議事録

第25回国語分科会日本語教育小委員会・議事録

平成22年3月4日(木)
13:00〜15:00
旧文部省庁舎5階 文化庁特別会議室

〔出席者〕

(委員)
西原主査,杉戸副主査,伊藤,井上,岩見,尾﨑,加藤,佐藤,中野,西澤,山田各委員(計11名)
(文部科学省・文化庁)
匂坂国語課長,西村日本語教育専門官,仙田日本語教育専門職,山下日本語教育専門職ほか関係官

〔配布資料〕

  1. 文化審議会国語分科会日本語教育小委員会委員名簿
  2. 文化審議会国語分科会日本語教育小委員会の議事の公開について
  3. 「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)のたたき台
  4. 情報リソース(資源)部分等の様式について
  5. 国語分科会日本語教育小委員会における審議について 目次立て(案)
  6. 日本語教育小委員会の検討スケジュール(案)

〔参考資料〕

  1. 文化審議会国語分科会運営規則
  2. 文化審議会国語分科会の議事の公開について
  3. 「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)の構成について
  4. 「生活上の行為」の分類一覧
  5. 「生活上の行為」の事例の整理

〔経過概要〕

  1. 文化審議会国語分科会運営規則に基づいて,委員の互選により,西原委員が日本語教育小委員会主査に選出された。
  2. 文化審議会国語分科会運営規則に基づき,西原主査が杉戸委員を副主査に指名し,了承された。
  3. 事務局から配布資料の確認があった。
  4. 事務局から,配布資料2「文化審議会国語分科会日本語教育小委員会の議事の公開について(案)」の説明があり,了承された。
  5. 事務局から,配布資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)のたたき台」,配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」,配布資料5「国語分科会日本語教育小委員会における審議について 目次立て(案)」,参考資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)の構成について」についての説明があり,その後,資料の内容に関し,質疑応答と意見交換を行った。
  6. 次回の日本語教育小委員会は,4月8日(木)に開催されること,また会場については決まり次第,改めて事務局から各委員に連絡することが確認された。
  7. 質疑応答及び意見交換における各委員の意見は次のとおりである。
○西原主査
それでは,審議に入りたいと思います。前期のことは皆様方,既に御存じでいらっしゃいますが,標準的なカリキュラム(案)の開発に向けた検討ということに邁進まいしんしてまいりました。そして,今期においても引き続き「生活者としての外国人」に対する標準的なカリキュラム(案)の開発に向けた検討を行うということになります。本年1月25日に第12回の日本語教育小委員会ワーキンググループがあり,「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)のたたき台」の修正内容について検討をいたしました。それが配布資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)のたたき台」に反映されております。特に前半部分がそれに当たります。
それから,学習項目の要素の記述について,☆ が付されている「生活上の行為」の事例 に関して,それをコミュニケーションの手段として学ぶというよりは知識として知っておくべきことを箇条書きで記述するようにということについて御了承いただいていると思い ますけれども,配布資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリ キュラム(案)」の最後,4ページの部分にそれが反映されております。
だんだん形になってきたということでございますけれども,今までのことはこれでよろしいでしょうか。標準的なカリキュラムの本体部分についてのことはこれまでにしたいと思いますが,よろしいでしょうか。(→ 了承)
続きまして,今度はそれに付属する部分,どういうものが標準的なカリキュラム(案)に含まれるかということについてです。前期に御確認いただいていると思いますが,そこには本体部分に,情報リソース(資源)部分を付け加えるということを御確認いただいていると思います。その情報リソース(資源)部分につきまして,このような様式でと申しますか,どういうものをどのように記述するかということを事務局で御検討いただいてまいりました。それが配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」になるかと思います。
