議事次第

文化審議会著作権分科会
国際小委員会(第1回)議事次第

日時:
平成22年6月18日(金)
9:57~11:54
場所:
合同庁舎7号館共用会議室
11階1114会議室
  1. 開会
  2. 委員及び出席者紹介
  3. 議事
    1. (1)主査の選任等について
    2. (2)今期の国際小委員会の進め方について
    3. (3)WIPO等における最近の動向について
    4. (4)その他
  4. 閉会

配布資料

議事内容

○9:57開会

【大路国際課長】 それでは,ちょっと時間が早いんですけれども,委員の皆様方,当初から御出席されている方々皆さんおそろいでございますので,ただいまから文化審議会著作権分科会国際小委員会を開催いたします。
 本日は御多忙の中御出席を頂きまして,まことにありがとうございます。
 私は,国際課長をしております大路でございます。
 本日は,今期初めての国際小委員会でございますので,後ほど主査の選任をしていただくことになりますが,それまでの間は,私が進行を務めさせていただきますので,御了承お願い申し上げます。
 初めに,委員の方々を御紹介申し上げたいと思います。
 資料1,国際小委員会の委員名簿をつけてございますので,これに沿って御紹介させていただきます。
 まず,池田朋(とも)之(ゆき)委員でございます。

【池田委員】 池田です。よろしくお願いします。

【大路国際課長】 石井亮(りょう)平委員でございます。

【石井委員】 石井です。よろしくお願いいたします。

【大路国際課長】 上原伸一委員でございます。

【上原委員】 よろしくお願いいたします。

【大路国際課長】 小原正幸委員でございますが,本日は御欠席でございます。
 久保田裕委員でございます。

【久保田委員】 よろしくどうぞ。

【大路国際課長】 後藤健郎委員でございます。

【後藤委員】 後藤です。どうぞお願いします。

【大路国際課長】 鈴木將(まさ)文委員でございます。

【鈴木委員】 鈴木でございます。よろしくお願いします。

【大路国際課長】 大楽光江委員でございますが,おくれて御出席の予定でございます。
 高杉健二委員でございます。

【高杉委員】 よろしくお願いします。

【大路国際課長】 道垣内正人委員でございます。

【道垣内委員】 よろしくお願いします。

【大路国際課長】 中村伊(い)知哉(や)委員でございますが,中村委員,本日は御欠席でございます。
 前田哲男委員でございます。

【前田委員】 よろしくお願いします。

【大路国際課長】 増山周委員でございますが,本日は御欠席でございます。
 山本隆司委員でございます。

【山本委員】 よろしくお願いします。

【大路国際課長】 以上でございます。
 続きまして,文化庁の関係者を紹介させていただきます。
 戸渡速志文化庁長官官房審議官でございます。

【戸渡審議官】 戸渡でございます。どうぞよろしくお願いします。

【大路国際課長】 永山裕二著作権課長でございますが,所用のため,多分おくれて出席ということになるかと思います。
 渡邉(なべ)晴美文化政策調査分析官でございます。

【渡邉(なべ)分析官】 渡邉(なべ)でございます。よろしくお願いします。

【大路国際課長】 川瀬真著作物流推進室長でございます。

【川瀬推進室長】 川瀬でございます。

【大路国際課長】 吉田敦(あつ)子国際課国際著作権専門官でございます。

【吉田専門官】 よろしくお願いします。

【大路国際課長】 井村隆国際化海賊版対策専門官でございます。

【井村専門官】 井村です。よろしくお願いします。

【大路国際課長】 鈴木修二著作権課課長補佐でございます。

【鈴木課長補佐】 鈴木でございます。

【大路国際課長】 池村聡(さとし)著作権課著作権調査官でございます。

【池村調査官】 池村でございます。よろしくお願いいたします。

【大路国際課長】 紹介の方は以上でございます。
 それでは,議事に移りたいと思います。
 まず,配付資料の確認をさせていただきます。

【吉田専門官】 配付資料の確認をさせていただきます。
 お手元の資料の一番上に置いてあります議事次第の下の方に配付資料の一覧がございます。資料といたしましては1から6までございまして,そのうち資料の4が枝番号で,4-1,4-2,4-3というふうになっております。上から,名簿,設置について,それから資料3が進め方について,資料4は各種報告で,資料5がスリーストライク制度に係る各国の状況,資料6が国際会議等のスケジュールとなっております。それから参考資料の方が1から5までございまして,参考資料の5の方がWIPOの資料の英語と和訳ということで,枝番号で5-1,5-2となっております。不足しております資料がございましたら事務局まで御連絡いただければと思います。よろしいでしょうか。

【大路国際課長】 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは,次に,本小委員会の主査の選任をお願いしたいと存じます。
 選任方法につきましては,文化審議会著作権分科会運営規則の規定によりまして,運営規則でございますが,第3条第3項の中に,参考資料の1の8ページに記載がされております。この規則の第3条第3項につきまして,本小委員会に属する委員の中から互選により選出,選任することとなってございます。
 それで事務局といたしましては,前期の主査をお務めいただきました道垣内委員に今期も主査をお願いしてはどうかと考えておりますけれども,いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

【大路国際課長】 それでは,御異議がないようでございますので,道垣内委員を主査として選任することで御了承を頂きたいと存じます。
 それでは,道垣内委員におかれましては,大変恐縮でございますが,主査席の方へお移りを頂くようにお願い申し上げます。
 これからの議事進行につきましては,道垣内主査にお願いをしたいと存じます。
 よろしくお願いいたします。

(道垣内委員主査席に着席)

【道垣内主査】 前期に引き続きまして,主査に選任されました道垣内でございます。よろしくお願いいたします。
 私の専門は国際司法でございますので,著作権については,もう皆さん方の方がずっとお詳しいわけで,御指導を頂きながら,適切な審議,議論ができればいいと思っております。よろしくお願いいたします。
 それでは,文化審議会の著作権分科会運営規則の規定につきまして,主査代理を指名させていただきたいと思います。
 私といたしましては,前期の主査代理をお務めいただいた,きょうまだいらっしゃっていませんが,大楽委員を指名させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 では,議事の内容に入っていきたいと思います。
 その前に,小委員会の会議の公開の取扱いについて事務局より御説明いただけますか。

【吉田専門官】 参考資料の1を御覧いただければと思いますが,参考資料の1の一番最後のページに,文化審議会著作権分科会の議事の公開についてという資料がございます。著作権分科会の議事及び小委員会の議事について取り決められているものでして,こちらは,今年の2月15日の文化審議会著作権分科会で決定してございます。会議の公開の部分に関しまして,まず一番最初のところで会議は公開とする,ただし次の1から3の案件を審議する場合は除くということで,(1)の人事に関する案件については非公開ということになっております。それ以外が公開という記載になっております。
 それから,6を見ていただいて,議事録の公開ですけれども,議事録は原則として発言者の名前を伏して公開する,ただし,分科会長が公開することに問題があるということがあれば非公開とすることができるとされております。
 それから,8番の資料の方を見ていただいて,会議資料についても,会議資料は公開とするということで,分科会長が認める場合には非公開とすることができるというふうに定められております。
 以上でございます。

【道垣内主査】 ありがとうございました。
 何事も透明性が大切でございますので,皆さん前期からの引き続きの方ばかりでございますから,ご承知おきいただいていることとは思いますけれども,御説明いただいたところを踏まえて,今後,審理をしていきたいと思います。
 本日は,御説明にありました中の人事にかかる案件ということでございましたので,ここまでは非公開にしておりましたけれども,これ以降,本日の議事内容には特に非公開とするような事項はないように思われますので,これを公開にするということでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【道垣内主査】 ありがとうございました。
 それでは,公開といたしますので,傍聴の方にはお入りいただきたいと思います。よろしくお願いします。

(傍聴者入場)

【道垣内主査】 それでは,開催に当たりまして,戸渡審議官よりごあいさつを頂きたいと思います。

【戸渡審議官】 失礼いたします。
 文化庁の官房審議会をしております戸渡と申します。
 第10期の文化審議会期著作権分科会国際小委員会の開催に当たりまして,一言ごあいさつをさせていただきたいと思っています。
 皆様方におかれましては,御多様の中,当委員会の委員をお引き受けいただきまして,心よりお礼を申し上げる次第でございます。
 近年の著作権をめぐります国際情勢というものを見ますと,まさにインターネット,あるいはデジタル機器の急速な普及,発展ということに伴いまして,国境を越える様々な問題などに直面をしている状況にあろうかと思います。
 こういった中で,著作権の適切な保護と,その活用というものを進めていく,これは国際的な文化相互理解の答申であると,あるいは交流を進めていくという上でますます重要になってきているものと認識をしていくところでございます。
 前期の本委員会におきましては,インターネット環境下における著作権の利用及び侵害の急増というものを踏まえまして著作権に関する訴えの国際裁判管轄及び準拠法の在り方について御議論を頂いたわけでございます。今期におきましては,一昨年に整理いただきました優先課題というものを踏まえまして,各国でも新たに様々な対応が進んでおります国境を越えた著作権侵害対策といったことなどにつきまして,御審議をお願いしたいと考えておるところでございます。
 委員の皆様方には,大変お忙しい中,恐縮ではございますが,一層の御協力をお願いを申し上げまして,簡単でございますが,私のごあいさつとさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

