(1)文化芸術振興の基本理念

文化芸術活動を行う者の自主性の尊重

 文化芸術は人間の自由な発想による精神活動及びその現れであることを踏まえ,文化芸術活動を行う者の自主性を十分に尊重する。

文化芸術活動を行う者の創造性の尊重及び地位の向上

 文化芸術は,活発で意欲的な創造活動により生み出されるものであることを踏まえ,文化芸術活動を行う者の創造性が十分に尊重されるとともに,その地位の向上が図られ,その能力を十分に発揮されるよう考慮する。

文化芸術を鑑賞,参加,創造することができる環境の整備

 文化芸術を創造し,享受することが人々の生まれながらの権利であることに鑑み,全国各地で様々な優れた文化芸術活動が行われるよう,国民がその居住する地域にかかわらず等しく,文化芸術を鑑賞し,これに参加し,又はこれを創造することができるような環境の整備を図る。

我が国及び世界の文化芸術の発展

 優れた文化芸術は,国民に深い感動や喜びをもたらすとともに,世界各国の人々を触発するものであることを踏まえ,我が国において文化芸術活動が活発に行われるような環境を醸成して文化芸術の発展を図り,ひいては世界の文化芸術の発展に資するよう考慮する。

多様な文化芸術の保護及び発展

 人間の精神活動及びその現れである文化芸術は多様であり,こうした多様な文化芸術の共存が文化芸術の幅を広げ,その厚みを加えるものとなることを踏まえ,多様な文化芸術を保護し,その継承・発展を図る。

各地域の特色ある文化芸術の発展

 各地域において人々の日常生活の中ではぐくまれてきた多様で特色ある文化芸術が我が国の文化芸術の基盤を形成していることに鑑み,地域の人々により主体的な活動が行われるよう配慮するとともに,各地域の歴史,風土等を反映した特色ある発展を図る。

世界への発信

 我が国と諸外国の文化芸術の交流や海外の文化芸術への貢献が,我が国の文化芸術のみならず,世界の文化芸術の発展につながることに鑑み,広く世界へ発信されるよう,国際的な交流及び貢献の推進を図る。

国民の意見の反映

 文化芸術の振興のためには,文化芸術活動を行う者その他広く国民の理解と参画を得ることが必要であることを踏まえ,文化政策の企画立案,実施,評価等に際しては,可能な限り広く国民の意見を把握し,それらが反映されるように十分配慮する。

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