このような様式でよろしければ,あるいはそこに何か修正が加わるとして,それを基本にして日本語教育小委員会ワーキンググループがこれから仕事をしていくための枠組みというふうにお考えいただければよろしいかと思います。参考資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)の構成について」を見ながら,配布資料4「「情報リソース(資源)部分等の様式について」」の「(1)「授業を構成する活動方法の例一覧」の様式について(案)」,「(2)「教室活動を行う際の参考資料リスト」の様式について(案)」,「(3)「活用例(実践例)」の様式について(案)」を御覧いただいて,それをどういうふうにしたらよろしいかという御意見を伺えたらと存じます。
そして,少しややこしいのですが,参考資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)の構成について」の右側に出てくる「(※資料4(3)」などが,配布資料4「「情報リソース(資源)部分等の様式について」」の「(1)「授業を構成する活動方法の例一覧」の様式について(案)」,「(2)「教室活動を行う際の参考資料リスト」の様式について(案)」,「(3)「活用例(実践例)」の様式について(案)」というふうになっているところが対応しているところです。一番最後に付いております配布資料4「「情報リソース(資源)部分等の様式について」」の「(3)「活用例(実践例)」の様式について(案)」は本体部分の一部を成すということです。そして,「(1)「授業を構成する活動方法の例一覧」の様式について(案)」,「(2)「教室活動を行う際の参考資料リスト」の様式について(案)」は,標準的カリキュラム(案)の構成についての情報リソースですから参考資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)の構成について」の「(4)情報リソース(資源)部分」,一番下の部分ということになります。
そして,どうしてこういう順でとじられているかというと,今まで配布資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)のたたき台」に当たるものは多少の修正は加わるとして,既に御了承いただいた標準的なカリキュラム(案)の部分ということになります。それにまず情報リソース(資源)部分の資料部分を作った上で,それらをすべて盛り込むような形で配布資料4「「情報リソース(資源)部分等の様式について」」の「(3)「活用例(実践例)」の様式について(案)」,つまり今,配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の3枚目の紙というものが作られていくであろうというそういう順序になっているわけです。
このとじられている順に,実は配布資料3「情報リソース(資源)部分等の様式について」の3枚目が一番作成が難しいかと思うので,御意見を伺いたいと思います。配布資料4「「情報リソース(資源)部分等の様式について」」の「(1)「活動方法の例一覧」の様式について(案)」については,こういう様式で内容を積み上げていってよろしいでしょうか。
だんだん現場に近くなってくるということになり,現場が見て使いにくいようなものは作りたくないのですが,この活動方法というのはとても片仮名語が多くなっております。日本語教育の業界ではなぜか片仮名語のままに取り入れてしまって,そのまま業界用語になってしまったということがありますす。事務局には苦労して,「ロールプレイ(role play)」を「役割演技」というように書いていただいています。
この括弧と括弧外の語は逆転した方がよろしいでしょうか。つまり,「こんなの使えないよ。」という御意見から,「まあ,このような形で作業をやってみなさい。」という御意見までいろいろあるかと思いますが,本当にだんだん世の中に近くなって,使う人の顔を見ながらこれを作っていかなければならなくなっておりますので,どうぞ本当に忌憚きたんのない御意見を頂だいできればと存じます。
杉戸副主査はいかがでしょうか。
○杉戸副主査
この「ロールプレイ(役割演技)」というその示し方は私の今の意見としてはこの順序の方がいいと思います。つまり,ロールプレイとかあるいはシミュレーション(simulation)といった言葉は恐らくもう既に定着しているとみなさないといけない用語だと思いますし,これから広まっていってほしいものだと思います。ただ,片仮名言葉だけで放り出すのはよくないという思いはあります。
ただ,次の「フォトランゲージ(photo language)」,この辺になるとまた意見が崩れてしまいます。
○西原主査
教材をお作りになっていらっしゃる岩見委員,中野委員はいかがでしょうか。それから,山田委員も教材をお作りになっていますよね。
○岩見委員