【道垣内主査】 御丁寧にありがとうございました。
 では,本小委員会の設置の趣旨や所掌事務等につきまして,事務局より御説明いただきたいと思います。

【吉田専門官】 配付資料の資料2をごらんいただけますでしょうか。
 資料2は,小委員会の設置についてという資料でございます。
 今年2月15日の文化審議会著作権分科会で決定された内容です。文化審議会著作権分科会の運営規則に基づきまして,3委員会が設置されております。基本問題小委員会,法制問題小委員会,国際小委員会,この3つが設置されておりまして,各小委員会の審議事項といたしまして,2番にございますが,国際小委員会は国際的ルールづくりへの参画の在り方に関することについて審議するということになっております。こちらは,前期の小委員会の設置の際の審議事項と同じ内容になっております。
 各小委員会の構成といたしましては,著作権分科会長が指名する委員及び臨時委員,専門委員により構成することとなっておりまして,分科会長は,会議に出席して,発言をしていただくこともできるようになっております。
 それから,小委員会の審議の結果は,分科会の議を経て公表するものとなっております。
 以上でございます。

【道垣内主査】 ありがとうございました。
 ここまでは,この小委員会の上の著作権分科会で決めたことでございまして,それを受けて,この小委員会の委員も指名され,またきょうの会議に至っているということでございます。
 それを受けまして,議事の2の今期の小委員会の進め方についてでございます。
 国際的ルールづくりへの参画の在り方に関することというのがミッションの大枠でございますが,それを具体的にどう進めるかにつきまして,まずは事務局から資料に基づいて御説明いただけますか。

【吉田専門官】 資料3をごらんいただきますようにお願いいたします。
 資料3の今期の国際小委員会の進め方についての(案)という資料でございます。
 まず,背景といたしまして,前期の国際小委員会では,以下の4つの課題についての検討を深掘りするということになっておりました。
 1番目が,裁判管轄及び準拠法に関する国際ルール形成の在り方,2番目といたしまして,インターネットによる国境を越えた海賊行為に対する対応の在り方,3点目として,著作権保護に向けた国際的な対応の在り方,4点目として,知財と開発問題,フォークロア問題への対応の在り方,この4つが検討課題となっておりまして,昨年度の前期の国際小委員会においては,特に1番の裁判管轄,準拠法に関しての在り方について専門かつ詳細な検討をワーキングチームのもと,していただいて,ワーキングチームの報告として主な論点についての整理をしていただきました。
 本件につきましては,今後の国際的な場での検討の可能性を見据えながら,引き続き議論していく必要があると考えられます。
 それから,4つの課題のうちの2から4の観点につきましては,前期の国際小委員会においても,国際的な議論の動きでありますとか,国内における調査といったことに基づいての審議を行っていただきました。
 それで,今期ですけれども,今の状況を見ますと,インターネット上の著作権侵害の対応の問題というのは,大変大きな課題としてクローズアップされておりまして,実際各国においても様々な対策が各国ごとにとられておるような状況でして,例えば著作権を侵害するインターネット接続を遮断する,いわゆるスリーストライク法と呼ばれるような新たなその施策を導入したり,その検討をするというような国が幾つか出てきているというような状況にあります。
 また,国内に翻ってみますと,国内のコンテンツ産業において,海外への展開の動きが進んでいるということとともに,インターネットの普及に伴って,日本の作品が,海外でもいろいろな形で見られることによって,侵害対策も大変スピード化が進み,規模が大きくなっているというようなことで,被害が深刻化しているという状況にあると思います。
 したがって,この4つの課題のうちの特に2番目のインターネットによる国境を越えた海賊行為に対する対応の在り方という課題を,今期の国際小委員会においては特に重点を置いて議論を行うこととしてはどうかと考えております。
 次のページに行っていただきまして,更に,インターネットによる国境を越えた海賊行為に対する対応の在り方といった検討において,それを少しブレイクダウンして検討を行ってはどうかという御提案でございますが,制度面と執行面の両面から検討を行うということで,今,案をつくっております。
 まず制度面の検討といたしましては,若干繰り返しになりますが,各国が今新たなインターネットでの著作権侵害に対する課題に対応するべく様々な取組を行っているところでして,いわゆるスリーストライク制度を導入している国もあれば,そのほかのやり方で対策を行っているというような国もございます。したがって,まずは,各国のスリーストライク制度を導入している国の状況なども調べたりして,各国はこの問題に対してどういう対応をしているのかということの実態を把握した上で,我が国としての対応の在り方について意見交換を行ってはどうかと思っております。
 別に,国内で何かこの制度を導入というような議論を行っていただくというよりは,まず国際的にはどういう動きがなされているかということを把握した上で,国際的な動きとしての整理をしていただくとともに,日本の権利者が国際的に働きかけていくためには,どういうやり方をしたら効果的なのであろうかというような観点から意見交換をしていただければと思います。
 それから,もう一つ,執行面から見た検討ということでございますが,制度面が整った上でも,執行をしっかりそれぞれの国で行っていくことが重要だと思いますので,その観点からは,実際に海外に展開されている方,それから実際いろいろな被害を受けているという意味で,コンテンツ業界の方々からの情報というようなことも幅広く把握した上で,現状の問題点を整理して今後の対応についての重点について意見交換を行っていただきたいと思っておりまして,更に2つ,以下(ア)と(イ)というふうに書いてあるのですが,二国間協議と国際的な対応についてというところとして,文化庁では,今,既に政府レベルで2国間での協議を行う,著作権に関する課題を議論する枠組みが存在しておりますので,それを更に有効に活用するためにも,様々な実態を踏まえたニーズを把握した上で,それらの交渉にも臨むことが重要という,そういう観点からも意見交換をしていただきたいと思います。
 それから,もう1点,国内体制の在り方についてということで,この問題を取り巻くいろいろな施策をやっているその省庁が,文化庁だけでなく,内閣官房の知財事務的であるとか,総務省,外務省,経産省といったあたりで,いろいろな観点から行われておりますので,そこの間の情報共有・連携が重要ではないかということ。
 それから,産業界の中での連携という観点も必要じゃないかということで,例えばCODA,コンテンツ海外流通促進機構といった民間の産業界の団体の方の役割を踏まえつつ,政府機関の間の連携,産業界の連携,それから官民の連携についての現在の体制,それからそれの強化・発展に関するための方策を検討するというようなことを議論していただければと思っております。
 それで,前期は,裁判管轄ということで,やや専門性の高い話だったこともありまして,ワーキングチームを設けてそこで議論していただいたという形をとりましたが,今回はワーキングチームを設けるということではなく,小委員会の方で企業へのヒアリングを行ったり,調査結果といったような情報を共有しながら議論をしていただければと考えております。
 3番のスケジュールの方ですが,今回まず第1回ということで,国際小委員会の進め方について議論していただきまして,それから事務局より,このごろの国際的な動きについて御報告を申し上げたいと思います。
 それから,企業からのヒアリングを中心とした第2回,第3回というような会合をもった上で,第4回まとめの会合ということをもつということを今スケジュールの案として御提案したいと思います。
 その次のページ以降は,前回,前期の国際小委員会での審議の経過の御報告ですので,説明は割愛させていただきます。
 以上でございます。

【道垣内主査】 ありがとうございました。
 今の案は,事務局が検討事項の具体化としてこの小委員会のためにたたき台として作成していただいたわけですが,この小委員会の委員の方々の御意見により変更もあり得るところです。もっと重要なことがあるんじゃないかという御意見が多いようでしたら,そちらを重点にすることもあり得ます。
 状況をよく把握されている事務局の御提案ですので,大いに参考になろうかとも思います。要するに,1ページ目の(2)を中心ということですが,(3)もやはり関係するということで,(2)と(3)を中心として,具体的には制度面の検討と執行面の検討をする,ただ,著作権の性質上,容易に国境を越えるもんですから,国内法制と国際的な問題はいつも分離し難いところがあり,日本としてどうするかという点は法制問題小委員会の所掌事項になると思いますので,こちらの小委員会では,各国の状況を踏まえて,具体的にどのように目的を達成していくか,海賊版対策,あるいは国際的な著作権保護のことを審議していくというのがたたき台の案でございます。いかがでございましょうか。
 はい,どうぞよろしくお願いします。

【石井委員】 私も,2番,3番について重点的,特に2番ですが,取り組んでいきたいという考え方には賛成いたします。なかなか,やっぱり難しい問題もありますけれども,是非それを前向きに解決できたらいいなというふうに思っております。
 その上で質問ですけれども,今,特に国境を越えた海賊行為の対応としては,ACTAがかなり注目を集めている,あるいはかなり詰まってきているんではないかと思いますけれども,そのことについて,このペーパーでは触れられていない気がしたのですけれども,そこら辺のことはいかがでございましょうか。

【道垣内主査】 事務局からお願いします。

【吉田専門官】 このペーパーで特に触れてはいませんが,今,まずはACTAの状況を申し上げますと,2010年中の交渉妥結を目指して,本当に年中の妥結を目指して交渉が行われておりまして,次の会合は6月の末に行われる予定です。それで,かなり各国の,本当に,早急にまとめようという意識が高まっていますので,最終段階にきていると言ってもいいようなかなり詰めの交渉が行われているような状況です。
 それで,ACTAで主に海賊版対策条約というぐらいですから,そこで各国への執行強化を求めようということになってくるわけなので,当然,その取組であるとか,その条約の行く末みたいなことも,ここのその後の報告というようなところにも反映してくると思います。
 ここでACTAの交渉自身はもうかなり最終妥結の手前のようなところに来ておりますので,ACTAで具体的にはこういうことが決まったようだというようなことをこちらでも御紹介するとかということになるんだと思います。

