(平成22年第11回)議事録

1.日時

平成22年12月3日(金) 10:00~12:00

2.場所

旧文部省庁舎 6階 第二講堂

3 出席者

(委員)
大渕,岡山,小泉,清水,末吉,多賀谷,茶園,道垣内,土肥,中村,中山,松田,村上,森田,山本(たかし),山本(りゅうじ)の各委員 
(文化庁)
芝田文化庁長官官房審議官,永山著作権課長,大路国際課長ほか関係者

4 議事次第

  1. 1 開会
  2. 2 議事
    1. (1)技術的保護手段及びその回避規制について
    2. (2)権利制限の一般規定について
    3. (3)その他
  3. 3 閉会

5 配布資料一覧

資料1-1
資料1-2
資料2
参考資料1

6 議事内容

【土肥主査】
おはようございます。
それでは,ただいまから文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の第11回を開催いたします。
本日は,お忙しいところご出席をいただきまして誠にありがとうございます。
議事に入ります前に,本日の会議の公開につきましては,予定されております議事内容を参照いたしますと,特段非公開とするには及ばないと思われますので,既に傍聴者の方には入場していただいておるところでございますけれども,特にご異議はございませんでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【土肥主査】
それでは,本日の議事は公開ということで,傍聴者の方にはそのまま傍聴いただくことといたします。
それでは,事務局から配布資料の確認をお願いいたします。
【壹貫田著作権課課長補佐】
それでは,配布資料の確認をいたします。議事次第の下半分をご覧ください。
本日は,資料1-1として,技術的保護手段ワーキングチーム報告の概要を,それから資料1-2といたしまして,同じく技術的保護手段ワーキングチーム報告の本体の方をお配りしております。また,資料2の方では,権利制限の一般規定に関する報告書をお配りしております。そのほか,参考資料1といたしまして,技術的保護手段に係る現行著作権法の規定をお配りしているところでございます。
落丁等ございます場合には,お近くの事務局員までお声がけいただければと思います。
以上でございます。
【土肥主査】
ありがとうございました。
それでは議事に入りますが,初めに議事の段取りについて確認しておきたいと存じます。
本日の議事は,技術的保護手段及びその回避規制について,それから,権利制限の一般規定について,そしてその他,この3点となっております。1につきましては,第9回の本小委員会において設置された技術的保護手段ワーキングチームの報告書について議論を行いたいと存じます。その後で,2につきましては,本小委員会の報告書(案)について議論を行いたいと思っております。
まず1でございますけれども,本日は,技術的保護手段ワーキングチームにおいて著作物等に係る保護技術についてご助言を賜りました坪内有一様にもご出席をいただいております。坪内様におかれましては,技術的なご質問がございます場合には,どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは,技術的保護手段ワーキングチームの報告書について,座長でした私より,その概要を報告書いたします。なお,報告書の具体的な内容につきましては事務局から説明をお願いしたいと,このように考えております。
それでは申し上げます。
技術的保護手段ワーキングチームは,知的財産推進計画2010においてアクセスコントロールの回避規制の強化につき保護技術的観点を踏まえた具体的な制度改革案を今年度中にまとめることと,このようにされておりますので,これを受けて早急に検討するべく,さきの9月7日の第9回法制問題小委員会において設置されたものでございます。
チーム員の選任につきましては,検討事項の内容にかんがみまして,本小委員会の委員6名のほかに知的財産権法の研究者・実務家等の5名を加え,座長のほか合計10名を選任することといたしました。なお,名簿は本報告書24ページに記載しておりますので,ご参照ください。
本年9月以降,計7回のワーキングチームを開催いたしたところでございます。
報告書の具体的内容につきましては後ほど事務局から詳細を説明していただきますけれども,私の方からは,お手元の資料1-1というA4の横長のものがございますけれども,これに基づいて,その概要について説明申し上げます。
まず1枚めくっていただいて,資料の1ページでございますけれども,ご覧ください。本報告書におきましては,まず,ファイル共有ソフトなどによりまして著作物の違法利用が常態化すると,このような中で違法利用全体の捕捉・摘発が現実的に困難となっております中,著作物等の保護技術は権利保護のために必要不可欠となっておりますこと,それから,技術的保護手段の現行の整理では,保護技術のうち,著作物等に信号を付加する方式のコピーコントロール技術は対象となっておりますものの,著作物等を暗号化することによって視聴等を制限する保護技術については対象外とされておりますこと,そうした中で,マジコンなどの回避機器の氾濫によりまして実際にコンテンツ業界に多大な被害が生じておりますこと,さらにまた,このような状況を受け,知財推進計画2010や本年10月に大筋合意に至りました模倣品・海賊版拡散防止条約,いわゆるACTAでございますが,この中においてアクセスコントロール等の回避規制が求められておりますことといった点について,この1ページで記述しております。
2ページ目をご覧ください。後でご紹介のある報告書におきましては,保護ワーキングチームにおいて技術的保護手段の見直し等について検討をいたしました結果,1つ,著作権等の保護技術について,技術のみに着目する現行法の考え方を改め,ライセンス契約等の実態も含め,保護技術が社会的にどのような機能を果たしているのかという観点から評価し直したこと,2つとして,その結果,技術的保護手段について複製等の支分権該当行為の侵害を防止または抑止する手段であるという基本的な考え方は,これは維持しつつも,3に,CSS等の暗号型技術について,保護技術の技術的な側面のみならず,契約の実態等も相まって,社会的にどのような機能をしているのかという観点から評価すると,暗号化技術は著作物等のコピーコントロールを有効に機能させるために用いられていると,このように評価できること,4に,またゲーム機・ゲームソフト用の保護技術についても,単にゲームソフトを複製するだけではその複製物を使用することができないようにすることで,違法複製を抑止する意図を持って当該保護技術が用いられておると,このように評価できることから,5といたしまして,暗号型技術,ゲーム機・ゲームソフト用の保護技術とともに,技術的保護手段の対象とすることが適当であることといった点について記述がなされております。
次に,もう1枚ページをめくっていただいて,3ページ目のところをご覧ください。以上を踏まえまして報告書の中では,新たに技術的保護手段の対象となる保護技術の実態や,新しい評価を踏まえた技術的保護手段に係る規定の見直しが必要であること,また,著作権者等の権利の実効性の確保という観点から,技術的保護手段について著作権等侵害行為を防止または抑止する手段であるという基本的な考え方は維持することとなったことを踏まえ,回避機器規制及び回避行為規制ともに,現行法と同様の規制とすることが適当であることについて記述をしております。
最後に,座長といたしましては,チーム員がその能力を最大限活用して,全力を挙げて検討を進めていただきまして,本小委員会の議論に資する重要な整理ができたのではないかと考えております。チーム員並びに事務局の並々ならぬご努力とご尽力に改めて感謝を申し上げまして,私からの説明とさせていただきます。
それでは,詳細をお願いいたします。
【壹貫田著作権課課長補佐】
それでは,資料1-2に基づきまして,技術的保護手段ワーキングチーム報告書の本体の具体的な内容について説明いたしたいと思います。
まず,1ページ目の「はじめに」をご覧ください。ここでは,本ワーキングチームの設置の経緯等のほか,本ワーキングチームでの検討に当たっての用語の定義について記述されてございます。具体的には,「アクセスコントロール」を著作物等の視聴等といった支分権の対象外の行為を技術的に制限すること,また,「コピーコントロール」を複製等の支分権の対象となる行為を技術的に制限することと定義されてございます。また,著作権等の支分権対象行為を保護するかどうかに関わらず,著作物等の保護のために用いられている客観的な意味での技術を保護技術と,著作権法上の対象となる保護技術を技術的保護手段として表現することとされてございます。なお,これらの用語の定義につきましては,本ワーキングチームの報告書における定義であり,一般的な定義ではないこと,また,本報告書では平成10年の報告書のときのように,「利用」を著作権等の支分権に基づく行為と,「使用」を見る・聞く等の利用以外の単なる著作物の享受として整理するものではないこととされてございます。
次に,1枚おめくりいただきまして,2ページ目以降でございます。
2ページから6ページにかけての第1章についてでございますが,ここでは,我が国の技術的保護手段に係る現行制度の概要や,各国の法制度,条約についてまとめられてございます。第1章は現状についての記述でございますので,内容の説明につきましては割愛させていただきたいと思います。
次に,7ページから15ページにかけてでございますが,こちらには第2章,技術的保護手段の在り方について記述されてございます。
まず,7ページ目の第1節,問題の所在におきましては,著作物等の違法利用が常態化する一方で,違法利用全体の捕捉・摘発が難しく,複製権や公衆送信権などの権利の実効性の低下が強く指摘されていること,こうした違法複製・違法流通による利用を防ぐためにも,著作物等の保護技術は著作権者等が対価を回収する上で必要不可欠な技術となっていること,著作権に関する保護技術の高度化・複合化が進んでいること,こうした状況の中,知財計画2010においてもアクセスコントロール回避規制の強化が掲げられていることなどが記述されてございます。
次に,8ページ以降におきましては,第2節といたしまして,技術的保護手段の見直しに当たっての基本的考え方について記述されてございます。