今日は伊東委員がお休みなんですが,「フォトランゲージ」は財団法人武蔵野国際交流協会で伊東委員も関係したところで使われている活動の一つのものですね。
「フォトランゲージ」という名称でやってるというものなんですよね。文化庁の大会でも発表されていますから,そこで少し広まってはきているので。関係者にとってはなじみがある言葉なんですけれども。日本語で説明をするとこれで十分かどうか分かりませんが,長々とこういうふうになってしまいます。そういう意味では括弧付きか何かで名称を付けることが必要ですね。
全体を示すタイトルはちょっと長過ぎるかなという気がいたします。
最初の文言をまずは片仮名でやはり示さないといけないと思います。あとの説明はもう少し短くわかりやすくして。
○西原主査
山田委員,中野委員,いかがですか。
○中野委員
この片仮名は現場の先生たちから攻撃され,分かりにくいとよく言われるので,いつもとても困っているんです。
○西原主査
今度,中国語の教材をお作りになりましたよね。そこでも活動について記述をしていらっしゃいますよね。あれは中国語に訳したわけですよね。
○中野委員
そうですね。ただ,中国語に訳せるものは訳しますけれども,必ずしも全部当てはまる中国語があるとも限らないです。日本の中国語や韓国語の先生方にもこの片仮名って結構抵抗感があるみたいなんです。それでは,どうしたらいいのかということなんですが,日本語だけですべて表現しようとしてもやはり無理があります。だから非常に丁寧な説明が必要なのかなと思います。
ただ,表示的に言うとこれ全部に付けていくと最後に結構うるさくなりますよね。ですから,技術的にどこかでは片仮名だけを使わざるを得ないという場面も出てきます。ともかく,どこかにそれぞれを丁寧に説明したものが絶対必要だなと思います。
○山田委員
私もそう思います。それで,一つは,これを「役割演技」という方を外に出して「ロールプレイ」を括弧の中に入れたとしても,恐らくコーディネーターとかこういうことに慣れている人が現場で話をするときには「ロールプレイ」という方を使ってしまうと思います。そうすると,じゃあ,その「役割演技」というのは何だったんだということになるので。用語としては「ロールプレイ」でいいけれども,それについて概念が分かるような形の日本語と言うかここでは漢字ですが,それとか,「写真を見て気付いたことを話す活動」というのも何となくぼんやりとしては分かります。それで,中野委員がおっしゃるように,「シミュレーションというのはこういうことなんだ」というのをこれとは別に解説的な写真とかクラス内の活動の分かるようなものを使ってやったらいいと思います。
○杉戸副主査
今の御意見に基本的には賛成して,3種類の要素を絶えず意識したらどうかと思います。片仮名の言葉そのものと,それを置き換える日本語の単語としての漢語であれ和語であれ,単語ですね。それから,その活動の意味を説明する説明的な,しかし短いフレーズと,その3種類を区別してはどうかと思います。
今日の例でいくと,「ロールプレイ」に対する「役割演技」は最初の片仮名言葉とその置き換えになる単語が並んでいます。ところが,「フォトランゲージ」の次に括弧に入っているのは説明であって置き換えの言葉ではないと意識する。ですから,「写真説明」とか「絵入り説明」とかというそういうのを工夫して単語として提案するというそういう姿勢をあえて選んではどうかということまで踏み込んで検討したらどうでしょうか。
○西原主査
国立国語研究所は片仮名語書換え案というのをシリーズで何回か作っていて,大分御苦労なさって新語をお作りになったのですよね。
○杉戸副主査
そのときもその3種類を…。
○西原主査
「インフォームドコンセント」が「納得診療」でしたね。
○杉戸副主査
今でも「いいでしょう」と言いたいんですけれども。そのときも,「納得診療」というのは置き換えの単語として提案しました。それを更に説明するもう少し長いフレーズの日本語も準備した方がいいという提案だったんですね。
○西原主査
そうしますと,具体的にはロールプレイ(役割演技),ドット,ドットか何か知らないけれども,コロン,そこに何かを付けるような形で第1行目ができるということですね。
○杉戸副主査
はい。例えばこの活動方法の名称というところに,絶えずこの例を一覧する一覧表の本体部分にそれを三つ並べるということは必要ないと思います。「ロールプレイ(役割演技)」でよくて,巻末のリストにグロッサリー(glossary)と言うか用語説明の付録でも付けてその三つの要素を並べるというサービスと言うかケア(care)をしたらどうでしょうか。提案が受け入れられればですけれども。
○西原主査
佐藤委員は外国人児童・生徒のためのJSLカリキュラム(JSL:Japanese as Second Language)ではどうなさったんですか。
○佐藤委員
こういう片仮名用語は余り使ってないんです。ただ,これは基本的には開発教育の概念ですよね。それで,学校教育の中で随分導入されたんですが,実はうまく行っていません。
