資料3

文化審議会文化財分科会世界文化遺産特別委員会の設置について

平成18年9月15日
文化審議会文化財分科会決定

1.設置の趣旨

文化審議会文化財分科会運営規則第2条第3項の規定に基づき,文化財分科会に,世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(以下「世界遺産条約」という。)の実施に関する施策の在り方について,調査を行う世界文化遺産特別委員会を設置する。

2.調査事項

  1. (1)世界遺産条約の実施に関し,文化庁として講ずべき施策に関する基本的事項
  2. (2)世界遺産条約第11条2に定める「世界遺産一覧表」に記載されることが適当と思われる世界文化遺産の候補物件の選定
  3. (3)その他,世界文化遺産に関し必要とする事項

3.世界文化遺産特別委員会の構成

分科会長が指名する専門委員により構成する。

4.庶務

この調査の庶務は,文化財部記念物課が参事官(建造物担当)の協力を得て処理する。

今後の予定等について

平成18年9月

  1. 第一回世界文化遺産特別委員会の開催(平成18年9月26日(火)
    (暫定一覧表への追加等に関する手続きの明確化と審査基準の策定)
  2. 暫定一覧表への追加資産について,資産の所在する都道府県及び市町村からの提案を受け付ける。(平成18年10月~11月末)
  3. 暫定一覧表への追加資産(第一弾)を同特別委員会で選定し,文化財分科会の了承を得る。(平成19年1月)
  4. 暫定一覧表への追加をユネスコ世界遺産委員会へ提出
    (平成19年2月1日まで)
  5. ユネスコ世界遺産委員会において,暫定一覧表を決定(平成19年6月)
  6. 第二弾以降の暫定一覧表追加に向けてのプロセス
    (平成19年度以降数年間にわたり,毎年度選定。)

(注)なお,平成18年9月28日(木)に,全国の地方自治体向けの説明会を開催する予定。

世界遺産について

1.世界遺産条約(世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)

(1)条約の目的

文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷,破壊等の脅威から保護し,保存することが重要であるとの観点から,国際的な協力及び援助の体制を確立すること。

(2)経緯

昭和47(1972)年
第17回ユネスコ総会において採択
昭和50(1975)年
条約発効
平成4(1992)年
我が国において条約締結のための国会承認及び条約発効

平成18(2006)年2月現在,締約国数182ヵ国

2.世界遺産一覧表への登録プロセス

  1. [1]各締約国は,世界遺産一覧表への登録推薦の候補を記載した「暫定一覧表」を提出する。
  2. [2]各締約国は,「暫定一覧表」の記載物件のうち,「世界遺産一覧表」に登録する準備が整ったものをユネスコ世界遺産委員会へ推薦する。これに対し,ユネスコ世界遺産委員会が,「世界遺産一覧表」への登録の可否を決定する。平成18年7月現在,830件が登録されている。(文化遺産644件,自然遺産162件,複合遺産24件)

3.我が国の世界遺産一覧表記載物件(文化遺産10件,自然遺産3件)

  記載物件名 所在地 暫定一覧
表記載年
世界遺産
一覧表記載年
区分
1 法隆寺地域の仏教建造物 奈良県 4年 5年12月 文化
2 姫路城 兵庫県 文化
3 屋久島 鹿児島県 自然
4 白神山地 青森県,秋田県 自然
5 古都京都の文化財
(京都市,宇治市,大津市)
京都府,滋賀県 6年12月 文化
6 白川郷・五箇山の合掌造り集落 岐阜県,富山県 7年12月 文化
7 原爆ドーム 広島県 7年 8年12月 文化
8 厳島神社 広島県 4年 文化
9 古都奈良の文化財 奈良県 10年12月 文化
10 日光の社寺 栃木県 11年12月 文化
11 琉球王国のグスク及び関連遺産群 沖縄県 12年12月 文化
12 紀伊山地の霊場と参詣道 三重県,奈良県,和歌山県 13年 16年 7月 文化
13 知床 北海道 16年 17年 7月 自然

4.我が国の暫定一覧表記載物件(4件)

  • 「古都鎌倉の寺院・神社ほか」(神奈川県,平成4年)
  • 「彦根城」(滋賀県,平成4年)
  • 「石見銀山遺跡」(島根県,平成13年) ※本年1月に推薦書提出済み
  • 「平泉の文化遺産」(岩手県,平成13年) ※推薦書提出予定
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