まず1.では,従来の考え方として,平成10年報告と平成18年報告について紹介してあります。それぞれの内容につきましては,詳しくは報告書をご覧いただければと思いますけれども,主な内容をご紹介いたしますと,平成10年報告では,規制対象とすべき技術的保護手段について,当該規制の趣旨が著作権者等の権利の実効性を確保し,また,これにより著作物等の適切な流通・活用が図れるようにするためであると考えられるため,第一義的には支分権に関連するものとすることが適当であるとされたこと。一方で,いわゆるアクセスコントロールを回避規制の対象とすることについては,著作権等の対象とされてこなかった行為について新たに著作権者等の権利を及ぼすか否かという問題に帰着し,現行制度全体に影響を及ぼすことなどを理由といたしまして適当ではないとされたこと。また,技術の複合が進んでいることを受けて検討・報告されました平成18年報告におきましても,アクセスコントロールにつきましては,著作権法の支分権の対象ではない単なる使用行為をコントロールする技術的保護手段の回避を制度的に防止することは,実質的には視聴等の行為に関する新たな権利の創設にも等しい効果をもたらすこととなるため,規定を直ちに改正すべきという結論には至らなかったということを,CSS,HDCP等のアクセスコントロール機能のみの技術について,それを回避する装置・プログラムに関しては現行の著作権法における規制の対象とはならないことなどについて記述されてございます。それらは,10年,18年当時の整理に基づく記述となってございます。
次に,9ページ目から11ページにかけてでございますが,ここでは,2,本ワーキングチームにおける基本的な考え方について記述されてございます。ここにおきましては,今日,保護技術を用いたネット上の著作物侵害対策強化による権利の実効性の確保の重要性がますます高まっており,本ワーキングチームとして保護技術について改めて分析・評価を行ったこと,アクセスコントロール機能とコピーコントロール機能とが一体化している保護技術を技術的保護手段の対象外とすることは,保護技術の高度化・複合化など技術の進展に著作権法が対応できていないという問題とともに,著作権等の実効性の低下が強く指摘される中にあって,もはや放置することのできない問題となっていること,また,違法流通を恐れて著作物のインターネット配信等を躊躇するなど,インターネット上での著作物流通の促進の観点からの問題や,国境を越えた著作物流通が増大する中にあって,国際的な協力のもと著作権保護を図っていくことの重要性の観点からも問題があることについて指摘がなされた上で,このような認識のもと,本ワーキングチームとしては,保護技術の技術のみに着目してコピーコントロール技術であるか否かを評価するのではなく,ライセンス契約等の実態も含めて,当該技術が社会的にどのような機能を果たしているのかとの観点から保護技術を改めて評価するべきであり,複製等の支分権の対象となる行為を技術的に制限する機能を有する保護技術については,著作権法の規制対象とすることが適当であると考えることと記述されてございます。
さらに,こうした考え方に立てば,例えばCSS等に用いられている暗号化技術のように,これまでアクセスコントロール技術と整理されてきた技術の中には,ライセンス契約等に基づいてコピーコントロールを有効に機能させるための技術として用いられているものがあり,こうした保護技術はアクセスコントロール機能とコピーコントロール機能とを併せ有するものと評価でき,著作権法上の技術的保護手段と位置付けることが適当であると考えられること。ただ一方で,なおアクセスコントロール機能のみを有していると評価される場合にまで著作権法の規制を及ぼすものとすることは,支分権の対象ではない行為について新たに著作権等の権利を及ぼすべきか否かという問題に帰着し,現行制度全体に影響を及ぼすこととなることから,短期間での結論が求められている本ワーキングチームとしては,こうしたことについては今後さらなる検討を要すべき事項であると考えることと記述されてございます。
以上が2の基本的な考え方でございます。
次に,11ページから15ページにかけましての3,保護技術の実態とその評価についてでございます。ここでは,本ワーキングチームとしての保護技術の実態についての分析・評価について記述されており,音楽・映像用の保護技術と,ゲーム機・ゲームソフト用の保護技術に,大きく2つに大別して記述されてございます。
まず,(1)の音楽・映像用の保護技術についてですが,これは大きく2つに分類されてございます。
一つは,コンテンツ提供事業者が保護技術のライセンサーから提供されている技術によりコンテンツを暗号化し,保護技術のライセンサーが復号に必要な鍵等を機器メーカー等にライセンスするとともに,当該ライセンスに係る契約等に基づき機器メーカー等にコンテンツ提供事業者と合意したコンテンツの複製等の制御を義務付ける,いわゆる暗号化型技術でございます。この暗号型技術の特徴といたしましては,著作物等の暗号化によりアクセスコントロール機能が働くのみならず,ライセンス契約に基づいて当該暗号化を当該著作物等のコピーコントロールを有効に機能させるために用いられている点が挙げられます。このような特徴を持つ暗号型技術につきましては,暗号化によってアクセスコントロール機能を有すると同時に,暗号化そのものはライセンス契約に基づいてコピーコントロールを有効に機能させるための技術として用いられていることから,コピーコントロール機能も併せ有するものと評価することができ,技術的保護手段の対象と位置付けることが適当であるとされております。
なお,暗号型技術につきましては,CSSのような記録媒体用のもの,DTCPのような機器間伝送路用のもの,B-CAS方式のような放送用のものがございます。それぞれの保護技術の概要につきましては報告書の脚注に書かれてございますので,後ほどご参照いただければと思います。
もう一つは,暗号化されていないコンテンツにコンテンツ提供事業者がフラグまたはエラー信号を付加し,機器がフラグを検出,反応するか,またはエラー信号により機器の機能が誤作動することで複製等を制御する,いわゆる非暗号型技術でございます。この非暗号型技術につきましては,報告書にもございますとおり,フラグ型とエラー惹起型に分類可能でございます。技術の実態につきましては報告書をご覧いただければと思いますが,フラグ型技術につきましては,現行著作権法の技術的保護手段の対象とされております。なお,エラー惹起型技術につきましては,コピーコントロールとしての機能を有する場合においては技術的保護手段の対象として位置付けることが適当であるとされてございます。
次に,14ページにございます(2)のゲーム機・ゲームソフト用の保護技術についてでございます。
現状のゲーム機・ゲームソフト用の保護技術につきましては,報告書にもございますとおり,ゲーム機本体にセキュリティーを施すとともに,正規のゲームソフトに当該セキュリティーに適合する信号を付し,当該信号によりゲームを起動させる技術が施されております。この場合,ゲームのデータを非正規の媒体に記録しても,当該媒体にはセキュリティーに適合する信号がないことからゲームが起動されないということになります。
ここでの回避の実態についてでございますが,ニンテンドーDSなどにおきましては,非正規の媒体にセキュリティーに適合する信号を新たに付加し,正規の媒体であるかのように動作することによってセキュリティーを回避する機器,いわゆるマジコンと呼ばれているものでございますけれども,これを用いることによって非正規のゲームが起動されることとなります。
また,PSPほか据え置き型ゲーム機におきましては,本体に組み込まれたソフトウエア―ファームウエアと言われていますけれども―を書き換え,セキュリティーが動作しないよう修正を施すことによって,セキュリティーに適合する信号がない非正規の媒体でもゲームを起動させることができるということになってございます。
この他,報告書では,オンラインゲームで用いられるものとして,正規ユーザーに与える固有の文字列やコードをネットワークを通じて接続されるサーバが認証することによってゲームの遊技を可能とする保護技術についても紹介されてございます。
これらのゲーム機・ゲームソフト用の保護技術の評価につきましては,当該技術が社会的にどのように機能しているかという観点から評価を行うことにより,違法配信サイトからダウンロード(複製)を行っても,当該違法複製物にはゲーム機本体にあるセキュリティーに適合する信号までは複製されず,結果としてゲーム機で使用することのできない,意味のない不完全な複製とすることにより,当該複製を抑止するための保護技術と評価することができ,技術的保護手段の対象として位置付けることが適当であると考えられると記述されてございます。
なお,オンラインゲーム用の保護技術のうち,ゲームソフトの複製やインターネット上での送信の防止・抑止が行われていない,こういったものにつきましてはアクセスコントロール機能のみを有する保護技術と考えられますので,技術的保護手段の対象として位置付けることは適当ではないものと考えられるとされております。
続く15ページでございますが,ここではまとめの記述がなされているところでございます。書かれていることはまさにまとめの内容なんですけれども,最後のなお書きの箇所におきまして,ゲーム機・ゲームソフト用の保護技術のうち,とりわけゲームソフトを暗号化していない場合につきましては,当該保護技術の回避によって支分権の対象となる行為が可能となるわけではなく,当該保護技術を技術的保護手段の対象とすることは結果として特定の者のプラットフォームを著作権法によって保護することにつながることから,反対であるとする意見があったことが紹介されてございます。この点につきましては,報告書にもございますとおり,暗号型技術やゲーム機・ゲームソフト用の保護技術につきましては,著作権者等の権利の実効性の確保という観点から著作権等侵害行為を防止または抑止する手段に係るものを規制対象とし,現行著作権法の技術的保護手段の枠内でとらえようとするものであり,特定の者によるプラットフォームの保護を認めるという観点に立つものではないということが確認されてございます。
続く16ページ及び17ページでございますが,ここでは第3章として,技術的保護手段の定義規定等の見直しについて記述されてございます。ここでは,現行の技術的保護手段の定義規定を,手段,方式,その他に分けて検討されております。今般,保護技術について改めて評価・分析を行った結果,CSS等の暗号型技術やゲーム用の保護技術を技術的保護手段の対象とすることが適当であるとされたことを踏まえ,現行の定義規定について必要に応じた見直しを行うべきであるというふうにされてございます。また,回避についても同様に,必要に応じた見直しが必要であるというふうに書かれてございます。詳細につきましては報告書の方をご覧いただければと思います。