それにはいろいろ理由がありますが,なぜかと言うと,一つは現実の子供たちの実態に即してこれをうまく導入できていないということと,もう一つはやることが主目的化して,非常に形式化してしまうんですね。そうすると,何が問題になるのかと言うと,活動の手順というのを非常に一般化する形で切り捨てるという問題が学校教育の中で出てきます。
○西原主査
例えばディベート(debate)とか。
○佐藤委員
ええ,ある意味ディベートは正にそうです。形式化してしまうんですね。こういう手順でやればうまくいくんだということが書かれているだけで,実際やってみるとできないんですね。そうすると,恐らく,概念というのはいろいろな表記の仕方があると思いますけれども,今の議論に即して言うと,見ている方は置き換えだけであったらよくて,あとは活動の手順を見れば分かる,イメージできればいいわけですよね。例えば「写真を見て気付いたことを話す活動」と長々と書いてあるけれども,具体的に何なのっていうことになります。現実的には活動の手順をずっと眺めながらイメージができればいいわけです。要するに一つの公式な文書として作るんじゃなくて,実際に使うためにはその方がいいだろうと思います。
ただ,問題なのは,活動がこの手順でできるのかどうかというところです。実は,学校教育の中ではこれでは非常にうまく行かなかった,行ってないんですね。
○西原主査
それはどうしてでしょうか,現場の教師がこういうものを見ても実践につなげることを想像,イメージとして描けないということでしょうか。
○佐藤委員
そうですね,例えばこういう活動を組織していったときに,子供は動いてくれないと言う。多様な子供たちがいますよね。参加すると言ったとき,極めて少数の子供しか参加しないこともあり,そうすると活動というのは非常に形式化してしまいます。そうすると,例えばこの中で「役割について話し合う」と書いてありますが,話し合えない,「それぞれの役割を演じる」というときに演じられないということが起こります。だから,そういう問題があるときに,活動の手順のところで例えばどういう手立てみたいなものがあるのかということも含めてうまく記述しないと,難しいのではないかと思います。記述の仕方に若干の工夫があると,もしかするとうまくいくのかなと思います。
例えば学校教育の中でうまくいってる例が,例えばフォトランゲージなんかもそうですけれども,その具体的な事例に即して,かなり具体的にその手順を示しています。そうすると,何となく先生方がイメージしてうまくやっていけるようなことがあります。
○西原主査
例えばフォトランゲージだとどういう手順なのでしょうか。
○佐藤委員
例えば「こういう写真が必要」という具体的な事例を挙げて,そして話し合えないときにも,もっと教師の指示としてこんなことを出したらどうかというようなところを具体的な活動の事例に即して活動の手順を示していくというやり方です。つまり一般的で抽象的なものではなくて,実際の活動の手順を示すことによって先生がやりやすいものを示していくということをやっています。そうしないと,なかなかうまくいかないというのが一般的な学校教育の流れではあります。
○西原主査
とにかく現場で実際に,教育活動と言うか学習活動に参加する人がイメージできないような指示であっては困るわけです。イメージできるようにするためには活動手順が非常に具体的である必要があるということです。
○杉戸副主査
この配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の3ページで検討する一番下の表でいくと,活動内容というのがあります。
そこで具体的な個別のクラスで「こういうことをやったらどうですか。」という例が示せます。その中に今,佐藤委員がおっしゃったようなことのレベルの具体性が盛り込めるということにはならないでしょうか。
○西原主査
そうすると,標準的なカリキュラム(案)の本体部分に実践例があり,そこに具体的な,例えば役割演技というものを使ったらこの能力記述を達成するためには活動内容としてこれだというか,もう少し具体的にというふうに考えるということですね。
○杉戸副主査
という構造が意識できるんじゃないかということですね。
○西原主査
分かりました。独立行政法人国際交流基金ももちろん「みんなの教材サイト」で教材をお示しですけれども,用語の問題というのはどう処理してらっしゃるんでしょうか。「ロールプレイ」と言われても,世界中の先生が違うことをイメージしてしまうということもありますよね。
○西澤委員
そこがまだ問題で,全く解決できていない。例えばレアリア(realia)集とかも出してますけれども,本当にそれで共通認識になるかと言うと,非常に問題あるのではないかと思います。ただ,「実物例示」と言っても何のことか分からないという話になると思います。
○西原主査