【道垣内主査】 よろしいでしょうか。
 はいどうぞ,山本委員。

【山本委員】 この2ページ目,まず2点あります,意見と質問ですが。
 1点は,制度面の検討のところで,これはスリーストライク制度に関してヒアリングをやるというような予定になっていますけれども,このスリーストライク制度に関しては,いろいろなところで,いろいろな議論をされていて,内閣の知財戦略本部でも,これ何度も議論されていると思います。改めて1回だけヒアリングをやって,何か新たな意見が出てくるのかなという率直な感じを持っております。
 といいますのは,そもそもこういう制度を権利者団体の方は執行面の強化につながりますので是非やってくれとおっしゃるでしょうし,反対側の立場の人もいらっしゃると思うんで,意見を聞くだけに終わると思います。これの問題は,もっと専門的なところにあるように思います。スリーストライク制度というのも,アプローチとして2つあります。司法的なアプローチ,つまり裁判所で侵害を繰り返す人間に対して,もうインターネットを使わせないとか,アカウントを削除するとかという,そういう制度にするかどうかというアプローチが1つと,このプロバイダーに,侵害行為をやった人間の,アカウントを削除するようにというような利用規約を義務づけをするというような行政手続的なアプローチとの,両方あり得るとは思います。後者の行政的な手続の問題だとすると,これは通信関係の話になって,ここで議論するようなのが適当かどうかという問題になりますし,前者の方の司法的な手続ということを考えますと,率直に言って実効性はないんじゃないかという,結論的には思っております。
 というのは,フランスで最初に議論されていますけれども,フランスではキャリアが1個しかなくて,プロバイダーに対してそういう義務づけをするとか,いうことをやっちゃうと,ユーザーは自主的にもう利用できなくなるということで実効性はあるんですが,日本のように,キャリアのプロバイダーが幾らでもあって,ここで駄目だったらほかのところに行ってとかということを幾らでも可能なわけです。韓国はどうかというと,プロバイダーは幾つもあったって,国民総背番号制で,特定の人間に対しての接続を禁止するとかいうのが実効性を持ちます。日本はその面においても,総背番号制をとっていませんから,実効性がなかなか持ち得ないんです。というような,結局専門的な研究していったら結論になりそうなのに,そこまで入らずに,業界関係者を集めてヒアリングをやっても,大変申し訳ないですけれども,大した成果は出てこないんじゃないかな。それをやる意味があるのかなというのは率直な感想です。
 2番目の質問の方に行きますが,(2)の執行面での検討の末尾です。ここのところに小委員会での議論のことが書いてあるんだと思うんですが,国内政府機関双方の連携,産業界の連携,官民の連携につき,現在の体制の強化・発展に資するための方策を検討すると。これは重要なことだと思うんですが,これどういうふうに検討するという,方法についてどうお考えなのか,その辺を聞かせていただきたいと思います。
 つまり,具体的な案みたいなものを事務局から出していただいて,そこで議論させていただくのか,そうじゃなしに,ここでゼロで,何もなしで単純に議論するのか,後者の方だったらほとんど成果はないだろうなと思いますので,具体的に,方策の検討方法はどういうものをお考えなのか教えてください。

【道垣内主査】 2番目の質問の方は後でお答えいただくとして,最初の方の問題ですが,確かに2ページ目の(1)の最後の方には,それを踏まえた我が国としての対応の在り方と書いているので,これは日本での法制問題のような感じを受けますが,先ほどから御説明のあった趣旨からすれば,各国の状況を踏まえて,日本の権利者が外国からの発信源について特定できた場合の対処方法について調査検討するということではないでしょうか。例えば,どうもフランスから出ているということがわかれば,フランスの制度に則(のっと)って措置をとればいいわけです。ですから,日本の我が国としてスリーストライク制度を導入すべきか否かではなくて,我が国の権利者としての対応の在り方が審議対象となるのではないでしょうか。
 韓国に発信源がある場合にも同じですが,むこうの制度をうまく使えば安上がりで権利執行ができるのではないかと,そういう点が国際問題小委員会の関心事項ではないかと思います。

【山本委員】 そうなんですか。

【大路国際課長】 ちょっとかなり本質的な視点を1点御説明をしていなかったと思いましたんですが,今,道垣内先生がおっしゃったとおり考えていると私ども理解しておりまして,そのことを説明する前に,ちょっと何でこういう課題設定をしたかというあたりのことについてちょっと私から2点ほど補足をしたいと思うんですけれども,1つは,インターネット上の侵害対策という問題は,これは文化庁だけでなくて,既に内閣官房の知財本部でも御検討されている。それから,関係の役所へもいろいろな検討が並行して行われているということでございますけれども,文化庁が文化庁として,この問題を取り上げる意義というのがどの辺にあるかということをまず考えたときに,文化庁としては施策のツールとしてまず何を持っているかというと,二国間の政府間協議の枠組みをまず持っていると思います。それから権利執行の支援というふうな形で,これも後からいろいろ補助金を出していただきますけれども,様々な事業を実施(?)しているというふうなところで,そうした二国間協議でありましたり,権利執行の支援というふうなことを考えたときに,諸外国のスピードはどうなっているのかということを把握をして,それを踏まえた適切な対応としてどういうことがあるのかということを,実際,持っているツールを効果的に活用するための提言を頂くというふうな形で様々な諸外国の状況を把握をした上で,そういう施策に生かしていくということを主としてねらいとするというものかなというふうに思っております。
 国内制度をどうするべきかという議論というのは,多分この国際小委員会のマンデートを超えている部分ではないかなというふうに思っておりまして,さっきACTAの話もございましたけれども,ACTAで取り上げられているような新しい施策については,国内制度を考える場合には,これは当然著作権分科会の中で,法制小委でありましたりとか,そうしたところで御議論を頂くような話に多分なってくるだろうと思いますし,それから,特にスリーストライクの問題というのは,インターネットサービスプロバイダーの関係の所管というのも,総務省の所管をしているというところでございますので,仮にこの委員会でスリーストライクは望ましいという結論を出すとしても,やはりそれは最終的にはそうした関係の事柄を所管しているところでの検討ということにゆだねられるべきだということであろうと思っておりますので,そういう観点で,スリーストライクというものを取り入れていただくというふうな役割なのかなということで考えてございます。
 それから,もう1点でございますけれども,これも私の個人的な意見みたいな雰囲気もございますけれども,非常に海賊版対策の事業を二国間協議等々をやってきていて,私も,どうしてもこういう状況というのは改善しなきゃいけないという点,3点ほど考えておるんですけれども。
 1つは,絶対に政府だけにしかできない方法というのは多分あるだろうというふうに思っておりまして,その辺がどの辺でやるのかというふうなこと,それから,もう一つは,特に外国とやりあう場合には,ぱらぱら局地戦をやっていたんでは全然相手にされないというふうなところがあって,それをどうやって日本が,これはもう官民の連携もこれになっていて,民間の中にもいろいろ連携もありますし,それから政府の部内での連携もありましょう。そういう連携をとっていくかということが,特に外国に出ていったときには重要なんじゃないかというふうに思えてならないというのがもう一つございます。
 もう1点は,海賊版対策というときに,海賊版の侵害がひどいから駄目だ駄目だと,相手国政府に言うだけではおよそ聞いてもらえないんじゃないかというような状況があって,彼らにとってのメリットが何なのか,そこを文化産業ということでアジアの各国に非常に注目をしている部分でもあり,そういう文化産業と連携した上で,それぞれの国にとってのメリットになるような海賊版対策をやってもらうためにはどういう方策が望ましいのかというような。
 ちょっとすみません,個人的な意見を申し上げてもしょうがないんですけれども,そのあたりのところをいろいろ考えたときに,やっぱり国内でこれから海賊版対策を諸外国に向かって打って出るときに,非常に国内の体制をきっちりしなきゃいけないよねとかいう話とか,政府だけでやらなきゃいけないことも絶対にこれだけはやってほしいよねというようなあたりを,これ政府だけで考えていたんじゃ駄目なんで,やっぱり実際に海外に出ておられる方々,そうした方々の現状を把握した上でやっていきたいというようなこと,それでヒアリングを入れたというのは,まさにそういう目的であるわけなんですけれども。
 そういったことで,最初の議論に戻りますけれども,要するに我々が,文化庁が持っている既存の,もしかしたら新しくやることもあるかもしれませんけれども,既存の事業をどうやって効果的にやっていくかということについての御示唆を頂くようなことを私どもとしては,  して期待をしているということでございます。
 ちょっと長くなりましたけれども,そういうことで今回の課題を設定させていただいたということもちょっと含めて申し上げさせていただきます。

【道垣内主査】 山本委員どうぞ。

【山本委員】 ありがとうございました。
 2点目の方の,どうやって,という質問については,お考えのところはある程度イメージはできたんですが,前者の方の,スリーストライクの話は,今のお話からいうと,外国にスリーストライク制度があると。それを日本の権利者がどういうふうに有効に使えるのか,国境を越えたインターネット利用の場合に,日本の企業はどういうふうに有効に使えるのかという問題についてだというふうに承りました。そうだとすると,こことして,調査ヒアリングにより,実態を把握しというのは,ちょっとここはよくわからないんですね。
 というのは,既に外国で実施されていても,そんな実態というほどの経験もないでしょうし,ヒアリングを何を目的にして,だれからヒアリングするのか。恐らく今やれることとしたら,そういう外国の制度をいかに利用できるかというんであれば,外国の制度について知識を持っている方から意見を聞くということになるでしょう。だから調査に入れても,それをどういうふうに有効に活用するかというのは,まだ利用されている実績もないでしょうから,ヒアリングでは余り成果は上がらないと思います。その辺のところは,今おっしゃったような問題設定であれば,それにふさわしいようなアプローチの仕方を御検討いただきたいと思います。