続く18ページから21ページにおいてでございますが,ここでは第4章として,技術的保護手段の見直しに伴う回避規制の在り方について記述されてございます。
まず,第1節の基本的な考え方についてですが,ここでは規制の対象とすべき行為につきまして,技術的保護手段が社会的にどのように機能しているかという点に着目し,当該機能が機能しなかったとすれば,できなかったはずの著作物等の利用を可能にすることにより,著作権者等の権利の実効性が損なわれる行為であると考えられるとされております。なお,規制の対象となる行為の特定に際しましては,社会的実態を踏まえ慎重に行われるべきであること,また,米国で問題となった事例のように,技術的保護手段の回避規制を利用して著作権の対象とならないものにまで実質的な保護を及ぼすことを認めるものではないことは,今般の見直しによっても変わるものではないといったことが記述されてございます。
報告書では,回避規制につきまして,回避を伴う利用を大量に可能にする装置,回避装置及びプログラム,ここでは併せて回避装置等と言い換えてございますが,この回避装置等の製造等の行為を規制する回避機器規制と,実際に技術的保護手段を回避して著作物等を利用する行為を規制する回避行為規制との2つに分けて記述してございます。
まず,回避機器規制の趣旨でございますが,回避を伴う利用の際に用いられる回避装置等は,たとえ1台であっても大量の回避を伴う利用を可能とし,かつ,これらの回避装置等が大量に社会に出回ることになると社会全体としての著作権者等に与える被害は深刻なものとなるため,現行の著作権法においても回避装置等の製造等に対しては刑事罰が科されているところでございます。報告書では,今般の技術的保護手段の見直しによってもこうした考え方は変わるものではなく,引き続き,回避装置等の製造等により大量の回避を伴う利用を可能ならしめる行為について,著作権者等の権利の実効性の確保の観点から,規制の対象とすることが適当であると考えられるとされてございます。
それから,2の回避装置等の種類との関係についてでございますが,ここでは,いわゆる汎用装置につきまして,回避を行うことを唯一の機能とするものでないこと,また,当該装置等の使用者も必ずしも回避を伴う利用のために用いるとは限らないことなどから,引き続き規制の対象としないことが適当であるとされてございます。また,いわゆる無反応機器が規制対象とならないようにすることにつきましても,現行と同様,引き続き配慮が必要であるとされてございます。
また,3についてでございますが,回避機器規制として具体的に規制すべき行為としては,回避装置等が広く用いられる機械をなくすことが必要であるとの観点から,また,調査目的や研究目的の製造までもが阻害されることがないように,現行の規制と同様,引き続き回避装置等の頒布や頒布目的の製造・輸入等を規制対象とすることが適当であると考えられるとされてございます。
次に,19ページ後段の第3節,回避行為規制についてでございます。
まず,1の基本的な考え方におきましては,CSS等の暗号型技術につきまして,暗号化を解除することによりコピーコントロールとしての機能の効果を妨げ,複製自由の状態にして無許諾で複製を行うことは,他の権利制限規定により適法とされない限り,複製権侵害に該当することとなるとされております。一方,暗号化の解除であっても,当該暗号解除がアクセスコントロールとしての機能の効果を妨げることにより,非正規の機器で視聴できるようになることにつきましては,視聴行為が著作権法の支分権の対象外であり,当該解除に係る回避行為は支分権の侵害行為に当たらないことから,当該回避行為を規制の対象とすることは適当ではないと考えるとされてございます。
同様に,ゲーム用の保護技術につきましても,当該保護技術を回避する行為そのものはゲームソフトの複製物を使用できるようにするものであり,こうした行為は支分権侵害行為に当たらないことから,当該回避行為を規制の対象とすることは適当ではないとされてございます。
また,2の権利制限規定との関係につきましては,現行著作権法上,技術的保護手段を回避して行われる私的使用複製との関係につきまして,技術的保護手段の回避により著作権者等が予期しない複製が自由にかつ社会全体として大量に行われることは,著作権者等の経済的利益を著しく損なうことを理由といたしまして,私的使用複製においても回避による複製を権利制限から除外される旨,規定されてございます。その一方,その他の既存の権利制限規定に基づく利用につきましては,回避して行われる利用であっても,著作権者等の経済的利益を著しく損なうおそれがあるとまでは言えないことから,規制の対象とすることは適当ではないと整理されていることを記述した上で,こうした整理は,今般の技術的保護手段の見直しにより技術的保護手段に係る基本的な考え方を変えるのではなく,現状の保護技術の評価に係る考え方を変更することとしたことから,引き続き妥当するものと考えられるとされてございます。
その他,3にございます回避サービス提供行為につきましては,大量の回避を伴う利用を可能ならしめる行為であって,また,個々の利用に先立つ行為として行われるものもあると考えられることから,現行著作権法において,そのような行為につきましては権利侵害行為のより効果的な防止を図るため,規制の対象とすることが適当であると整理されており,こうした整理も引き続き妥当するものであるというふうにされてございます。
次に,21ページ及び22ページにございます第5章の規制の手段についてでございます。
まず,第1節の回避機器規制の手段についてでございますが,報告書では,民事的救済手段に関しまして,回避装置等の頒布や頒布目的の製造・輸入等につきまして,著作権者等が民事的救済手段を講じようとしても,多くの場合,通常はどの著作物等が回避を伴う利用の対象となるかが特定できないため,著作権等の被侵害者を特定することが困難であり,特別な民事的救済に係る規定を置くことは困難であると考えられるとされてございます。ただし,ワーキングにおきましては特別の救済を検討すべきという意見もあったことも併せて紹介されてございます。
一方,刑事罰に関しましては,回避装置等により社会全体で大量の回避を伴う利用が行われ,著作権者等全体の利益が著しく損なわれるといったことを防止する等の観点から,また,侵害準備行為であって著作権等が侵害される者を特定できないことから,現行著作権法では回避装置等の製造等に係る規制については非親告罪とされていること,また,法定刑につきましては,回避専用装置等の公衆への譲渡等は,著作権者等の権利利益の実効性を著しく損なうものではあるものの,権利侵害行為そのものではなく,いわばその準備的行為に当たることを考慮し,現行著作権法上3年以下の懲役もしくは300万以下の罰金またはこれらを併科する旨,規定されていることを説明した上で,こうした回避機器規制に係る民事的救済手段や刑事罰に関する現行制度上の整理は,今般の保護技術の評価を経ても変わるものではなく,引き続き妥当するものと考えられるとされてございます。
次に,第2節の回避行為規制の手段についてでございますが,現行著作権法におきましては,回避行為そのものではなく回避を伴う利用に着目して規制しており,民事的救済については当該利用が著作権等を侵害する行為に該当する場合には,現行法に基づき損害賠償請求権や差しとめ請求権により救済されること。ただし,刑事的救済につきましては,これは私的使用のための回避を伴う複製行為は刑事罰を科すほどの違法性があるとまでは言えないことから,行為者は刑事罰の対象から除外されていることを説明した上で,こうした現行制度上の整理は引き続き妥当するものと考えられるとされてございます。また,回避サービス提供行為につきましても,回避装置等に係る規制と同様の考え方で規制を行うこととされている現行制度上の整理,これが引き続き妥当すると考えられるとされてございます。
最後に,「おわりに」でございますが,ここでは特に今後の条文化に当たりまして,本報告に基づき,また,保護技術の実態や保護技術の回避の実態等を踏まえた上で,いわゆる明確性の原則等にも配慮しつつ作業を行う必要がある旨の指摘がなされているところでございます。
以上,長くなって恐縮ではございますが,技術的保護手段ワーキングチームの報告書の本体の具体的な内容につきまして説明を申し上げました。
以上でございます。
【土肥主査】
どうもありがとうございました。
ワーキングチームの報告書につきましては,本日ご議論をいただきまして,基本的な方向性についての了解がいただけます場合には,本小委員会における中間まとめとして取りまとめさせていただければと思っております。この場合,分科会に報告させていただいた上で,意見募集ということを考えております。
それでは,ワーキングチームの報告書について,何かご意見,ご質問がございましたら,お願いをいたします。
中山委員。
【中山委員】
ちょっとお伺いしたいんですけれども,法律とか,あるいは報告書は一般論で書くのが常で,これも一般論として書いてあるんですけれども,随所に「マジコン等」という言葉があって,主たるターゲットはマジコンであるということだろうと思うんですけれども,もしこれが立法化されたらマジコンの製造・輸入販売等は禁止されるんでしょうか。
【永山著作権課長】
今回のワーキングチームの整理では,先ほど来ご説明させていただいていますように,マジコンだけを対象にしているものではありませんが,マジコンについても規制の,技術的保護手段の対象になる行為を回避する装置という評価をこのワーキングチームの方ではしていただいておりますので,したがって,そのマジコンという回避装置について,頒布目的で製造する行為,また頒布する行為,そういう行為については規制の対象になるというのがこのワーキングチームの整理でございます。
【中山委員】
マジコンの利用者というのは,恐らく大半は違法にアップロードされたものをダウンロードして,それでマジコンを使ってプレーをするという,こういうことだろうと思います。それを規制するというのは,ACTAの精神あるいは知的財産戦略計画からして妥当だろうと思うんですけれども,マニアの間には自分でコンテンツを作って,それをニンテンドーのプラットフォームで動かしたいという人もいて,そのときはニンテンドーのOSは公開されていませんから,どうもマジコンを使ってプレーするらしいと。あるいは,ニンテンドーのゲームは吸い出しができますね,これは。私的使用目的での吸い出しは合法だと思うんですけれども,合法的に保持をしているものをマジコンを使ってプレーをしたいという,これは,先ほど見ると,これ合法,違法ではないということになるわけですか。
【永山著作権課長】
