣館-盛綱陣屋-』を、歌舞伎をはじめてご覧になる方にも分かりやすいご案内付きで上演します。大河ドラマでいま話題の鎌倉時代を背景に繰り広げられる、武将たちの緊迫感あふれる駆け引きをぜひお見逃しなく!
《あらすじ》近江国(現在の滋賀県)の琵琶湖畔。武将の佐々木盛綱・高綱は、兄弟でありながら、敵味方に分かれて戦っていました。ある日、盛綱側は高綱の子の小四郎を生け捕りにします。さらに高綱が討ち死にしたとの知らせがあり、盛綱のもとへ討ち取られた首が運ばれてきます。盛綱は、主君・北條時政の目の前でその首が弟・高綱の首かどうかの確認(首実検)を命じられますが、その様子を窺っていた小四郎は首を見た途端、自らの腹に刀を突き立てます。驚いた盛綱の脳裏には瞬時に様々な思いが駆けめぐります。はたして苦慮の末に盛綱が取った行動とは……!
佐々木盛綱(尾上菊之助)
盛綱・高綱兄弟のモデルは、江戸時代初期に起きた徳川家と豊臣家の最後の戦・大坂の陣で、敵味方に分かれて戦った真田信之・信繁(幸村)兄弟とされています。「盛綱陣屋」では時代設定を鎌倉時代に移し、戦によって翻弄される一族の悲劇が克明に描かれます。肉親同士で戦わねばならない戦乱の世の非情さ、その中でも変わらない家族の絆や情愛は、時代を超えて、観る者の胸に切々と迫ります。
一番の見どころの首実検の場面では、盛綱の複雑な心境を表情一つで演じ切ることが要求されます。近年では昨年11月に亡くなった人間国宝・二代目中村吉右衛門らの名演が知られています。今回の上演では、進境著しい尾上菊之助が盛綱を初役で勤め、芸の継承に挑みます。他にも多彩な登場人物を充実の配役で上演します。
また本編の前に「入門 “盛綱陣屋” をたのしむ」と題し、「盛綱陣屋」をお楽しみいただくのに重要なポイントを分かりやすくご案内いたします。「盛綱陣屋」をより一層お楽しみいただけること間違いありません!
分かりやすいご案内付きで本格的な歌舞伎作品をご覧いただけるこの機会に、あなたも歌舞伎デビューしてみませんか?
3月歌舞伎公演
国立劇場 令和4年3月歌舞伎公演
《歌舞伎名作入門》入門 “盛綱陣屋”をたのしむ / 近江源氏先陣館-盛綱陣屋-
(住所)〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1
- お問合せ
- 《国立劇場チケットセンター》(午前10時~午後6時)
0570-07-9900 / 03-3230-3000[一部IP電話等] - 交通
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- 東京メトロ半蔵門線〈半蔵門駅〉より徒歩5分、
半蔵門線・有楽町線・南北線〈永田町駅〉より徒歩8分
- 都営バス・都03(晴海埠頭-四谷駅)〈三宅坂〉より徒歩1分
※バスの本数が少ないのでご注意ください。
- 東京メトロ半蔵門線〈半蔵門駅〉より徒歩5分、
- 公演日時
- 令和4年3月3日(木)~27日(日) 12時開演
- ※10日(木)、22日(火)は休演
- ※11日(金)、18日(金)は12時・午後5時開演の2回公演
- 観覧料
(税込) - 一般=1等席(1階)8,000円、 2等席(2階)5,000円、 3等席(3階)3,000円
学生=1等席(1階)5,600円、 2等席(2階)3,500円、 3等席(3階)2,100円 - ホームページ
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https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2021/243327.html
- 【インターネット予約】
https://ticket.ntj.jac.go.jp (パソコン/スマートフォン共通)