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文化庁月報
平成23年7月号(No.514)
文化庁ニュース
全国伝統的建造物群保存地区協議会が桜川市真壁の災害復旧に協力
目次
東日本大震災で被害を受けた桜川市真壁伝統的建造物群保存地区に,全国伝統的建造物群保存地区協議会の会員市町村が復旧支援のための専門職員派遣を行っています。
桜川市真壁伝統的建造物群保存地区
東日本大震災前の真壁の町並み
被害を受けた石倉
平成23年3月11日に生じた東日本大震災では,550件を越える国指定文化財(登録や選定を含む)が被害を受けました。そのうち6件が重要伝統的建造物群保存地区(以下,「重伝建」)に選定されている歴史的な集落・町並みです。
大きな被害を受けた一つが茨城県の桜川市真壁伝統的建造物群保存地区です。この保存地区は筑波山の北麓に位置し,地区東側には関東屈指の戦国期の城跡として知られる真壁城跡(国史跡)があります。真壁の町は,真壁城の城下に形成された集落を起源とし,近世に城に代わって町場に
桜川市真壁伝統的建造物群保存地区が,文化財保護法
に基づき重伝建に選定されたのは,平成22年6月29日です。平成23年度から,保存修理事業に着手したいと準備を進めていた矢先に,東日本大震災で市域一帯が大きな被害を受けました。伝統的建造物として特定されている建物104件についても,約7割に屋根
全国伝統的建造物群保存地区協議会による復旧支援
現地で作業を行う鹿島市の職員
災害復旧の準備を早急に整えるにあたり,保存修理の経験の蓄積をもたない桜川市では,平成23年4月14日,全国伝統的建造物群保存地区協議会(会長:野村興兒萩市長)に技術協力を要請しました。この要請に応じて,4月29日〜5月2日には亀山市(三重県)が技術者を派遣し,続いて金沢市(石川県),大田市(島根県),萩市(山口県),うきは市(福岡県),鹿島市(佐賀県)が桜川市と日程調整をしながら,リレー方式で技術協力を行っています。この他にも数市が協力の意志を伝えています。
全国伝統的建造物群保存地区協議会は,重伝建をもつ市町村で構成される協議会です。地区の保存整備に関する調査研究や施策の推進を協調して図り,伝統的建造物群の保存と活用および住民の生活と地域文化の向上に資することを目的として,昭和54年7月に発足しました。平成23年6月30日現在,重伝建91地区が所在する77市町村すべてが会員となっています。この他にも数市が協力の意志を伝えています。
平成23年5月に滋賀県東近江市で開催された第33回総会では,「地震等災害に負けない伝統的建造物群保存地区の保存整備の推進」が特別決議されました。また,この総会に先がけて,「東日本大震災対応会議」が開催されました。重伝建は,これまでも,全国伝統的建造物群保存地区協議会のネットワークによる交流や連携により各市町村の取組および国の施策の発展が図られてきました。平時に培われた協力関係が,東日本大震災においても大きな力を発揮しています。