そのような整理になります。
【中山委員】
そうすると,そういう整理になると私も読んだんですけれども,マジコン自体がもう販売されなくなるということになると,実質的には,今言ったような合法的なマジコンの使い方も,機器やマジコンがなければできないと。
ということは,ここで書いてあります,ある特定の者のプラットフォームを保護するものではないということなんですけれども,実質的にマジコンの製造・輸入販売等が禁止されれば,特定のプラットフォームを保護するという事実上の効果は出てこないんでしょうか。
【永山著作権課長】
事実上の効果云々の話はちょっとあれでございますが,今回のワーキングチームの整理では,当然今回は著作権の支分権,まさに著作権そのものを保護する,そのためのそういう侵害行為の防止・抑止という観点からの規制範囲ということで議論しましたので,その範囲に入るだろうという整理でございます。
【中山委員】
要するに,マジコンがなければ今言ったように自分で作ったコンテンツも事実上使えなくなっても仕方がないと,こういう整理ですね。
【永山著作権課長】
それは現行のコピーコントロールに関する著作権法の考え方も同様でございまして,当然,法規制とそれを適用する際の,法を執行する際の両方のバランスで,適切にといいますか,対応する。現状も,例えば権利制限規定との関係でいえば,要するにコピーコントロールを回避して複製する行為について,当然私的使用目的で回避して複製する行為は違法になってございます。
ただ一方,それ以外の権利制限規定についてはそういうような手当てはしていないということで,そこは全体としての販売目的の製造の規制,また販売の規制ということと,当然その背景には適法行為,適法な使用行為もあるというところで,そこは法の規制の仕方と,もう一つはそれを執行する側の,両方の形で適切なバランスを図るというのは,そこの考え方はこれまで現行法の考え方と同様だと思っております。
【中山委員】
そうすると,専用器かどうかという問題が出てくるわけですけれども,第一次マジコン訴訟では,たしかあれはもう違法だとされて,他の目的はないとは言わないけれども問題にならないとされたわけですけれども,それもそれと同じで,今度のワーキングチームも同じような考え方をとっているわけでしょうか。つまり,マジコンは専用器であるという,そういう考え方なんでしょうか。
【永山著作権課長】
専用器で,専らそういう機能を有するかどうかということでいえば有するという,ワーキングチームでは,現在あるそういう技術の評価,実際にそれがどういう回避機器が現状あるのかということを評価した上で今回報告書をまとめていただいていますので,現行のものであれば規制の対象になるというふうに整理しております。
【中山委員】
あと,例えばソニーのゲーム機器では余りこういう問題が起きないのは,それはどうしてですか。つまり,マジコンはニンテンドーが主として問題になっているわけですね。ソニーではそう大きな問題になっているとは思えないんですけれども,それは,ニンテンドーとソニーとの関係では何か違いがあるんでしょうか。
【永山著作権課長】
詳細は報告書に書いてあるんですが,ゲーム用の保護技術にも,ニンテンドーのように,要するに保護技術の技術の中身が違うということで。余り固有名詞を出すのはあれかもしれませんが,ニンテンドーDSの場合には信号付与方式。信号付与で,正規品に正規品の信号を付すことによって違法に複製されたものの使用を抑止する,そういうことで非法複製を抑止する,そういう機能を有しているというのが今回の報告書の考え方です。
一方,ソニーさんとかほかのメーカーのゲーム用技術には暗号型。暗号化することによって,暗号化とそのセキュリティーシステムと,ニンテンドーに近いような仕組みと暗号型技術を両方組み合わせることによって,より実効性のある保護技術を使用しているということで。技術の内容が違うもので,そこをちょっと書き分けているということはあるかと思いますが,そういう,要するに技術の違いによる整理をしているということで。
【中山委員】
もっと簡単に言うと,私的使用目的に合法的に吸い出しができるものとできないものとあって,もし技術的にできないとすればかなり保護されていると。しかし,簡単に吸い出しができるもの,つまり私的使用目的で自分で合法的に吸い出してコンテンツを持つことができるものと,両方あると思うんですけれども,その場合,どちらかというと裸で出している人もこれから保護しようと,こういうことなんでしょうか。
つまり,ニンテンドーのは吸い出しできるわけですね,合法的に,私的使用目的であれば。恐らくそれはそういう技術になっていると思うんですね。他のメーカーはそれはできないようになっているから余り吸い出しされなくて,アップロードもされないし,ダウンロードもされないということだと思う。
もっとも,その元を書き換えてしまうような悪質なのは別として,単純に吸い出し,アップロード,ダウンロードという,こういうサイクルで見た場合に,吸い出しができるものとできないものと法的に同じに扱うんですかという,こういう質問なんですけれども。
【土肥主査】
よろしいでしょうか。
先生がおっしゃっておられるところは,私的複製が可能なものを,専ら回避を行うことを目的としている,そういう装置に個人が吸い出し行為によってそれを利用する行為,そこを禁止することは,ここはやっていないわけですよね。
【中山委員】 
もちろん。
【土肥主査】
やっていない。可能性としてはそういうことがあるから,専らそういうことを目的とした機器の販売を認めろと,こういうことでしょうか。
【中山委員】
そうじゃないんです。私の言ったのは全くそうじゃなくて,もし技術的に防ぐことが可能な方法があるとすれば,まずそれをやるべきであって,それをやらないで裸で出しといたのに何か法律で保護してほしいという,こういう趣旨なんですかという,ここなんです。
【土肥主査】
そういう趣旨ではないと思う。
【中山委員】
いや,趣旨って,結果的にそういうことになりませんかということなんです。
【土肥主査】
どなたか,この点についてご意見ある方がおいでになりましたら。
【中山委員】
いや,恐らく私のこれは想像ですけれども,ニンテンドーは最初に作ったメーカーで,そういう方式はとっていないと。恐らく今さら多分できないだろうということだろうとは思うんですけれども。
【土肥主査】
いや,そこのところはいろいろ,ここにはニンテンドーの機器についてお詳しい方はおいでにならないと思うんですけれども,最近のものは昔のものとは少し違うところがあるということの説明はございましたけれどもね。
【中山委員】
分かりました。その点は,じゃ,もうこれで結構です。
もう一つは,アクセスコントロールで非常に大事なことは何を抜くかということだと思うんです。アクセス一般,全部禁止したのでは,これはもう大変なことになりますから,当然抜かなければいけない。このとき余り,ちょっと一応書いてはあるんですけれども,要するに支分権で書いてあるようなことは抜くという,そういう趣旨なんでしょうか。
裁判で使うためのアクセスは解除してもいいとか,そういう趣旨なんでしょうか。
【土肥主査】
権利制限規定の規定の適用がある場合,30条以下に,それはこの報告書の中ではそちらの権利制限規定の方が適用されますので。
【永山著作権課長】
暗号化技術には,今回の整理では当然,アクセスコントロール機能とコピーコントロール機能,両方を併せ有するという評価をしております。したがって,その暗号型技術の持っている,要するにコピーコントロール機能を介して複製する場合,それについては,権利制限規定に基づく複製ということであれば,私的複製については現行法の規制をそのまま継続すべしということがあります。ほかについても継続なんですけれども,そこについてはその規制が及ばないというのが今回の整理でございます。
【中山委員】
多分そういうふうに私も読んだんですけれども,そうすると,あけてみなければ分からない。それが30条以下に該当するかどうか,あるいは著作物か非著作物か,あるいは権利が切れているか切れていないか,あるいは混在しているかどうかということ,これ,あけてみなければ分からないんですけれども,そういう場合はどうなんでしょうか。
【土肥主査】
その点は従来から議論になるところころですよね。
【中山委員】
従来はコピーコントロールだったから,そう大きな問題はない。アクセスコントロールになるとどうですかという話を聞いているんです。
【土肥主査】
いや,アクセスコントロールという,コピーコントロールという,従来使われていた概念といいますか,範囲,スコープを,先ほどの説明から言うと,利用の実態というものから少し見直してはいますけれども,考え方は従来と同じですよ。
【中山委員】
恐らく同じ,考え方が同じと称しても,実態はかなり違ってくると思うので。アクセスもブロックされる場合が出てくるわけですけれども,そういった場合,先ほど私が言ったような質問は,つまり,例えば著作物と非著作物が混在している場合とか,いろんな場合はどうなるんですかという。
これ,アクセスがいいとなれば,それは今の問題は起きなくなってくるわけですけれども,アクセスした結果,著作物ならばコピーしません,非著作物ならばコピーします,全部しますと,こうなるわけですけれども,アクセス自体のところは何か制限されちゃうと,その辺はどうですかという質問です。
【土肥主査】
森田委員,どうぞ。
【森田委員】
その点も結局,個人の行為が違法になるのは支分権を侵害した行為だけであって,アクセスそのものを抽象的に取り出して,それだけで違法になるかどうかというわけではありませんので。また,そのアクセスとコピーが,先後関係が,マジコンのような場合には海賊版をコピーした上でアクセスするという順番になります。逆の場合もあるわけでしょうから,その両方の要素が全部整ってまで支分権侵害があるかないかという点が問題になりますし,また損害賠償でいく場合には一般原則で故意・過失の問題がかぶってきますから,そういう要件の,つまり一般原則の範囲内で賠償が認められるかどうかというところで適切に要件を解釈すれば,あけただけで,これで常に違法になるか,賠償責任を問われるかというと,そういうことはないという整理になっているかと思います。
【土肥主査】
どうぞ。
【中山委員】
それでいいと思うんですけれども,確認ですけれども,あけてみた結果,著作物であって,それでコピーをするというところをとらえ,コピーをするというか支分権侵害になるというところでとらえるわけですか。そうすると,あけてみて,その結果,支分権侵害にならないような行為をすることはちっとも構わない,こういうことですね。
【森田委員】