【大路国際課長】 ありがとうございました。
 御指摘のとおりでございまして,事柄によって,ヒアリングの方が適する事柄と,それから委託調査なり,そういう何が適する方法というのはあるというふうに思っておりますので,そこは,少しちょっとでも現実に検討した上で進め方に配慮させたいと思っております。
 それから,ちょっと答え忘れたんですけれども,国内の体制の強化・発展に資するための方策ということで,どのように検討していくのかということでございますけれども,今後,いろいろヒアリングをしながら状況を把握していく過程の中で,私どもの方で何らかの提案をさせていただいた上で,それをもとに御議論いただくというふうな形をとりたいというふうに思っております。

【道垣内主査】 どうぞ上原委員。

【上原委員】 大体のイメージはわかったんですけれども,1つは,先ほど山本委員がおっしゃったこととちょっと似たような話になると思いますが,特に制度面を中心とした話に関して言いますと,ちょうどACTAの話もそうでありますし,それからスリーストライクの話もそうですが,非常に動きつつある。世界中がいろいろな形で動きつつあるところでありまして,先ほど事務局の方からもお話がありましたように,ACTAの中身をどうしろという話をここでするということではないと思っているんですけれども,ヨーロッパなどでは,ACTAの案が公表されて,それをどうするのかということで,各国,あるいは各市民団体等からの意見が出ていたりして,どう動くかわからないという状況があります。そのような動きが現実にどのように反映していくのかということが,今後の分析とか対応を考える上で非常に重要だと思いますので,できるだけ制度として出てきている,あるいは出てきつつあるものについての正確,かつ早い情報と,動きつつある制度に関する状況についての,その制度がこう動きつつあるからこうせいということをここでやるんではなくて,こういうふうに動きつつあるとすると,現状はどうなるかもしれない,あるいはどういうふうにそれに対応する可能性が出てくるかもしれないということを検討するための材料としてお出しいただくということは,重要と思っています。スリーストライク法案などでも,出方によっては,それに対する反対ということが非常に強く出てきますと,そうした動きによって,それぞれの国で,またネット上のいろいろな動き方が出てくると,それによって著作物の使われ方も違ってくると思います。我が国の著作物でいいますと,とりわけ,アニメ,あるいは漫画そのものについては,多量に使われておりますので,そのような部分については,制度が変わろうとすると,制度そのものが変わる前に,インターネット上の使われ方が変わってくるというような状況があるので,是非早め,早めに動きつつある情報を教えていただきたい。それに基づき,どのように制度に対応してネット上の現実が変わる可能性があるのか,あるいは変わろうとすることに対してどのような手を打つ必要があるのかということが考えられる分析ができるようになっていくと,インターネット上の対応という意味で,多少はこの小委員会が役に立つようなものを出せるのではないかというふうに考えますので,その辺をうまくフォローいただければというふうに考えています。
 そういう意味では,二国間の動きなどにつきましても,現実に結果だけではなくて,お話しいただける範囲の中で,どういう背景があって相手方から要求があったというようなことを教えていただくと,実際問題として,その国で,我が国の著作物等がどのように,合法的に使われている,あるいは不法に使われているかというものが見えやすくなりますので,そういうものは見いだすことが必要かと思います。
 もう1点,これは,私の個人的な意見で,まだまとまった話ではないんですけれども,インターネット上の侵害と言ったときに,確かにインターネット上を見て,それを調査して,こんな侵害がありますということで今までやってきたんですが,それをもうちょっと整理すると,インターネット上の侵害というのは実際には幾つかのパターンがあるんじゃないかと思います。つまり,合法的に入手したものをインターネット上で違法に利用している。一番わかりやすいケースですが,例えば世の中で売っている漫画を買ってきて,それをスキャンしてインターネット上に勝手に載っけてしまったという侵害の場合は,公衆送信権侵害者が相手であり,これは別に日本の漫画は日本だけでなくて世界中から発信されておりますので,世界中で違法に使われている状況かと思います。アニメになるまでもなく,漫画自体がですね。
 次に,P2Pによる様々な交換というのは,これも一番最初は合法で,P2P自体がすべて悪というわけではないですが,P2Pが非常に有効な海賊手段として使われている部分についてどういうふうに対応するのかなということです。それから,もう一つは,インターネット上でとられるといいますか,例えばインターネット上で公式に流しているものをそれを不法にパクって使っている。例えばある程度ストリーミングで流している映像をダウンロードしてしまって違法にアップロードする,というようなやり方だと思うんですけれども,一応,インターネット上では,複製して使えないようにしているものをTPMを外してしまう。インターネット上のTPMを外す,それから合法的に手に入れたものをインターネットで不法に使う。それからもう一つは,そういうような掛け合わせになると思うんですが,現実の問題としてP2Pの問題,もっとあると思うんですけれども,その辺の状況の分析といいますか,分け方をしていくと,ちょっと対応の仕方が見えてくるのかなという感じもしますので,そんなこともちょっと御研究いただいたらいかがかなというふうに思っております。
 最後に質問ですが,これも山本先生の質問に似た話なんですが,ヒアリングなんですけれども,企業からのヒアリングというの,具体的にどんな企業からどんなことをお聞きになるというニュアンスで今思っていらっしゃるんでしょうか。

【道垣内主査】 我々が聴く側ですので,原案があれば伺いたいという趣旨だと思いますが,いかがでしょうか。

【吉田専門官】 まだ具体的にこの方というふうには決めているわけではないんですけれども,実際に海外に作品なりを展開していらっしゃる企業,若しくは,その海外での被害が大変起こっているような企業というようなことを考えていまして,実際に,作品をつくって配信されているというようなテレビ局であるとか,それから漫画,アニメを製作していらっしゃる方,映画の会社の方,出版業界の方というのは,まさにその著作権にかかわる創作を,つくり出して,そして,それをビジネスとしてやっていらっしゃる方からの話を聞くということを考えております。
 特に執行面の方でのヒアリングというふうに考えておりましたので,具体的にはどういう問題に直面しているのか,これから今後海外のマーケットはどうとらえているかというようなことを伺えればと思っております。

【道垣内主査】 はいどうぞ。

【上原委員】 その辺のところをお考えかなと思ってはいたんですけれども,実は,個人的には,その辺のところをお聞きしても余り役に立たないのではないかというふうに見ております。つまり,今出てきたような企業の方々が関与しているのは,マーケットとして役に立つところだけ,あるいは自分のところとして直接的にマーケットで見やすいところに集中しています。極端なことを言ったらマーケットから外れる部分は十分な調査もしないこともあります。ので,実際にインターネット上でどのぐらいのことが行われているのかという全体把握がかえってしづらいと思います。私は,むしろ,この際,国際小委員会としては,非常に難しいんですけれども,インターネット上の侵害というのが全体的にどのぐらい行われているんだろうかということを何とかしてとらえるような調査ができないものかどうかというふうに,そちらのヒアリングよりは,何かそちらの方に重点を置いた展開ができないだろうかというふうに思います。無論企業の努力で外国で訴訟を起こしたり,あるいは実際に動いているというケースもあるんですが,市場として動かしにくいところは放置しているという現状もありますので,そうすると,そういうところもインターネット被害というのをほっといていいのかというと,インターネットの問題を考えたときに,やっぱり全世界的にトータルに,どんな現象が起こっているのかというのを,まず大筋にでもつかんでから進まないといけないという気がしますので,そちらの方の調査が何かうまくできないもんかなというふうに個人的には思っております。

【道垣内主査】 どうぞ。

【久保田委員】 今,企業というところで出たんですけれども,やっぱり割とプログラムの世界といいますか,ゲームソフトとか,どうしても我々自身が複雑な技術のことがわからない部分ですので,どうしてもアニメとか,それからコミックというような形ですぐに侵害がわかりやすいものと,実はそのプログラムというビジネスソフトも含めて,プログラムというものの特殊な領域に入ってくる部分もありまして,是非そのあたりが,産業界とのと言ったときに,やっぱり日本のゲームソフト産業というところが,なかなか我々自身が,法律からアプローチする人間からいうと,技術のことがわからないということで,ひとつにはマジコンとか,そういった間接的にコピーを助長をするようなものというところもなかなかわかりにくい。これから多分NHKさんなんかもウオーターマークなんかを入れて,海外での放映に対して技術的な手段をかける中で,新規のビジネスを開拓していこうというような動きもあるんですけれども,我々の業界の方は,もう先んじてそこをやって,さんざん辛酸をなめておりますので,できれば歩調をあわせて,先ほど上原さんの方から漫画ということやらアニメというのが出たんですけれども,プログラムってわかりにくいとどうしてもおいていかれちゃって,私自身も,なかなかそこの方を皆さんにお伝えすることができずに,ちょっとじくじたるものがあるんですけれども,企業という中にもしゲーム業界があるんであれば,プログラムの方の特殊性から,また産業的な意味合いも含めて,是非企業の中にそういうものも含めていただいて,もっと国民的なレベルで,プログラムという非常に機能的な著作物,またその周辺でゲームソフトという総合的なプログラム+デジタルデータとして,映像やらたくさんの著作物が絡むというあたりのところを,是非検討の中に加えていただきたいなというふうに思います。