「レアリア」というのも専門用語,業界用語ですね。イメージされるのは違うでしょう。
○西澤委員
ですので,今杉戸副主査がおっしゃったように,具体的なものとして提示する形を通じてしか中身を理解してもらえないということになるんだろうと思います。使っているうちにだんだん定着していくということですね。
○西原主査
尾﨑委員,井上委員,伊藤委員,いかがですか。ポテンシャル(potential)なユーザー(user)のお立場のお二人と,それから研究者として総合的にお考えいただく尾﨑委員と。
○尾﨑委員
まず,研修会とか実際の場面で日本語教育の背景知識のある方が使う言葉だとやはり「ロールプレイ」になります。「役割演技」という言葉にその都度スイッチするなんていうことは普通できないことです。そうすると,やはり日本語教育についてコミュニケーションするための用語としては「ロールプレイ」というのを使わせていただけると有り難いと思います。また,それを初めて聞く方については学んでいただくしかないかなと思います。で,後ろに括弧が付いていますが,この配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」にあるように「ロールプレイ(役割演技)」という記述でいいのではないかと思います。
介護とか看護の領域でも似たようなことがあるようです。実際に現場で使っている言葉と書かれていることに大きな距離があり,紙で勉強して現場に入ったら,しばらくは覚えなければならないという話も聞きます。その辺りは片仮名での言葉も残していただかないと無理かなと思います。
グロッサリーを付けるというのもいいと思うんですが,もう一つはここに今出てきている配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」を見ると,項目がロールプレイ,活動目的,準備物,活動手順というふうになっています。もう少しロールプレイについて一般的に説明するような項目があれば見た方にとっては分かりやすいと思います。
○西原主査
例えば目的,準備,活動手順のほかに何を入れたらいいでしょうか。
○尾﨑委員
活動内容でどうでしょうか。大まかにロールプレイというのは学習者が何らかの役割を持って演じることなんです。ですから役割演技というのをさらに敷衍ふえんして,先ほど,杉戸副主査がおっしゃった三つのレベルで,原語と日本語と説明というその三つ目の説明のところをもう1項目付けるという形の方がいいと思います。
○西原主査
表の中に入れ込んでいくということでしょうか。
○尾﨑委員
はい,この中に入れるというのは可能性としてあると思います。
○西原主査
これは基本的にはリストなんですよね。リスト化された活動のリストなんですけれども,そのリストの表の中に4項目として入れるということですね。
○尾﨑委員
というのが一つの可能性かなと思いました。
それから,活動手順のところは,佐藤委員がおっしゃったとおりだと思います。これを見ても,日本語教育等の背景をお持ちでない方はピンとこないと思います。
配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の3ページ目「(3)「活用例(実践例)」の様式について(案)」というのは実はこれ情報リソースとして蓄積されていくということですよね。ロールプレイというのは一応こんなもんですよ,典型的にはこんなふうにやるようなもんなんですよ,でもね,具体例というのは…というのでロールプレイならロールプレイを使った実践例というのはどんどん増えていくという形でリソースになるのかなと思います。
○西原主査
そうすると,第1項目目の名称ですけれども,「活動の定義」というように言っていいのでしょうか。
○尾﨑委員
それでもいいでしょう,名前についてはそこまでこだわる必要はないと思います。
○西原主査
何かそういう説明が必要であるということですね。
○尾﨑委員
項目としてそういう説明があればいいかなと思いました。
○西原主査
活動の「説明」という項目があって,活動の「目的」があって,「準備」するものがあって,「手順」があるということですね。それを表にしたらどうかという御提案です。
井上委員,伊藤委員,いかがでしょうか。こういうものを見せられた側としてはどうでしょうか。
○井上委員
私が現場に行って,特に研修生や技能実習生の人たちの研修,実習の現場を見て感じますのは,役割が非常に固定的だということなんです。一方的に情報を与えられる,あるいは「こうしなさい」と言われてそれに従うということなのです。一方日系人などは,もう日本に根ざして生活し,定住していこうという意思を明確に持っていて,彼等は自分たちから情報を発信したり,あるいはリードしたりするということがあります。 