私の理解では,あけてみただけでは違法にはなりませんし,先ほどのマジコンの場合も,マジコンを使って自主制作ソフトで遊ぶということ自体は何らそこでは支分権該当行為を侵害しておりませんので,違法行為ではないということになる。マジコンを使って遊ぶことが,これによって違法になるかと言われると,そもそもそういう問題設定になっていませんし,また,アクセスコントロール,コピーコントロールという言葉も,この報告書の最初でいったん定義をして使っていますけれども,結局,支分権を守るという機能を有する場合にそれを技術的保護手段と呼ぶだけであって,マジコンが全て技術的保護手段で,この法律によって違法となるという趣旨ではないという理解でおります。
【土肥主査】
これは刑事罰ですので,故意の問題というのが当然出てくるかと思います。
【永山著作権課長】
事務局の方の理解としても,今,森田先生の方からご説明がありましたように,回避行為,行為規制という観点から,今回の整理はアクセス行為そのものに及ぼさないという,そこは大原則の報告書になっていますので,そういう理解をいただければと思います。
【土肥主査】
森田委員,どうぞ。
【森田委員】
それから,最初にマジコンの販売が今後全て違法になるかという議論については,ワーキングチームでも議論がありましたので,若干紹介させていただきたいと思いますけれども,違法と評価するかというのは,先ほどの適法な利用と違法な利用の両方があると場合に,そういう機能を持つものがある場合に,それをどう評価するか。
現行でいくと「専ら」という要件の解釈になってくるわけですけれども,その「専ら」の解釈をするときには,その時点における社会における利用の実態というのを踏まえて解釈されることになると思いますので,現状では,自主制作ソフトというのはそれほどはなくて,ほとんどが海賊版が利用されているという実態のもとにおいて,その機器がどういう機能を持っているかという評価をすると違法になるとしても,これは仮定の話でありますけれども,将来そうでない事態になったときには,それは「専ら」と言えなくなって,そのときには製造販売が,特定の目的で,あるいは特定の売り方をすると違法になるけれども,そうでない場合には適法な売り方も可能だということは,これは論理的に否定されていないわけでありまして。ですから,違法の評価というのも,現時点である裁判例があったとして,それは現時点における実態を踏まえた解釈をしていると思いますけれども,将来の時点においてどうなるかというのは,これはまた一般原則どおり考えていけばよいことになると。
そうは言っても,世の中からなくなってしまうと,事実上という問題は残るわけでありますけれども,そこはどういう規制をしても,汎用品という評価が時とともに移るという原則を踏まえても,そういう問題は事実上は出てくると思いますが,それはいたし方がないといいますか,そこまでを調整することはなかなか技術的には難しいという理解でおります。
【土肥主査】
小泉委員,どうぞ。
【小泉委員】
実は中山委員と全く同じ疑問を2つ持っていましたので,繰り返すことはいたしませんけれども,委員の中でワーキングチーム委員以外の者がやっぱり同じ疑問を持っていたということは議事録に残しておいていただくべきだと思うので,簡単に言いますと,CSSについては,アクセスコントロールではあるけれどもコピーコントロールの実効性を確保するものだというロジックで,及ぼすというのは言いやすいと思うんですけれども,そもそもコピーコントロールが関わっていないものについて,アクセスコントロールの実効性を確保するものだというのは,やっぱり何か特段の説明が要ると思うんですね。
違法なダウンロードが蔓延しているというふうにおっしゃるわけですけれども,今日の最初の説明資料の分かりやすいのは資料1-1の1ページで,この真ん中の段に,マジコンを使う場合に違法ダウンロードということが書いてありますね,雲の中に。30条1項3号で,全てのゲームのダウンロードが違法になるとは私は理解しておりませんし,報告書の20ページにその点については言及があります。違法じゃない場合もあるんだということがまず1点と。
それから,これも全く同じ点ですけれども,この違法という評価が,確かに違法なこともあるだろうけれども,当該ゲームの創作者自身が自ら望んでダウンロードをしてもらっているという場合もあるわけで,こうなると違法じゃないじゃないかと。これは「のみ」の評価ということになると思うんですけれども,お伺いしたかったのは,そこについてワーキングチームではどういうふうに法的なロジックの議論をされたのか。報告書の中には必ずしも―結論は分かりますけれども―分からなかったもので,何かご議論があればお聞かせ願いたいということで。
もうご説明があったのかもしれません。もし何かありましたらよろしくお願いします。
【土肥主査】
今の点,ご紹介いただけますか。
大渕議員,どうぞ。
【大渕委員】
今のはご趣旨が,今までもご説明あったかと思うのですが,それで不足とかいう話なのか,整理してくださいというのが分からないのですが,もう先ほど出尽くしている感じがあるのではないかと思いますが。
今回のは,アクセスコントロールとなっていますけれども,それは技術としてアクセスコントロールかもしれないけれども,コピーコントロール機能のために契約等と結び付けられて使われているのでれば,むしろそれはコピーコントロール機能ということで,支分権の範囲内でとらえられるというのが哲学の一つであると思います。
それから,ピュアアクセスコントロールというようなものについては,私もこのワーキングチームが始まる前に懸念を表明しましたけれども,ピュアアクセスコントロールみたいなものはキャッチしないという,それが一番,ちょっと何か各論の方に行って,そのベースが分かりにくくなっていますけれども,一番のベースはピュアアクセスコントロールみたいなのを皆さんご懸念されて,見るといった,それ自体のものは一切規制しないということだと思います。
技術自体を純粋に,これは要素技術と呼んだりするみたいですけれども,純粋に技術として見ると,それはアクセスコントロール技術だけれども,それは契約等と結び付けられていて,コピーコントロール機能的に用いられているのであれば,それは支分権をコントロールするという意味で,著作権法の範囲内でとらえられるので,そういう意味で,今回,従前は,コピーコントロール技術だけしかとらえなかったのを,アクセスコントロール技術を組み合わせてのコピーコントロール機能まで広げるという話であると思います。
それから,マジコンの場合には,大元の違法の複製アップロード等の規制の実効性を高める観点から,後でそれを複製してもプレイできないようなものだったら,そもそも違法アップロードや違法複製アップロードをしないであろうという,そういう形で全て非常に著作権法のロジックの中で組んである話であります。
それで,そこの部分が先ほど余り各論の話で出ていなかったので,それを踏まえた上で,それ以外の「専ら」とかその辺の話は,適法と違法が両方まじるというのは,現行のコピーコントロール技術での話を含めて多々ある話なので,それはもうその中の文脈の中で解決される問題で,それはもう実際どういう形で使われているかなど,そういうことを踏まえての「専ら」の中に解消されるような話なのであります。
それ以外に何かご不明な点があるのかお聞きしてからの方が,ご質問にお答えしやすいのではないかと思いますので。
【土肥主査】
今の小泉委員のお尋ねなんですけれども,このワーキングチームというのは技術的保護手段に関するワーキングチームなもんですから,30条問題という非常に大きな問題は,ワーキングチームとしてもどこまで踏み込めるかという問題があったわけですね。おっしゃるような雲のところ,違法ダウンロードのところについては,30条のところで議論のあるところかと思うんですね。つまり,録音・録画という,そこのところにつながっていくわけですので。
ですから,我々という意味は,委員の中にそういうことについてご意見ありましたけれども,それはこのワーキングチームよりも,例えば私的複製の問題として議論していただきたいという,そういうところかと思いますが。
【小泉委員】
ありがとうございます。
いや,追い詰める趣旨では全くないんですけれども,この30条を違法にしてからこの規制を導入しろということを言っているわけじゃなくて,適法な場合がかなりあるという前提で,あえて今回先立って,いろんな状況はあると思うんですけれども,導入されるときに何か法制化に当たって特段のご議論というんでしょうか,正当化というんでしょうか,それは構わないというお話だったのかということをお教え願いたいという質問でございます。
【土肥主査】
はい,どうぞ。
【中山委員】
私も小泉委員と同じような質問だったんですけれども,マジコンって非常に悪者化されていて,その部分が圧倒的に多いことは私もそうだと予測はしているんですけれども,先ほど言いましたように,違法でないダウンロードも中にはあるわけです。違法でないものもあるし,かつ吸い出しをした部分は合法ですし,かつ自分でコンテンツを作ってマジコンをかませてプレーする場合もあると。その割合が一体,これはもちろん正確にはできないんですけれども,一体どういう,そのワーキングチームで議論されたのか。今言った合法的な方が例えば3割あるとか,2割あるとかいう話なのか,あるいは,もう本当に微々たるものなのかという,こういう質問です。
【土肥主査】
その合法的なものがどのぐらいあるかというのは,データとしては存在しないですね。
つまり,いわゆる違法ダウンロード,中山委員は十分ご承知の上でご発言になっていると思いますけれども,違法なダウンロードというものがどのぐらいあるかということは,団体によって一応一定程度十分調査されておりまして,そのデータというのは委員会の中で,ワーキングチームの中で承知をしております。
適用のものがどのぐらいあるかということについては,残念ながら我々もデータを持っておりませんでしたので,あくまでも観念的な可能性としては,それはあるということだと思いますが。
【中山委員】
先ほどの事務局の話ですと,これは,マジコンは多分禁止されるだろうという話だったんですけれども,仮に合法的に吸い出して遊ぶという部分はかなりあるとすれば,なかなかこれは禁止できない。もっとも,マジコン禁止という条文になるわけじゃないので,あとは判例に任せるということだろうと思うんですけれども,ワーキングチームとして,恐らくマジコンをメインに考えていたんだろうと思われますので,一体そういった合法的なことというのは本当に微々たるものなのかどうかという議論はあったんでしょうかということをお聞きしたかったわけです。
【土肥主査】
どなたか。はい,どうぞ。
【大渕委員】