【道垣内主査】 そのほかの方から何かコメントはございますか。
 はいどうぞ。

【池田委員】 制度面の感想ですけれども,スリーストライク制度を含めた各国の制度的対応の現状ということでございますけれども,ここの調査におきましては,様々な,例えば中国で,実際どのような侵害が具体的に起こっていて,それに対して,各国の権利者がどのように困っているかという実態を知りたいと思っております。
 そこに対して,非常に効果的な手段があるというのがあれば,それを知りたいと思っております。しかし外国でも,やはりそのような決定打となるような制度はなくて,スリーストライク制度を採用するのであるとか,また何か非常に役に立つ,非常に効果的な制度があっても,それを,その国内で執行するのはたやすいかもしれませんけれども,それを海外である日本から具体的にエンフォースメントをかけるにはどうすればよいか,またちょっと考えねばならないのではないかと,その部分を私どもも検討させていただきたいということがございます。
 それと,我々としては,海外でいろいろな権利侵害を受けておりますが,それが最終的にすべてなくなって,海賊版かゼロになって,それですべてがオーケーだと,こういうふうになるかというと,実はそうではなくて,そこから先には,我々のコンテンツが海外でも更に展開するということが最終のゴールでございますので,そこも踏まえて,海外では侵害物をなくすと同時に,我々のコンテンツを更に展開していけるかという視点を常に持っていきたいと思っております。侵害物をなくす1つの手段としても適正なコンテンツを流通させる,海外に流通させるということもあるかと思いますので,検討の中では,常にその視点を忘れずに検討していけたらと思います。
 以上です。

【道垣内主査】 他にいかがでしょうか。
 この紙自体,きょう確定して,それに従って今後検討を進めていかなければならないので,大切な指針といいますか,検討のみちしるべになるわけですが,最初の制度面の検討というのは,各国の情勢を把握して,最終的には,もし国際的なルールとしてできるようなものがあれば考えていくということかと思います。この小委員会の目的は,国際的なルールづくりにあるわけですから,その視点は当然あってしかるべきですが,しかし,いきなりそこに行くのではなくて,各国の取組を精査をしていくことが,いろいろな方から御指摘があったように,困っている権利者,あるいはうまく乗り切っている権利者があれば,そこからは是非事情を伺いたいですけれども,とにかく各国の制度を調査して日本の権利者がどのように使えるかを考えることも重要かと思います。日本の権利者でなくても,例えばアメリカかどこかの権利者は非常にうまくいってやっているということであれば,是非事情を伺いたいと思います。
 それから,今後恐らく書籍の情報がどんどんネットに流れてしまう可能性が大きいので,書籍業界の人たちがどう考えているのか,早めに少なくともソフトウェアについての権利者と同じぐらいのレベルには意識を持ってもらわないと大変なことになるかもしれないので,そういう方々の意識もお伺いしてみるというのも意味があるかもしれません。
 今のようなすべてのことをうまく盛り込めるかどうかわからないのですけれども,資料3につきまして,今まで頂いた御意見を私の方で適宜盛り込ませていただいて,少し文言修正をするかもしれませんが,大枠としてはこれでよい,多少の文言修正はしてよいという御決定をいただけますでしょうか。

(「はい」の声あり)

【道垣内主査】 ありがとうございます。
 それでは,そのようなことにさせていただくといたしまして,一応大枠としてこの資料3の,特に2ページから3ページにかけてのように進めていくということとしたいと思います。スケジュールも,これは今から完全に確定させることができるわけではないですが,おおむねこのように進めていくということにさせていただきたいと思います。
 以上が,議題の議事以降の2でございまして,次に議事の3です。WIPO等における最近の動向について,事務局から御説明を受けたいと思います。

【吉田専門官】 資料の4-1と資料の6を出していただけますでしょうか。
 資料の4-1が,世界知的所有権機関等における最近の動向についてでございます。資料6が,著作権関連国際会議等のスケジュールということで,文化庁がかかわっております会議の今後の会議と,それから,最近の会議と両方をあわせて昨年以降の動きというような形でまとめたものが資料6でございます。
 資料4-1を中心に,今から最近の動向について御説明したいと思います。
 では,まずWIPOの関係で,SCCR関係とCDIPとIGCの動きをそれぞれ御紹介いたします。
 SCCRの会合は,昨年末に行われまして,今年の5月にSCCRの非公式会合というのが開催されました。SCCRでは,ずっとこのところ3つ課題がありまして,権利制限と例外の話と,それから視聴覚実演条約の話と,放送機関の保護の条約の話という,この3つがずっと課題としてあるわけですが,今年の5月では,3つのうちの2つ,権利制限と例外と視聴覚実演の保護についての議論が行われました。
 それで,特に権利制限と例外についての議論が割と時間を割いて行われたという状況でして,もともと視覚障害者向けの条約案というものが提案がまず1つ出されていたんですけれども,今回,5月の会合で,アメリカから,各国を拘束しないコンセンサス・インストゥルメントという形式で,輸出入の部分に特化した規定である案が改めて別の案として提案されまして,これは,いうなれば視覚障害者向けにつくられた書籍なり,著作物であれば,輸出入については,もうお互いもういいことにしようではないかというようなものでして,それも,その条約にしない形であればより早くまとまるんじゃないかということでアメリカが提案したんですけれども,中南米諸国や障害者団体から必ずしもサポートを得られていなくて,反対意見が続出したというような状況です。
 それから,スケジュールの提案というのもまたありましたが,これについても詳細な検討が必要だというようなことで,中南米諸国からは賛同が得られたんですけれども,必ずしも何か合意があるということではなく終わっております。
 次のSCCRは,来週から行われることになっておりますので,このアメリカの提案もそうですし,それから,もともとあるエクアドルからの条約案もそうですし,それから,もしかしたらまたほかの国,地域から何か提案なりがあるかもしれないというようなことで,視覚障害者を含め,権利制限と例外についての議論がまた来週から活発に行われるのではないかということが想像できます。
 それから,視聴覚実演保護については,特に具体的な提案があったり,資料が出たりということではなくて,引き続き2000年の外交会議で合意されたものを維持すべきという意見が各国からも出されて,日本からもその意見を表明しておりますが,ブラジルからは,最近の10年の変化を考える必要があるというような発言もなされまして,19条がそのままキープできるかどうかというところでの議論が行われたということで。それから問題となっている1条の部分については,アメリカからは,ここの部分は重要だという発言があったということにとどまっておりまして,具体的に何かアメリカ内で議論はなされているのかどうかとか,アメリカとEUで何か話がなされているかといったような話は特にありませんで,議論の進展には至らなかったということでございました。
 資料中のアメリカの発言で,第12条に関して,ディレクターに権利が集約されることが必要というふうになっているんですが,これは,ディレクターではなくて,プロデューサーというふうに書きかえていただいて,要するに映画製作者に権利が集約されることが必要だということをアメリカが強く主張している。ここはゆきつれずしたポイントになっているわけですけれども,その点は重要だということが引き続きアメリカから繰り返し出されたということでございました。
 それで,イタリアから,この視聴覚実演保護についてのスケジュールを示すべきではないかという発言があったので,次回のSCCR会合では,スケジュール(案)というものは,事務局から出されているのではないかということも考えられるんですけれども,今のところまだ特にその案も出ていないというような状況です。それがSCCRの動きです。
 それから,次にCDIPに関してですが,今年の4月26日から開催されまして,CDIPの位置づけというところについては,既存の監視システムを活用してやってきましょうということで合意がなされまして,プロジェクトについては,特に著作権に関してのプロジェクトの部分が今回は余り議論されたというわけではありませんでしたので,そんなに著作権としての御報告は余りないというような感じになっております。
 それから,2ページ目に行っていただいて,これは,このころ議論が具体的に進んでいる部分なんですけれども,遺伝資源,伝統的知識及びフォークロアに関する政府間委員会,IGCといわれている会合が5月にありまして,そこで,もともと出ていました実体条項についての議論がなされまして,伝統的文化表現,いわゆるTCEsについては,条文ごとのコメントを各国から提示するというようなことが行われて,少し議論が進んだということになっております。
 それから,今後の進め方というようなことについても,更に具体的に決まりまして,会期間作業部会というIWGという会合をIGCで本会合と並行して作業部会を開催しようということになりまして,一番最後の(1)から(5)まであるんですけれども,(5)を見ていただきたいんですが,今後,第1回IWGは7月19日から23日に開催されることになりまして,TCEsについて議論をするということになりましたので,今まで,遺伝資源,伝統的知識,フォークロアというのは3つセットでいつも議論していたんですが,今度の作業部会では,まずはTCEsについてだけの話をしようということで,しかも,5日間も時間がとられているので,相当それぞれの条文についての議論をするということになりそうです。それで,条文と申し上げましたが,これ自身はまだ日本を含め先進国としては,これは別に条約を議論しているわけではなくて,飽くまで法的拘束力は持たない,リーガルなものであるけれども,バインディングじゃないという前提で議論をしているということなんですが,途上国側は,ずっとそれは拘束力があるものとすべきだというふうに主張しながら議論しているというような状況です。
 具体的にどういう条文が議論されているかということで,今回,すみません資料が大量になってしまったのは,これによるものなんですけれども,参考資料の5-1と5-2というところで,IGCという,この場で,今,提案がなされております条文のようなものというか,リーガルテキストというのをお配りしております。それで,考え方としましては,フォークロアといわれている全く著作物としては,今まで扱っていないような保護期間の切れているようなもの,歌であるとか踊りであるとか,いろいろな表現,それは有体,無体問わずなんですけれども,これがフォークロア,TCEsとして入りまして,それを何らか登録をし,そして,勝手に使われないように,使う場合には,何らかの対価を払うというようなことが大まかなコンセプトとしてやろうとしていることなんです。ただ,いろいろな,まずは定義は,TCEsとして何が入るかというところからしても大変あいまいですし,本当にどうやってそんなうまい仕組みをつくるのかというあたりでも大変難しい点があるんですけれども,大きな方向として,そういったフォークロアみたいなものを保護するべきではないかということ自身には,なかなかそれはおかしいということは言いにくくて,したがって,その条文のところでも,それぞれ,ここについての明確化が必要であるというようなことを発言していきたいとかという,ことをまずはしていく感じになりそうだということでございます。
 今,TCEsについてやっているんですけれども,第2回のその後の作業部会といったところでは,恐らくまた別のトラディショナルナレッジの方の伝統的知識といったことについての議論がなされるのではないかと思いますが,その具体的な進め方についてもまだ今後ということで,まずは7月の第1回の作業部会を見た上で,今後の進め方が決まってくるというような状況になっております。
 以上がIGCでございます。
 それから,3ページ目に行っていただいて,APECですけれども,APECは,最近は,知財の専門家会合がお互いの関連施策の最新状況の情報交換をするというようなことが割とメインになっておりまして,日本からは,最近の著作権法の改正の概要であるとか,アジア著作権会議の概要についての説明を行いまして,最近,映連さんからお借りしまして,最近映画の上映が始まる直前に,映画の盗撮等を違法だと知っていてダウンロードする者が違法になったという,その普及の映像が最近流れるようになっているんですけれども,そのDVDもその場で上映しまして,日本語だったんですけれども,映像だけでとてもよくわかっていただけて,これを含め著作権法改正についてはいろいろな国からの強い関心がありまして,質問も多く出されました。
 それから,スリーストライク法関連の話として,各国からの紹介が行われたんですけれども,これも各国も相当興味を持って聞いておりまして,具体的にはどういう執行をしているんだというあたりが質問のメインだったんですけれども,やはり,先ほど山本先生がおっしゃっていらっしゃったとおり,韓国もまだ始めたばっかりというようなことがありまして,引き続き次回会合,今度は9月にあるんですが,そこでもう少し詳しい内容を教えてほしいという各国からの依頼を受けて報告が行われるということになっております。
 それが大体APEC関係で,以上でございます。
 それから,もう一つ資料6に行っていただいて,ここにスケジュールが主に書いてあるので,これを御参考にごらんいただければと思うんですが,2ページ目に,ACTAの会合のスケジュールが書いてございます。先ほども少し話題に出ましたが,まず,今年の4月に条文案が公表されておりまして,まだいろいろなところが合意されていないのでブラケットがついたままの条文で大変ちょっと読みにくいんですけれども,条文案が公表されたということで,条文案を公表すること自身も各国間で相当協議をして,早く透明性を確保したいということと,まだそこまで議論が煮詰まっていないのでかえって混乱するからやめようという国とでかなりのやりとりがあったんですが,ここはやはり秘密裏に交渉しているということへの批判に対処することの方が勝ちまして,条文案を公表するということになりまして,公表を実際されております。
 それで,2010年中の妥結ということで,今進めておりまして,6月28日にスイスで会合を開催する予定でして,まだここではさすがに終わらないとは思いますが,相当かなり最終な詰めをするような状況で,最短ではこれ次ぐらいで終わるかもしれないぐらいの,そうしないと2010年中になかなか終われないんですが,そのぐらいのペースで今進んでおりますというのがACTAのスケジュールでございます。
 条文案全部をお配りするとちょっと大部になったので,URLだけつけておりますので,もし御興味があれば,そちらを御参照いただければと思います。
 長くなりましたが以上でございます。