その多様な役割をどの段階でどのレベルまでやるかということが問題になりますが,大目標,中目標ぐらいのところで見れば,リードする側の役割というものを演じなければいけないということはあると思うのです。研修生,技能実習生でも,先に来た滞在期間の長い人たちは来たばかりの人たちに対していろいろな情報を与えたり注意をしたり説明をしたりするということが出てくると思います。いろいろな役割を演じるということを強調した方が,幅広く日本語を覚えることになり,逆の立場に立って物事を考えることもできるようになりますので,そういうかたちにした方がいいと思います。
○西原主査
「説明」という部分ですね。
○井上委員
外国人が一方的に指示を受けるというだけではありません。主体性を持ってコミュニケーションを行う部分というのがあります。ある役割演じながら日本語を覚えてもらう場合に,その役割を演じることを通して主体的にコミュニケーションの可能性を伸ばせることがあるということが役に分かってもらうようにした方がいいと思うのです。
○西原主査
ロールプレイを言語教育の現場の中に入れることによってどんないいことがあるかと言うか,どのような積極的に意味があるかというようなそういう説明もあったらどうかということでしょうか。
○井上委員
そうですね。あとは,配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の「(1)「授業を構成する活動方法の例一覧」の様式について(案)」の下の方に疑似体験,フォトランゲージなどがありますけれども,これもすべて同じだと思います。恐らく1年間いても1回あるかないかかもしれないような疑似体験だったり,絶対に見ないかもしれないような現場を写真で見て,それをベースにして話すという活動をしていくというものの意味をもう少ししっかりと説明しないといけないかなと思います。ですから,この目的のところをもう少し厚く書いた方がいいですね。
○西原主査
目的,説明の部分ですね。この目的,説明の部分を読むのは学習者自身よりはその現場にかかわる支援者たちということになると思うのですが,その人たちにとってもこの活動の意味というのがもう少し総合的に分かるような形で説明があった方がいいんじゃないかという御意見でしょうか。
○伊藤委員
活動方法の事例一覧が,配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」に挙げてあるんですが,こういうのはもう片仮名言葉のものが挙がってくるということなんですか。
○西原主査
いえ,片仮名言葉が非常に多いのはなぜかと言うと,日本語教育という業界が展開してくる過程で,「外国語としての○○語」(特に英語)の先行事例をそのまま取り入れてしまったわけです。欧米の移民受入れ先進国の言語教育研究の中で使われていたような言葉がそのまま入ってきて,それが業界用語になってしまったということがあります。だから,「フォトランゲージ」と言われれば,日本語教育をやってる人間であれば「ああ。」と思えるということです。
○伊藤委員
例えば「フォトランゲージ」というのは例えば子供たちだったらカードを見せたり,いろいろやるんですけれども,そういうのも入っているんですか。
○西原主査
写真ですね,基本的には。
○伊藤委員
主に写真ですか。
○西原主査
私は日本人同士でやった活動に参加したんですけれども,写真は情報量がとても多いですよね。そうすると,「あっ」と思ったときに見るものって,「ええっ,こんなに違うのか」と思うほど違ってきます。常識的な市民とみんな思っている我々が何でこんな違ったものに目がいくのかという面白さがあります。
○伊藤委員
もう一つ気になったのは,このリソースとして挙げた活動方法の例と,それから活用例が,なぜ分かれているのかなということです。要はやり方を説明して,それから活動内容を説明していくんじゃないのかなと思ったのですが…。
○西原主査
参考資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)の構成について)」では「(2)カリキュラム(案)本体部分」に「標準的なカリキュラム(案)」があり,その[2]として「活用例(実践例)」があります。それは実際の支援場面と言うか実際のクラスがどうなるかということなんです。その実際の支援場面のところにこの配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の1ページ目,2ページ目で作るものがリストとして別に用意されます。だから情報リソース(資源)という言い方になっています。これは,リストができていきます。ですから,この配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」で掲載されていることについては3ページ目に収束していきます。
○伊藤委員
使う側として,まず言葉をどうやって教えるかというのを,最初に見た方がいいんじゃないかなと思います。どういうやり方でやったらこの言葉が理解されるか,授業の展開がうまく行くかというのが先にくるんじゃないかなと思ったものですから。