先ほど座長が言われたとおりでありまして,完全に,すごくスペシフィックな意味でのデータを持っていたわけではないのですが,全員,日々の生活の中で感じているものはあって,その,微々たるものかと言われるとあれですけれども,マジコンで使われているもので,見逃せない程度に違法目的のものがあるという認識はあったと思います。反対側が,どこまで微々たるものかというところまで,データを調べ切っているわけではありませんけれども,逆に,この抑えなければいけない方が見逃せない程度の割合あるという認識はあったかと思います。
その上で,あとは「専ら」の,先ほどの中で個別に解消されていくものでありまして,それはそれこそ1年後,2年後,3年後で,いろいろ状況が変われば,その時点に応じて,変わってくるものである点は現行のコピーの技術的な,狭い意味でのコピーコントロールでも同じ話ではないかというふうに理解しております。
【土肥主査】
ありがとうございました。
この点に関係しますか。村上委員,どうぞ。
【村上委員】
単純に質問で,1つだけ教えてください。非常に実務的な話ですけれども,この暗号型技術というのとゲーム機・ゲームソフト用の保護技術のレベルがどのぐらい違うものなのかというのだけ,教えてください。
これ,使い分けの言葉では,例えばゲーム機・ゲームソフトの方の技術の場合には,ゲームデータにセキュリティーに適合する信号という,そういう形の説明になっています。それから,この暗号型技術の場合には,暗号の復号に必要な鍵情報がなければ駄目だという感じだった。
先ほどの質問の関係で,そうすると仮にニンテンドーさんに,例えばゲームソフトであってもこの暗号を使うようにしてゲームソフトを構成するようにした場合には,この暗号型技術という形で保護はできるのか。それとも,実際問題としてゲームソフトみたいなものに一々暗号化して鍵情報を渡してコントロールするというのは,実務的にそんな不可能なことはとてもできるような製品ではないというか。そこのところはまるっきり違う2つの技術,いわゆる技術的保護手段の内容になっています。
2つの技術というのはレベル的に全く違うものなのか,ある程度ゲームソフトにもそういう技術というのを要求すればできるものなのかという,そこの技術のレベルの問題と,もう一つが,実際にビジネスなり技術としてそこを区別すべきぐらい違うのかということだけ,ちょっと教えてもらえればという感じだったんですが。
【土肥主査】
これ,事務局でお願いします。
ゲームですけれども,大丈夫ですかね,坪内さん。
【坪内氏】
すみません,私,直接の担当ではありませんけれども,一般論としてご説明させていただきます。
一つは,ゲームで暗号型技術というのを使うことが非常にハードルが高いのかという点につきましては,実際,報告書の中にも書いてありますけれども,ニンテンドーではないメーカーで暗号型技術を実際に採用しているところもありますので,不可能ではないという話だと思います。
では,暗号型技術とここで言うゲームのフラグ型の技術のレベルの差がどの程度かというのは,非常に定量的に申し上げるのは難しいんですけれども,ここでの説明に絡めて申しますと,暗号型技術は複製が行われることを防止かつ抑止していると。抑止の方法が,暗号化されたコンテンツがコピーされても,暗号を解くために必要な情報がないと解けないから,そんなものをコピーしても意味がないということで抑止しているという意味で,防止プラス抑止のレベルが高いということですけれども,ゲームのフラグ型のものについては,防止はしていない。抑止のレベルが,確かにニンテンドーのゲームをそのままコピーしたら,必要な信号がないので使えないんですけれども,じゃ,その必要な信号を新たに付ける,あるいは必要な信号がなくても動作するようにするということは,どのぐらいのレベルかと言われると,暗号に比べれば確かにレベルは低いということになるかと思います。
そこの技術的な差は,すみません,定量的には申し上げられないんですけれども,ただ,両方とも抑止はしているということだと思います。
【土肥主査】
はい,どうぞ。
【道垣内委員】
私は,国際的な法律問題をやっていてこの小委員会に加わっておりますので,この観点から,6ページの記載について指摘をさせていただきたい点と,それから若干の意見がございます。
その1の方のWIPO新条約と書いてある方ですが,そもそもは,この古い条約も1996年の条約ですから,新条約というのはいかがなものかと思いますし,書いてあることはWCTのことしか書いていないので,WCTのこととして書けばいいんじゃないかと思いますけれども,さらに,その条約がいつ採択されたからじゃなくて,これ,現行の日本が締約国になっている条約なので,いつ日本が批准したのかというと2002年,平成14年ですので,そちらを書くべきだろうと思います。
さらに,その2つ目の○のところの引用条文は,全くここからとった条文とは違いまして,独自に訳されているようですので,それも適切を欠くのではないかと思います
そういった,特に問題は,後でこれからお話しすることに関係するのは,「適切な法的保護」とお訳しになっていますが,これは「適当」と訳しているのが国会を通った訳文になっていまして,訳文自体は正文ではないので参考訳でしかないと理解しておりますけれども,それでもそこを,言葉を変える必要はないんじゃないかと思います。
意見として申し上げたいのは3番目の○のところで,今回の措置を含めて,これは各国が自由にできるんだということをお書きになっているわけですが,条約上は,適当な法的保護,あるいは効果的な法適用性じゃなきゃいけないはずなので,そのことを満たしているという評価がどこかでなきゃいけないのではないかと。このように書いてしまいますと,後の方では一切出てこなくなってしまいますけれども,今回提言あるいは示唆している法改正の方向が適当なもの,それから効果的なものであるという評価はどこかであってしかるべきではないかと思います。
さらに,そのことを考えますと,どうしてこんなに改正が遅くなるのかということについての反省があってしかるべきで,私,この委員会の問題だと思いますが,例えば次のページの注の6では2004年からのデータが載っているのに,法改正をやろうとしているのは2011年の国会に出そうということですので,それはいかにも遅い。どこかの段階で,もしかすると条約に抵触する状態になっている。効果的あるいは適当を欠く保護しか与えていないという状態になっていたかもしれないので,そういった反省があっていいのではないかと思います。
そもそもこの報告書の書き出しが,知的財産推進計画2010で書かれたからやりますと言っているのがどうしてもかちんとくるところで,そうではないでしょうと。必要だから,この著作権分科会の任務だろうと思いますので,もっとなぜイニシアティブをとれなかったのかも反省があっていいんじゃないかと思います。
そうしますと,そのように少し書き換えていただければ,今後も技術の進歩はどうなるかわかりませんので,常にウオッチしていて,適当な,あるいは効果的な立法措置はどんどんとっていかなきゃいけないと。それは迅速にやるべきだということがどこかに,あるいは,この小委員会としてそのようなことを考えるべきではないかと思います。
さらに申しますと,これはちょっともしかすると言い過ぎかもしれませんが,条約上の義務がそこまであるんだということになりますと,日本はこのような措置をとったので,他の締約国,88カ国が入っている条約ですから,他の国にも同じような措置をとれということを働きかけるという発想も出てくるはずで,日本のソフト,日本のためというか,産業のためというんじゃないですけれども,著作者のためにはその88の国でもっと適当かつ効果的な法的保護を考えたらどうですかということをどこかで発言できるんじゃないかと思いますので,そういった観点からも,この辺りの記述をもう少しきちんと書いていただいて,後ろの方にもそこに対応する記述があっていいのではないかと思います。
以上です。
【土肥主査】
ここはもう事務局にご発言いただかないといけないと思うんですが,最後のところ,いかがですか。
つまり,我が国がこの点について,WIPOの著作権条約,それからWIPOの隣接権条約のレベルに,他の国に先駆けてやったのかどうか,そこですよね。つまり,ほかの国はまだやっていないんでしょうか。
じゃ,森田委員,どうぞ。
【森田委員】
私がお答えすべきかどうか分かりませんが,もともとは日本法の対応としては,著作権法と,それから不競法で対応するということで,当初の時点ではアクセスコントロールの方は不競法で対応していて,それで一定の裁判例もあります。実効的な保護がなされていて,それで条約上の義務は満たしているという理解であったと思う。
それに対して,その技術に色分けするというのが適当ではないと,むしろアクセスコントロールであろうと,それが支分権の実効的な保護につながる場合には著作権法で対応しようとする国は,ヨーロッパ諸国や,アメリカもそれに入れていいと思いますけれども,諸外国にあるわけでありまして。諸外国でやっていなくて日本だけ先駆けてやって,それを広めようという前提状況ではなくて,その対応の仕方が国によって違ったのを,日本は従来の不競法と著作権法の役割分担の領域をちょっと変えましょうということを今回提案しているものだというふうに私は理解しております。
ですから,この問題は,知財本部で議論したときもそうでしたけれども,不競法の方で刑事罰をつけるとかいう形で対応することだけで十分なのか,著作権法でも改正の対応が必要なのかという,その前提,どの法律でどこまで対応するかという議論が本来はあるべきだと思いますけれども,ここは不競法との関係は一応おいた上で,著作権法のそれ自体の対応として,ヨーロッパ並みの保護まで水準を上げるべきでないかという形で議論をしたものだというふうに私は理解しております。
【壹貫田著作権課課長補佐】
すみません,補足でございますけれども,先ほどちょっと対応が遅いのではないか,反省すべきではないかというご趣旨のご発言もありましたけれども,この報告書にもございますとおり,平成10年に一度技術的保護手段の導入について検討して,実際規定を置いて,森田先生からもございましたけれども,不競法と併せて手当てをいたしました。日本としては,条約上の事情を満たしているという判断におりますが,加えて,さらに検討するべく,平成18年に実際検討していただいているわけでございます。従って,これまで全く検討していなかったわけではないという事実があるかと思います。