【道垣内主査】 ありがとうございました。
 ただいまの御説明を踏まえまして,あるいはSCCR等にオブザーバー参加された方もいらっしゃるのではないかと思いますけれども,追加でも結構ですし,御意見,御質疑等ございましたらよろしくお願いいたします。
 はいどうぞ。

【前田委員】 IGCで伝統的知識,伝統的文化表現の保護の交渉が進んでいるということを今お伺いして,私は,こういう条文案が検討されているというのは全く知らず,今この場で条文案をちらっと見ただけなんですけれども,こういった伝統的文化的伝統表現について,知的財産権類似の独占権を認めるような条文案が検討されて進んでいることは非常に問題ではないかと。それに対して正面切って反対しないでよろしいのだろうかというふうに私としては思いました。
 やはり,知的財産権類似の独占権を認めるということは,反面として,第三者の表現の自由とか,行動の自由を制約することになるわけですので,そういう独占権を伝統的文化表現に認めることには非常に大きな問題があるのではないかと。こういう具体的な検討が進んでいくことについては,先進国としては強く反対する必要があるのではないかと思うんですが,今後,こういう条文案に基づいた交渉が進んでいきそうな状況なのでしょうか。

【吉田専門官】 先生の御指摘のとおり,IGCの議論においては,ずっと先進国は,これはそもそもこういう場でやるものではないということであるとか,あるいは文化財の保護として別の枠組みでやるべきだということはずっと議論していたんですけれども,今,状況としては,先進国と途上国の間では,これはリーガルバインディングではないと先進国は理解した状態で議論するということには同意しているというような状況ですので,アメリカもカナダなり,ほかの先進国も,もちろんこれを著作権のような知財権として扱うということには反対だという,その点に絡んでのもちろん思いはあったんですけれども,そこはまずはリーガルなバインディングではないものだという前提で議論するということにしているということでそこをクリアしているということと,それから各国それぞれの事情としては,そうはいっても,これを全く保護するようなものではないというようなことはさすがに言えないので,何らかの保護の工夫をとることについての議論をするということまでできないということはさすがに言えないという状況でしたので,今,それぞれの国がぎりぎりで折り合っているところとしては,法的拘束力は持たないと先進国は思った状態でのそれぞれの中身についての議論をするということになっております。
 それで,当初,この位置づけを決めないまま,それぞれの条文案を議論すべきではないという議論ももちろんあったんですけれども,そこはIGCの中の会議の場で相当途上国の強い意見もあり,最後,議長のさい配のようなところもあって,その位置づけはとにかく中身について議論しようということでやや押し切られたような感じになっています。それは,前々回のIGCで決まったように感じなんですけれども,そういうことで,もう昨年12月のIGCのときに,個別の条項について,位置づけはさておき議論しようということで,本案の途上国,先進国両方が合意したような状態になっているので,中身についての議論には参加するということはしつつも,先進国は引き続きこれは別に条約を議論しているのではないというところで,ぎりぎりのスタンスを保っているというような状況になっております。よって法的拘束力は持たないと思いつつも,なるべくこれを強力な中身にもしないというようなことをやっていくという必要があるんだと思っております。

【大路国際課長】 すみません。ようすれば,今までも,そもそも,このぎりぎりのところではねつけていたというのが,こんなふうなリーガルバインディングなものをつくるというのはけしからんと,そういうものは適当でないというところでやってきたものが,結構強行に途上国がこれを条文案を前に出してきたというのがここ一,二回の会議でございまして,我々は,中身の議論はまだやっていないというふうに思っているわけですけれども,彼らは,中身の議論を進めているつもりであるという感じで,これはどんどん既成事実が積み重なっていて,中身の議論が突き進んでいくということになるとすれば,個々の中身に応じて言うべきことをしっかり言わなきゃいけないというような段階だというふうに思っておりますので,決して途上国が言っているようなのではない。排他的許諾権的なものを入れるというようなもの,あるのかどうかというのはわかりませんけれども,仮にそうなった場合に,そのものがこの制度の中に入ってくるということを受け入れるという前提で話を進めていくものでは決してないというふうに理解をしております。

【道垣内主査】 どうぞ。

【鈴木委員】 今の点に関してですけれども,この文書,ちょっと中身を私も初めて見るんですが,これ自体はリーガリー,バインディングでないというのは,それは当然の前提としつつ,これについて交渉をして,仮に合意をしたということが,逆に,こういう中身の国内法をつくるということについては,免罪符という,ちょっと表現はおかしいかもしれませんけれども,それについては文句を言われないという国際的な一種のコンセンサスができたという状況になった場合に,気になるのは,ほかの知的財産権の保護等の抵触関係で,例えば著作権とか,商標権とかのベルヌ条約とか,パリ条約とか,TRIPS協定上保護されるべきものが抵触する場合にはもちろんこちらを優先するような国内法をつくってもかまわないというふうな理解のベースにされると困るのではないかと。その辺,当然意識して交渉されているとは思いますけれども,そういう点も十分念頭に置いていただけたらと思います。

【道垣内主査】 はいどうぞ。

【上原委員】 先ほど,大路課長から御説明ありましたように,この問題は非常に長くWIPOで議論されていて,最初はおっしゃるとおりバインディングなルールをつくれということとつくるなということの延々としたやりあいのままできて,その間にどんどんどんどん途上国のフラストレーションがたまっていって,次々と途上国側からいろいろな提案が出ていって,ともかく話をしないと進まないだろうということで,急速に進み始めたというのが実態かと思います。今後,この国際小委員会としては,19年度でしたっけね(注:実際は17年度)。一度この問題を取り上げて国際小委員会としての整理はその段階では,山本委員などもいらっしゃって,著作権ないしはそれの類似の問題として扱うべきものではないということで結論が出ていて,そのときには認めるとして,あるものはスイジェネレスでやるという話の整理は一度されていると思います。したがいまして,それをもう一度見直すということも当然可能かとは思いますが,今進んでいる状況に対して,先ほど大路課長からもお話ありましたが,バインディングではないということだし,内容的には,問題があれば,それなりにちゃんとストップをかけていくというお話がありましたが,スイジェネレスであるというところで一応国際小委員会では,根本的なありよう,権利を認めていくというか,拒否できないという状況報告が,先ほど専門官からもありましたけれども,その中で話をする場合に,そこの部分をきちんと切り分けて論議されるようにまずはしていくただきたいというのが過去からの経緯としてあろうかと思っております。
 それともう一つは,そのような状況が大分出てきそうだということで,21年度の国際小委員会で知財と開発問題,フォークロア問題の多様な在り方というのを早めに手をつけるべきではないかという話が出たというふうに記憶をしておりますので,この問題については,改めてフォローをきちんとしていくということが必要であるというふうに考えております。
 私の理解では,現在進んでいるのは,どう扱うかというか,どういうものとして考えるのかは別として,保護としてはこういうものがあるんじゃないかという1つの,一体それが何なのかわからないけれども,条文を1つずつ逐条でやっていくという,非常に奇妙なことをやっているというように思いますが,それは今度まとまったところで,じゃどう扱うんだというときに,逐条の中身とか,書き方によって,レコメンデーションになりにくくかったり,条約になるようなものになったりというような可能性はありますので,そこを十分に中身に関してもバインディングじゃないからこれで進んじゃっていいのかというところはフォローしつつ対応していただきたいと思いますし,必要があれば,これをどうせいということを国際小委員会で言うということではありませんが,国際小委員会でも,内容について,スイジェネレスという観点からは,このような原則を守った方がいいのではないかという議論も場合によってはした方がいいのではないかというふうに考えます。
 最後に1つ教えていただきたいというか,確認をしていただきたいんですが,現在逐条で作業しており,際に逐条をやり出して2回済んだところだと思いますが,2回目が済んだところで,こことここを直すという実際に直しをしたものがちゃんと訳でも訂正がきちんとわかるように出ていて,その直しがきちんと出てきたのが前回だと思うんですが,一応確認ですが,今の議論では何条まで進んだ,何条から何条までやったというのを教えてください。