○西原主査
参考資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)の構成について」の(2)の[2]の部分「活用例(実践例)」は前半に来ます。でも,そこで出てきた項目の詳細については,(4)の[1]「授業を構成する活動方法の例一覧」や(4)の[3]「教室活動を行う際の参考資料リスト」にあるということになります。今展開しているのは,(2)の[2]「活用例(実践例)」というのが一番現場にとって近いものになるのですが,それを作る前にこの使うべきもの,または参考すべき資料のリストを作ってみましょうということで,この配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の1枚目と2枚目が今検討されています。
○伊藤委員
ということになると,その活動方法というのはこれはロールプレイから始まって数を増やして,どれぐらい挙げるかというのは…。
○西原主査
無限ではありませんけれども,こういうようなものが使えますよというように,言語教育を考えるときにこんな活動が,道具として用意されているんですよというものをリストにしているということです。
○伊藤委員
見る側にとっては,まず何を見て,どういうふうにやろうかと考えて,標準的なカリキュラム(案)に入るわけです。
○西原主査
実際は一番手っ取り早くしようと思えば,参考資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)の構成について」の(2)カリキュラム(案)本体部分の[2]「活用例(実践例)」というのを見て,「さあ,やっつけちゃおう」と思うのが一番手っ取り早い方法です。しかし,それを理論武装するというような形で情報リソース部分というのが用意されています。だから,行き詰ってしまったけれども,「これ何だっけ。」と思うときには(4)情報リソース(資源)部分の[1]「授業を構成する活動方法の例一覧」,[2]「人材」,[3]「教室活動を行う際の参考資料リスト」を見るということになるのではないかと思います。
ですから,(2)「カリキュラム(案)本体部分」の[2]「活用例(実践例)」にすべてが集約されていくだろうということです。
○岩見委員
今,伊藤委員の意見を伺っていて,必要なことがもう一つあるんじゃないかと思いました。参考資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)の構成について」で「(2)標準的なカリキュラム本体部分」がありますが,それをどう活用していくか,この標準的なカリキュラム(案)の活動目的など,それを全般的に書くところがどこかで必要だと思います,(1)説明部分でこの標準的なカリキュラム(案)はどういうことを目標としているのかということは入ってくるとは思うんですけれども。と言うのは,前期から学習者参加型とか多文化共生のための活動をするということで標準的なカリキュラム(案)の作成を進めてきていますが,この(2)カリキュラム(案)本体部分の[2]活用例(実践例)というのは(4)情報リソース(資源)部分の[1]授業を構成する活動方法の例一覧の活動方法で挙げた活動例を利用した一つの実践例なんですが,それは一部なんですよね。そして,(4)情報リソース(資源)部分の方でそれぞれの活動については目的とかロールプレイの活動目的とか活動の説明とかはありますけれども,この全体のカリキュラムを目標に沿って運用していく活動の方向性と言うのか,それがどこかに書けていないと…。
○西原主査
それが私の解釈では,参考資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)の構成について」の「(1)説明部分」「[2]標準的なカリキュラム(案)の使い方について」です。
○岩見委員
この辺にそれをもってくるのですね。
○西原主査
そこには標準的なカリキュラム(案)の使い方というのが出ていて,今岩見委員のおっしゃったような一番広い範囲の使い方というのが書いてあるんじゃないでしょうか。多文化共生のためにと言うかどうかは全然別にして,そういうことなのではないでしょうか。
それから,井上委員がおっしゃった,来日した外国人,日本語非母語話者が主体的にというような部分は参考資料3「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム(案)の構成について」の(1)説明部分の「[2]標準的なカリキュラム(案)の使い方について」に書かれるべきものなのではないでしょうか。そこが既にあることが想定されて,非常に具体的な(2)カリキュラム(案)本体部分の[2]「活用例(実践例)」ができると私は考えているのですが,いかがなものでございましょうか。