また,ここに来てどういうことなんだということもご指摘ありましたけれども,客観的な状況として,2005年からACTAが実際に動き始めて,それが形になり始めたのはまさについ最近のことでございますので,そういった状況も踏まえてワーキングを設置してご検討いただいたという経緯もございます。これまで何もしていなかったわけではなくて,種々環境をかんがみながら我々も検討してきたというふうにご理解賜りたいと思います。
【土肥主査】
ありがとうございました。
大渕委員,どうぞ。
【大渕委員】
今のに,特に少し付け加えておく必要があるのですが,先ほど私が申し上げたとおり,この論点は,アクセス権創設にもつながりかねないような,アクセスコントロールをどこまで認めるかというものすごく根源的な問題がありますが,ここではそういう話でなくて,技術としてはアクセスコントロール技術だけれども,コピーコントロール機能であるというように整理できるからこそ,こういうようにできているわけであります。そして,ここまで持ってくるのは,これ,ワーキングチームの作業期間は非常に短かったのですが,大変な作業をしてここまで持ってきていますので,余り何でこう遅いのかと言われると若干いかがかなという気がします。ようやくここまで持ってこられたというふうにご理解いただいた方がいいのではないかと,ちょっとすみません,付け加えさせていただければと思います。
【土肥主査】
それから,括弧書きの中の「適切」か「適当」か,これは。
【壹貫田著作権課課長補佐】
指摘いただいた箇所に関しては,また修正したいと。
【土肥主査】
よろしくお願いいたします。
中山委員,どうぞ。
【中山委員】
アクセスコントロールというのは,もう本当は情報で最も重要なというか,非常にクルーシャルな問題なんですけれども,この報告書では一応うまい具合に説明をしてあって,アクセスコントロールじゃないというふうに書かれてはいますけれども,恐らく実質的にはアクセスコントロール的な側面も否定できないだろうという気がします。
その場合,じゃ何を除くかと。先ほど権利制限規定を除くというのは,これは私も当たり前だと思って,いいと思うんですけれども,その際,問題になるのは,アメリカのようなフェアユースがあって,それを除くということになると,かなり妥当な結論になるかと思うんですけれども,フェアユースが余りにも狭くなって,かつ,その狭いフェアユースしか除かないというと,不合理な結論も出てくるんじゃないか。そういう意味で,フェアユースの方でもこの問題と関連付けて検討しておきたい,してほしいという点が1つとですね。
あと,アメリカでもヨーロッパでも,表現の自由と著作権というのは非常に今議論されているところで,大問題になっているわけです。例えば,先ほど私が言いました,自らコンテンツを作ってニンテンドーのプラットフォームでプレーをしようという人が,実質上,マジコンがなくなるとできなくなってしまうという,そういうところが非常に表現の自由との問題になってくると思うんですけれども。例えばニンテンドーは,どういう契約のもとによってかは別として,そういう人にはOSを開示しなければいけないとか,何か代替措置ですね。これがいいかどうかは別として,何らかの代替措置をして,全体としてやっぱりアクセスコントロールの弊害的なものを除くというような,そういう条文を作るときには,ぜひそういう点について留意をしてやっていただきたいと思います。
【土肥主査】
よろしゅうございますか,大体。ご意見,ほかにございませんか。
それでは,本日のご議論を伺いましたところ,幾つかの細かいといいますか,条文上に整合するような文言の修正はさせていただきますけれども,大幅な修正意見はないようでございますので,この報告書をもとに本小委員会における中間まとめを作成し,その後,私から分科会に報告し,分科会においてご了承いただけるかどうか,お話をさせていただければと思います。もしご了承いただけるようであれば,意見募集をさせていただきたく思っております。
それでは,この本小委員会としての中間まとめの作成及び分科会への報告については,私にご一任いただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【土肥主査】
よろしゅうございますか。それでは,そのようにさせていただきまして,中間まとめにつきましては後日,各委員に改めてお送りしたいと思っております。
それでは,次に権利制限の一般規定についての議論に移りたいと思います。
前回の本小委員会では,本委員会の報告書(案)の重要部分について議論を行いました。本日は,前回出されたご意見を踏まえて修正した重要部分と残りの部分を併せた報告書(案)についての議論を行いたいと思います。
それでは,報告書(案)について,事務局から説明をお願いいたします。
【池村著作権調査官】
それでは,資料の2,権利制限の一般規定に関する報告書(案),こちらをご覧ください。
前回の本小委員会では重要部分抜粋版に基づきご審議いただきましたが,本日は,その他の部分も含めた全体版,こちらをご用意してございます。事前にメールでもご案内しているものでございます。前回ご審議いただきました重要部分につきましては前回の本小委員会のご審議を受けた修正箇所を中心に,そして重要部分以外の部分,具体的には「はじめに」,そして第1章,第2章,第3章の1,第4章,1の(3)から(6),2の(4)から(7),そして「おわりに」の部分。ページ数で申しますと,1ページから11ページ,25ページから28ページ,32ページから38ページになりますが,こちらにつきましては中間まとめからの主な修正箇所を中心に,それぞれご説明申し上げます。
まず,「はじめに」と第1章につきましては,中間まとめ以降の事実関係,知財計画2010や本小委員会での追加ヒアリングの実施といったことを追記してございますが,内容にわたる大きな修正といったものはございません。
続きまして,4ページからの第2章,そして8ページから17ページにかけての第3章,こちらも特段,中間まとめ,あるいは前回の重要部分抜粋版からの大きな修正はございません。
続きまして,18ページからの第4章でございます。
こちらは,まずA類型に関する20ページの前半,「こうした」から始まる段落の最後の部分,「予め権利者から許諾を得ることには多くの場合困難を伴い,さらには,全てにつき予め権利者から許諾を得ることは現実的であるとは言い難い。」,こちらの部分でございますが,前回,中村委員よりトーンが強過ぎるのではないかとのご意見いただきましたので,これを踏まえ,若干ソフトなトーンに修正をしてございます。
次に,B類型に関する部分につきましては特段修正はございません。
次に,C類型に関する部分につきましては,25ページの2つ目の段落,「その他」で始まる段落でございますが,こちらは前回の中山委員のご発言を踏まえまして追加したものでございます。
また,前回の重要部分抜粋版には含まれておりませんでした25ページの(3)から28ページの(6)につきましては,若干説明を補足している箇所がございますが,中間まとめから内容にわたる大きな修正はございません。
続きまして,ちょっと飛んでいただきまして30ページ。前回ご議論いただきましたプログラム著作物の取り扱いに関する部分でございますが,この[3]のすぐ上の「このため」から始まる一文,及び関連する脚注72につきまして,前回の松田委員のご意見,ご指摘を踏まえ,若干表現を修正してございますが,内容的に大きな変更を伴うものではございません。
続きまして,前回の重要部分抜粋版には含まれておりませんでした32ページから36ページまで。こちらも,若干細かな記載を追加した部分等はございますが,特段大きな修正はなく,内容的には中間まとめと同様とお考えいただければ結構だと思います。
最後に,37ページからの「おわりに」の部分ですが,こちらも基本的には中間まとめと内容は変わっておりませんが,37ページの下から7行目,「例えば」以降については若干追記をしてございます。具体的には,A類型からC類型以外の行為についても,今後個別規定による対応を検討した結果として一般規定による対応の可能性が否定されるものではなく,引き続き,クラウドコンピューティングの進展等IT技術の発展等に伴う著作物の創作・利用を取り巻く環境の変化につき,その動向に留意することが求められること,そして,関係者の要望も強いパロディやクラウドコンピューティングの進展等に伴う問題については,早期の検討が求められることにつき追記をしております。
事務局からの資料2の説明は以上でございます。
【土肥主査】
ありがとうございました。
それでは,この報告書(案)について,ご意見,ご質問ございましたら,お願いいたします。
松田委員。
【松田委員】
今の加筆されたところで,私がチェックしたいところが3カ所ほどあります。
それは,25ページのC類型について,知覚ではなくて著作物の本質的な利用か否かというような基準で対象範囲を広げるという意見があったという点。これは,意見があったこと自体は間違いないと思います。
それから,27ページの注64でございますが,これは従前,パロディは制限規定としては個別的制限規定として検討することをワーキンググループの報告書にもなっていましたけれども,あえて64では,一般的制限規定,権利制限の一般的規定による対応を選択することも方向としてはあり得るというふうに注が記載されたわけであります。
それから,そういう点も含めて最後のところ,37ページの「おわりに」。この37ページの「おわりに」というのは,これからどうするかということも含めて書かれているところだろうというふうに理解しておりますが,ここに至りまして,クラウドコンピューティングと,それからパロディについては,早急に検討を要するということが加えられているわけであります。
私,この3点のところをつなげて読む必要があるかどうかも質問させていただきたいというか,意見があればというふうに思いますが,少しこの報告書のトーンが変わったというふうに解せないかという心配を持っています。
というのは,特にC類型までも議論は,ワーキンググループでも,この小委員会でも,知覚というところの要件までぎりぎりにしておいて,そして,実質的な権利制限がないような場合にまでということは広げないということで調整してきたというふうに思います。そして,今のような3つの点が具体的に指摘されると,パロディとクラウドコンピューティングについては,知覚の問題を,C類型をさらに離れて,個別的制限規定ではなくて一般的制限規定で,すなわち,著作権者の利益を不当に害しないという要件に置き換えた。言ってみますと,これはD類型ではないかと思うのですが,D類型を一般的規定として検討し始めなきゃいけないというトーンに変わってはいないだろうかということを思うのでありますが,私は,そういうトーンはこの委員会ではなかったというふうに思っているのですが,その点について事務局がどういう認識でいるのか。いや,そんなことはないんだと,もうC類型までなんだということであれば,それはそれでいいのかなとは思っておりますけれども,お聞きしたいと思っております。