【吉田専門官】 今,1条から4条まで終わったという状況になっています。
 それから,すみません,先ほど説明を申しそびれましたが,今お配りしたものが,前回の5月3日の会議での資料でして,その5月の会議のコメントを踏まえたまた新しい版というのが6月18日ごろに出る予定ですので,今度7月の会合はその6月版をもとに行われるということになります。だから,4条ということになりますので,これが少しまた変わったものがもとになるということになっております。ただ5条以下はそんなに議論していないということで,そんなに変わらないと思いますし,もともと大きな考え方としては,大体ここに盛り込まれているというものが今議論されているということを御報告したいと思います。

【道垣内主査】 山本委員どうぞ。

【山本委員】 さっきの上原委員のおっしゃったところで,ちょっと一言申し上げたいんですけれども,二,三年前かもっと前かわからないんですけれども,上原委員がおっしゃったように,ここでフォークロアの議論をしました。そのときに,結論が出たというような感じではなかったように思います。それから,私の方から,こういうのは知的財産権として保護するのはおかしいと,せいぜい文化財として保護するべき話じゃないですかということを申し上げたとは思うんですが,スイジェネレスにするとして,独自の権利,著作権者なんかに別の権利とか,という話は,少なくても私はしておりませんし,その話が,出たようには記憶しておりません。だから,それで結論が出たとかということはなかったと思います。私の意見としては,そのスイジェネレスというような,権利として与えることさえおかしいんじゃないか,飽くまで文化財とか,過去の遺物についての保護とかというような,全く別次元の話じゃないかというふうに思います。

【道垣内主査】 どうぞ。

【上原委員】 すみません。山本委員がスイジェネレスでという話をされたということではなくて,山本委員は,そのときにおっしゃったのは,文化財その他であろうというお話をされておりましたのを私覚えておりますので,言葉足らずで申し訳ありませんでした。
 ただ,これは記録を調べていただければいい話だと思いますが,一応,基本的には文化財その他の方が適当ではないか,もし認めるとすれば,スイジェネレスじゃないかというような結論だったと思いますので,そういう意味ではちょっと言葉足らずの言い方だったかもしれませんが,その確認をして対応していただければということでございます。

【道垣内主査】 はいわかりました。
 この翻訳を見ていて,政府間委員会の,名称の翻訳の「及び」と「また」は逆じゃないですか。私自身あるいは不正確な理解に基づいているかも知れませんが,もしかすると中身がわかってない人が訳しているかもしれませんので,事務局として,公表されるときには改めて御注意いただければと思います。

【吉田専門官】 そうですね。

【道垣内主査】 そのほかはよろしゅうございますか。
 それでは,この点は終わりにいたしまして,議題の4,その他の事項として,先ほどお話があったことも含めて御説明いただければと思います。

【井村専門官】 それでは,報告させていただきます。
 まず,資料の4-2をごらんください。
 文化庁では,著作権情報センターと共催で,第1回アジア著作権会議を2月24日から26日まで開催いたしました。
 インターネット上の著作権侵害対策について国境を越えた権利執行というテーマで,フランス,オーストラリア,中国,韓国,アメリカの政府機関と民間機関の参加を得て,国際的にどのような協力関係が構築できるかについて検討を行いました。
 今回,テーマとした問題は,1か国で解決するのは不可能で,国際的な協力が不可欠であるということが参加者間で改めて確認できました。今後,各国間で具体的な協力を進めていくということもあわせて確認をしました。
 前回の会議では一応ここまでになっています。
 次に,資料の4-3をごらんください。
 昨年度の国際小委員会以降にありました二国間協議関係としまして,日中著作権協議及び中国国家版権局と文化庁との覚書締結について御報告いたします。
 日中著作権協議ですが,3月15日に第6回協議を東京で開催いたしました。前回第5回協議は昨年10月に北京で行われまして,そのときから日中双方の首席代表の変更があり,以前は,日本側は課長で,中国側が副司長でしたが,前回から,日本側は審議官で,中国側が司長となっており,ランクが上がっております。
 協議の概要につきましては,資料のとおりです。
 あと,次に中国の国家版権局と文化庁との覚書締結について御報告します。
 既に本件については,日中双方の新聞やニュースサイトなどで報道されておりますけれども,そもそも第5回の協議のときに,覚書を締結することに一応合意をし,その後は双方で調整をし,まとまったところで,まず,3月5日に北京で国家版権局の閻(いえん)副局長が署名いたしまして,その後,3月15日に文化庁の玉井長官が署名しまして,それを日本に来ていた中国国家版権局版権管理司の王司長との間で交換をしたというものです。
 内容につきましては,後ろに条文等がついておりますので参照ください。
 それと,資料5についてですが,スリーストライク制度に係る各国の状況ですけれども,先ほど来,話をしておりますが,こちらで今回報告させていただく趣旨としましては,これを我が国でどうするということではなくて,あくまでも我が国の権利者が海外で権利執行をする際に必要な情報として提供するという趣旨で御紹介するものです。
 スリーストライク制度といいましても,ユーザーに対して2回警告して3回目には何らかの対抗策を講じるという形式で各国ともなっておりますけれども,それぞれ国によって,いろいろ特色があるようです。
 まず韓国ですが,2009年4月に法改正して導入されて,去年の7月に施行されておりますけれども,こちら制度の概要は,資料を見ていただければと思いますが,アカウントの停止や掲示板サービスの停止,あと韓国著作権委員会による是正勧告等が挙げられます。例えば,文化体育観光部の長官が韓国の著作権委員会の協議を経てといった形でいわゆるオンラインサービスプロバイダーに対してアカウントを停止しなさいとか,その勧告に従わなければOSPに対して罰金が科せられるとか,そういう直接行政機関からユーザーに対してということではなくて,サービスプロバイダーに対してのものと考えられます。
 次に台湾ですけれども,こちらも,2009年4月に法改正して導入されておりますけれども,こちらは著作権法改正の法案を国会に上程した際には,入っていなかったそうで,その審議の過程で,いわゆる国会議員の方から入れた方がいいということで決まり,急きょ導入したようなことを言っておりますので,こちらは,特に行政機関や,司法機関などが何か介入するというよりは,いわゆるISPと違法行為を行っているユーザーとの間の契約ベースの話になっていて,直接行政や司法が手続に対して何か入るという感じにはないようです。
 次にフランスですけれども,こちらも2009年から法律としては聞いておりますけれども,こちらは,権利者,またその代理人,また実際に間に入るHADOPIという行政機関が裁判の手続等を終えて,これは直接違法行為を行ったユーザーとの間で何らかの措置を行うという形式になっているようです。まだ,実績はまだなってないようです。
 また最近の報告として,イギリスですけれども,2010年4月に,このデジタル経済法が承認され,交渉に向けて動くということですけれども,こちらは,英国の情報通信庁が行政機関として動くわけですが,実際には大臣からISPに対して技術的義務を課すことを命令することができますが,その際は国会承認が必要という,そういう手続を経て,ISPに対して働きかけるということになります。
 また,ニュージーランドですけれども,こちらも2008年4月から導入して,まだ最終的には,一度成立一過性としましたけれども,その後修正案があって,今国会審議中のようです。これも,修正案の概要を見ますと,権利者が著作権審判所,Copyright Tribunalという所が間に入って,これもISPに対する働きかけという形式のようです。情報としては,粗い情報で参考にならないかもしれませんが,まだ調査等をしていきたいと思います。
 以上です。

【吉田専門官】 続きまして,もう1つ参考資料4にあります昨年度実施した海外調査の御紹介をさせていただきたいと思います。
 参考資料4を見ていただきますと,3つ昨年行いました調査の概要と結果の概要が載っておりますが,アドレスを載せてございます。
 上からいきまして,インターネット上の著作権侵害対策ハンドブックということで,毎年いろいろな地域ごとのハンドブックを作成しておりましたが,昨年度は,イギリス,フランス,ドイツ,スペインを対象としたインターネット上の著作権侵害対策に関しての法律,手続,著作権関係団体の活動,判例といった概要を調査いたしました。
 それから,海賊版被害等に関するアンケート調査ということで,日本の企業,団体の方々にアンケートを配布して,海賊版被害等に関する実態をとらえていて,実際にはどのような体制を組まれているかというようなことを調査いたしました。
 それから,最後に,アメリカにおけるGoogle社と作家協会等との訴訟に関する法的論点整理と分析等ということで,これはまだ今年の2月に公聴会が行われて以降特に動きがないとこちらとしては認識しておるんですけれども,修正された和解案についての法的な論点の分析と,それから修正和解案の和訳ということで報告書をつくりまして,それぞれ文化庁のホームページに載せてありますので,全部配布するとちょっと大量になるものですからアドレスだけにさせていただきましたが,御興味がある部分がありましたらごらんいただければと思います。
 以上です。