【土肥主査】
この点,事務局,お願いいたします。
【川瀬著作物流通推進室長】
報告書の中身につきましては,ワーキングチームでのご議論以来,法制問題小委員会でいろいろとご議論されてきたわけでございます。
通常は,こういう様々な意見がある問題につきましては,およそ一つの結論で集約されるというのが本当は望ましいのかもしれませんけれども,様々なご意見がある中で一つの方向性に徐々に集約をされてきたという経緯があるわけでございます。この委員会に限らず,これまでの委員会でもそういうような作業をしてまいりました。そこで出たご意見というものについて,集約できるものは集約をし,かつ,他の意見があればそれも記述するということで,「意見があった」,ないしは注釈にその旨を記載しているわけでございます。
議論の結果として集約された意見が,当然原則ということになるわけでございますが,「意見があった」等な表現で,できるだけ多くの委員の先生方の意見を取り入れるように私どもとしては配慮をしてきたつもりでございます。したがいまして,前回の委員会での先生方のご意見を踏まえた上で,取り入れるべきものについては取り入れるというようにして,今回の案を作らせていただいたということでございます。
なお,そのトーンが変わったんじゃないかというようなご指摘でございますけれども,そういうことで作業をしてきましたので,私どもとしては,原則的な考え方というものは当然,ワーキングチーム,それから法制問題小委員会の中でご議論をして,そこで集約された原則を変えたつもりは一切ございません。ただ,多くの人のご意見を報告書に入れるという意味で,このような最終的な表現になったと理解をしております。
また,ABC類型については,現時点の考え方ではABCということに集約されまして,法律改正においてもそれを踏まえた上で改正されるということになろうかと思います。ただ,その将来も一切検討まかりならぬということでは,これは全ての著作権問題においてそうでございますから,ある種,法律改正が行われた後の検証,評価の結果,さらに問題が生じるということであれば,それはそれで検討していかなければならないというふうに考えておりまして,そこは私どもとしては当然のことを当然のように記述しているというふうに考えております。
以上でございます。
【土肥主査】 
松田委員。
【松田委員】
多分そういうことだろうと思います。しかしながら,C類型までの立法が済んだ段階で,この報告書からさらにD類型の議論をするためにクラウドコンピューティングやパロディの問題で小委員会ができて,そして引き続きその議論が始まるというのであれば,今の段階でそれをしておけばいいのではないかなと思うぐらいであります。
したがって,例えば次年度や次々年度において,さらにC類型を拡大するような事情についての小委員会を設置するというようなことは,一応今の段階ではないのかなというふうに考えといていいのでしょうか。パロディなんかは,もう5年も10年も多分議論かかるし,法律家だけで議論できるところではないので,そう簡単にはいかないとは思いますけれども,引き続いてD類型についての議論が始まるということはないというふうに考えといていいのでしょうか。
【土肥主査】
お願いします。
【川瀬著作物流通推進室長】
パロディにつきましては,もともと,非常に難しい問題をはらんでいるということで,一般規定の中で解決すべきであるというご意見もございましたけれども,委員会としては,パロディについては個別制限規定で検討するというのが原則であるというご結論をいただいたと思います。確かに一方でパロディについて早期に検討しろという,意見募集の中でもそういうご意見も多かったわけでございますから,それはそれで適切に検討していかなくてはいけないと思っております。
ただ,私どもとしましては,いきなり小委員会でやるのかどうかというのは,これは十分考えなければならないと思っています。要するに,パロディについては法律問題をはらんでいるということはわかりますけれども,それじゃ,この報告書にも書いていますように,パロディとは何かとか,どういう概念なのかというような,基本的なところから多分この問題は検討をする必要があろうと思っています。したがって,例えばこの一般規定の問題で検討しましたように,まずは例えば諸外国の法制や実態について,ある種の基礎的な研究をして,それを踏まえた上で検討をするというような選択肢もあるのではないかというように私どもとしては思っております。
したがって,次の段階でどういう検討をするのかというのを今この場で確定的に言うことはできませんけれども,パロディの問題は利害関係も錯綜している問題でございますので,私どもとしては慎重に検討をしていきたいというふうに思っています。
また,クラウドの問題につきましては,この委員会でクラウドコンピューティングという言葉が出たのはそう多くないと思っておりますけれども,もともと一般規定を導入するきっかけといいますか,一つの理由として,その情報技術の進展が急なもので,なかなか個別規定ではすぐに対応できないというのが一つの原因になっているわけでございまして,まさしく今の時点でクラウドコンピューティングというものが情報処理技術の発展の象徴的な事象だというふうに私どもは考えております。
したがって,クラウドコンピューティングについては例えばということで,例示として出しておりますけれども,それは情報処理技術の発展が急な一つの象徴的な事由ということで,例えばというふうに出しますから,そういう情報技術の処理の発展に伴う調査研究というものは,これからも時期を失することなく進めていくというのが私どもの責務だというふうに考えております。
以上でございます。
【土肥主査】
ありがとうございました。
松田委員,よろしゅうございますか。
【松田委員】 
はい。もうすぐ分科会がこれ,この報告書で関わるわけでございますので,私の今の質問をもって,別にこれを提出すること云々について左右するというつもりは全くございません。今の状況で,とりあえず分科会に出してもらうことについては,いいのではないかと思っております。
【土肥主査】
ありがとうございました。
村上委員,どうぞ。
【村上委員】
ほとんどの委員は同じ感想ではないかと思いますが,私もやはり,この今の案でまとめていいのではないかというのが単純に感想になります。
幾つか理由はあるので,第1は,やっぱりこれだけ,ほかの審議会でもこんなに長く1つのテーマで延々と議論して,同じ事柄について繰り返して時間をかけたというのは余りないということが第1。
それから第2は,やっぱり3類型,結構絞りがかかってきているというのが実態だと思います。そういう意味で,伝統的な著作権の権利者について不当にさらに不利益をもたらすとか,そういうおそれというのは余りもうなくなっているのではないかというのが第2。
第3に,もしあれするならどっちみち,これ条文化するときにはもう一歩やっぱり何か詰めの議論があるんだという意味で,私は基本的に,このフェアユースの議論というのは,この報告書(案)で基本的にいっていいのではないかというのが感想になります。
【土肥主査】
ありがとうございます。
中村委員。
【中村委員】
私も取りまとめに異議は述べないということで,ただちょっと一言だけ申し上げたいと思います。
今の村上先生とも同様な話になると思うんですが,私どもの方からABCについて適用範囲や判断基準の不明確さについては随時指摘をさせていただいて,以前からこの報告書(案)には,それぞれABCのところや最後に入れていただいているところなんですが,この最後の時点でもそういう意見があったということで残していただいている状況でございます。これまでのこの小委員会における議論や,この最終的な報告書(案)を前提にいたしましても,ABCのいずれの類型についても,やはり概念が不明確で,明確性の原則についての問題がなくなったとまでは到底言えないところだと思います。
ただ,この報告書(案)が今後の条文化のためのあくまで出発点ということで,この報告書(案)の趣旨を踏まえた法案の立案作業に当たって,その内容が刑事罰にも大変かかわるということで,罪刑法定主義に反することのない内容にしていただくということであれば,特に取りまとめに異議を述べるものではございません。
以上でございます。
【土肥主査】
ありがとうございました。
ほかございますか,ご意見は。特にございませんか。よろしゅうございますか。
それでは,ありがとうございました。本日の議論を,ご意見,ご質問等を伺いましたところ,特に今回の報告書(案)を修正するというご意見はないようでございますので,この報告書(案)の内容を本小委員会の権利制限の一般規定に関する最終の取りまとめとしたいと存じます。
最終の取りまとめの内容につきましては,先ほど少し申し上げましたけれども,分科会において私の方から報告をさせていただくということにしたいと思いますけれども,報告の内容につきましては私に一任いただくということでよろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

【土肥主査】
ありがとうございました。それではそのようにさせていただきます。
この本小委員会としての最終的な報告書の体裁についてですけれども,これは事務局とも相談の上決めたいとは思いますけれども,本日ご議論いただいたアクセスコントロールの回避規制や,5月にご議論いただいた公文書管理法に関する権利制限と,いわゆるセットとした形で,例年どおり来年1月に本小委員会の報告書として取りまとめることを予定しておりますので,そのようにご承知おきいただければと存じます。
それでは,その他,特にご質問等,特段ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
なければ,本日はこのくらいにしたいと思います。
事務局から連絡事項がありましたら,お願いをいたします。
【壹貫田著作権課課長補佐】
次回の法制問題小委員会につきましては,1月17日の(月),10:00から12:00の開催を予定してございます。場所はまた決まり次第ご連絡いたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【土肥主査】
それでは,本日はこれで第11回の法制問題小委員会を終わらせていただきます。本日は熱心なご議論をありがとうございました。
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