【道垣内主査】 ありがとうございました。
 今,御説明いただいた幾つかの資料につきまして,御質問,御意見,その他ございますでしょうか。
 久保田委員。

【久保田委員】 資料4-3の日中著作権協議のところですが,それから今後のスケジュール2011年4月の日中著作権会議は北京で開催予定ということなんですが,関連とか,戦略とか,それから3月15日のこの中国側からの認証機関制度についての説明があったということで,国家版権局側の説明を踏まえて,日本側の方で情報収集,調査等の上に改めて要請することになってきた。この辺の流れといいますか,今回,知財計画2010の方でも,フェアなビジネスを立ち上げるために著作権の問題に入る前に,要するにゲーム業界にしても,フェアなビジネスが成り立ってないんです。それは検閲という問題もあるんですけれども,ここらあたり何回もこの場でも発言しているんですけれども,これと,認証機関制度のあたりの関連というのか,そのあたりを踏まえての戦略というんですか,そのあたり我々も権利者団体の方も逐一詰めていかなきゃならないんで,まさにこのあたりは政府がまさにやるべきところでありまして,具体的な戦略とか実態とか,中国側の出方といいますか,こういうことについて,もしお伺いできれば説明いただきたいんですけれども。

【道垣内主査】 いかがでしょうか。

【井村専門官】 まず,認証機関制度に関してですけれども,現在,日本レコード協会が認証機関として日本の機関としては認められているんですけれども,これはあくまでもレコードの種類とか,を出す場合の部分だけなんですけれども,それは対応する分野は狭いので,それにかわるかプラス今オーダーをそういう形で日本の権利者を代表する機関として向こうに認識をさせようということでこの認証機関という制度が向こうにありますので,まずそこを足がかりにして,そういうステータスを獲得した上で,いろいろ不正規版を流していくにしろ,権利侵害に対しての対策を講じるにしろ,まず向こうに入って足場をつくっていこうという戦略というか,ことで,認証機関制度について,認証機関になるべく今ちょっと動いているところですけれども,このとき,こちらでの協議でも,この話はしました。その後,経産省でも,同じようなことで話をし,またその後,ポーターとの間でも話をし,3段階で結構押していってはいるんですけれども,やっぱり向こうの制度自体をもうちょっとよく知らないと,具体的に,それになって何がやりたいのということを中国側から言われましたので,その辺を更にちょっときちんと詰めて,改めて申し入れようというふうに,今,一応動いているところですので。
 次から,ちょっと会議の名称が変わっているのは,これは覚書に基づいて行うことになるので,以前は協議と言っていたんですけれども,覚書で一応年に1回定例で著作権会議を開こうということになりましたので,それを,次回は1月ぐらいになるんではないかというふうにタイミングとしておさえている段階で,具体的にそこで協議すべき内容とか,そういったところは,前回の協議のフォローアップを含めて,また新たな問題があれば,そういったところも関係者側から情報を得て対応していきたいとは思っています。

【道垣内主査】 はいどうぞ。

【久保田委員】 この認証機関制度というのは,権利の帰属を担保するというか,中国側が認識しているというか,そこには合意があって,認証機関制度としてあれば,手続を踏んでおれば,中国側ではそこからの権利の帰属については争わないで,すぐに執行なりに行くよというところでは認識は一致しているんですか。

【井村専門官】 はい。

【久保田委員】 もう1点,そういったことをやると,日本が考えている認証機関制度と中国における登録の,会社みたいなものが並列するようになってきて,じゃどうするんだという,自由にビジネスをしていている人たちはいいんじゃないかということでも,概念性の問題があって,そこに登録していれば,中国で我々の権利が守られるんであれば,それも1つありかなと思っているんですけれども,国としてこれ形をもっていけるんであれば,オールジャパンで是非認証制度のもとで,日本のコンテンツが全部我々のような信頼性を確認をしたところで,権利執行ができるとすれば,これ物すごい重要なポイントになるんですね。早速名前も変わって,来年の1月ということであれば,このあたりは是非我々の方も積極的に協力をいたしますので,どういうふうに突っ込んでいくのかといいますか,我々の権利を守るための認証機関制度をあちらに持たせるというか,一緒に並列させていくなり何なり,何かそのあたりのところがもしお考えがあれば聞かせていただきたいんですけれども。

【井村専門官】 その前に,向こうの認証機関制度で対象としているコンテンツ,種類が,音楽と映像でして,それ以外は,まだこの制度で対象としていないというふうな見解が1つあります。

【久保田委員】 映像やゲームソフト入りますか。

【井村専門官】 ほかの認証機関の様子を見ていると,大体MPAとか,IPIとかですから,ちょっとその辺が微妙なところで,はっきりした見解はまだ向こうからは,それを問い合わせとかもまだしていませんけれども。

【久保田委員】 わかりました。何でも協力させていただきますので是非よろしくお願いします。

【井村専門官】 ありがとうございます。

【大路国際課長】 今,言ったとおりなんですけれども,認証機関の関係が一番大きな課題になっていて,そのあたりを次にどう攻めていくかというのが一番大きな論点かなというふうに思っているんですけれども,先方の言い方としては,認証機関になって果たして意味があるのかといったような問いかけなんかがちょっとあったりして,我が方認証機関認証機関というふうな形で言っているんですけれども,実際にやりたいことは,これがどうなるの,権利者さんだということを証明する手段が必要なわけでありまして,認証機関だけで果たしてその問題が解決するのかどうなのかというのはやっぱりちょっと検証する必要があるのかなというふうに思っていまして,中国も韓国もそうですけれども,国の機関が著作権を登録するような仕組みになっていて,国の機関がある意味これが著作権者だということを証明するような仕組みになっていると。日本は登録制度というのはあるわけなんですけれども,その機能のさせ方の問題にあるのかもしれないし,あるいは何らかの形で,政府が,国がかかわった形で,中国にCODAが言っているものであれば最もまっとうな権利者なんだというふうなことを示すような,そういう仕組みみたいなものが何か考えられないのかなというふうに思っておりまして,そこはちょっと必要な仕事かなというふうには思っているんですけれども。ちょっと今は,そういう状況でございまして,少しちょっと中国との間で議論を今後かみ合わせていくためにも,そのあたりのところの制度,我々もちょっと勉強しなきゃいけないと思っておりますし,産業界の実態なんかもちょっと把握させていただいた上で,次に臨むという必要があるのかなというふうに思っております。
 以上です。

【道垣内主査】 そのほかいかがでしょうか。

【石井委員】 すみません。きょう全然議題にのぼらなかったことで,放送事業者として一言だけ。
 実は来週から,WIPOで,著作権等常設委員会がありまして,そこでは放送事業者の条約も議題に残っております。この数年間で随分放送を取り巻く環境,特にインターネットとの関係で随分変わったといいますか,放送事業者自身がインターネットにいろいろコンテンツを提供していくようなりましたし,またその分,海賊版といいますか,許諾を得ないインターネットの流通もふえている中で,なかなか,例えば保護の範囲ですとか,対象機関について難しい問題があるかと思います。しかし,どっちにしても,放送番組のコンテンツの流通ということと,正規流通ということと,不正規流通の現象というのは,本当にこれから表裏一体の関係になってくる,それはもう間違いないと思いますので,是非そこら辺,皆さんの御協力も得られればというふうに思っております。やっぱり放送機関としても1つにまとまらないといけないということがありまして,今,ヨーロッパですとか,アジアですとか,アフリカですとか,アメリカの放送機関が合同して連合をつくりまして,ワーキンググループもつくっております。また,日本政府におかれましては,単に日本の代表というだけじゃなくて,アジアの代表というか,アジアのリーダーシップとした役割というのもとれる立場におありじゃないかなと,そういうことをやっていくのが逆に日本のコンテンツの海外展開,アジア展開というところにもまたつながっていく,将来に向けてもつながるところではないかというふうに思っておりますのでよろしくお願いいたします。

【道垣内主査】 はいどうぞ。

【池田委員】 今の石井委員の御意見と同じでございますが,民放としても,一刻も早い放送条約の成立というものをお願いしたいと思っております。
 今の放送機関の権利がほかの権利に比べて若干おくれているということを,一刻も早く改善しなければならないということで,早い時点での放送条約締結というものを最大限に目指していただきたいと思っています。よろしくお願いします。

【道垣内主査】 上原委員。

【上原委員】 放送条約の話ですけれども,放送条約の件につきましては,ちょっとWIPOの中では制限の問題に若干押されている感じがございますが,1997年以降の議論が続いているところであり,議論が煮詰まり切れてはおりませんが,2007年の総会マンデートというのがございますので,この線にのっとってしっかりと外交会議に行けるように詰めていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

【道垣内主査】 そのほかありますでしょうか。
 それでは,一応きょう予定しておりました議事は終了いたしましたので,本日の審議はおしまいにしたいと思いますが,事務局から次回以降の連絡がございましたらよろしくお願いいたします。

【吉田専門官】 本日はありがとうございました。
 次回は,関係者からのヒアリングを実施したいと思っております。日程につきましては,追って日程調整の上御連絡させていただきます。
 また,本日の資料3の修正版についても,後ほど主査と相談して,結果の修正版をお送りいたしますし,それから,本日の議事録もまた追って送付いたしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

【道垣内主査】 きょうはどうもありがとうございました。

○11:54閉会

―― 了 ――

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