だれが「(1)説明部分」の[2]「標準的なカリキュラム(案)の使い方について」を書くのかということが,具体的には,だれの肩にこれが掛かるのかというような難しいことであります。でも,これはその順序でできていくというよりは,双方向でやりとりをしながら,これは「(1)説明部分」の[2]「標準的なカリキュラム(案)の使い方について」に行くのでしょうか,今,岩見委員がおっしゃったとおりのことで,活動例を書きながら,これは前もって説明がてほしいというようなところで仕分けされていく作業の結果がこの4部立てになるということなのでございましょう。
では,今のところで,配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の1枚目についてまとめさせていただくと,「(1)「授業を構成する活動方法の例一覧」の様式について(案)」の表の中に項目を一つ増やして説明部分を付ける。活動目的の前か後ろに説明があって,目的があり,準備物があって活動手順があるということです。その活動手順というのは,佐藤委員がおっしゃったような現場の使う人の顔を見ながら,かなり具体的に使いやすいような説明にするということです。杉戸副主査がおっしゃったのは,そういう表が個別にリストとして出ていくほかに,より説明的な部分を集めたような形で,こういう名称の活動にはこういう説明がありますというようなことをこの表の中から拾って,グロッサリーという部分にも集約するということでよろしいでしょうか。それ以外の御意見をどうぞ。
○中野委員
少し確認なのですが,配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の「(3)「活用例(実践例)」の様式について(案)」の四角の中の右側に「情報リソース」というのがあって今「活動方法」というふうに入っていますよね。ここは例えばですけれども,入るのは「ロールプレイ」,それだけですよね。記述文ではなく,「ロールプレイ」とか「ゲーム」とか「インタビュー」とか一言ですよね。今「活動方法」と書いてあるところには,最終的に「ロールプレイ」というように書くのでしょうか。
○杉戸副主査
一番下に例が載ってます,このページの一番下。
○西原主査
この一番下のところにロールプレイ(役割演技)何とかページ参照というように書いてあります。
○中野委員
一言ですよね。そうなると,私が今,少し分からないのは,ここに今活動内容というふうに書いてありますが,これが正に活動例だと思うんですね。活動例は内容と方法の両方から成り立っていると思うんですよ。ですから,内容と方法が分かれるのではなくて,活動例は内容と方法の両方を含みます。ですから,右側のリソースはある意味でその活動例を一般的な名称で言うインディケーター(indicator)みたいなものなので,それは内容ではなくて活動例かなと思いました。
それから,ロールプレイを説明する,いわゆるリソースとしてですけれども,それは一般的にロールプレイとは何かと記述するわけですよね。
○西原主査
今おっしゃったのは,そのことによって,どういういいことがあるかということ,少し平たい言い方ですけれども,それが活用される理由,言語教育の中でそれが使われる理由というような積極的なものを説明にしていくということだと思います。
○中野委員
あえてもう一つグロッサリーが必要あるのかなと少し思いました。要するにロールプレイとは何かというのが順次説明されていくので,そこがある種グロッサリーのようなものを兼ねています。
○西原主査
そうですね,多分索引というようなつもりでグロッサリーとおっしゃったんじゃないかと思います。
○中野委員
それで,井上委員がさっきおっしゃったことで,例えばこのロールプレイを,例えば中国でやりますと,全部覚えて,いわゆるスキット(skit)の状態ですね。セリフを全部覚えてそれでロールプレイをしたかのようになるというのはよくあることです。ロールプレイの一番大事なところは,お互いに何を言うか分からないようにしないと,本当に使えるようにならないわけですね。でも,多くの場合,もうセリフを暗記してロールプレイしたことになるわけですよ。ですから,なぜこのロールプレイを何を意図してこういうことをしようとしているのかというのがすごく大事だなと思います。さっきおっしゃったこととつながると思います。
○西原主査
それと,そこに人材とありますけれども,これまでに見た例として,プロの人がやって来てロールの一部をやってくれます。そうすると,その人にとっては職業的に一番典型的なことを繰り出してくるので,教室で覚えたことばは役に立たないことが多いわけですよね。実践例の中に,「人的リソースを活用する」と出てくれば,それで一つは解決できることですね。
○中野委員
逆に,ここの配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の「(1)「授業を構成する活動方法の例一覧」の様式について(案)」でいろいろなロールプレイとか説明したときに,これを最も見事にやっている実践例はどこか今度活動例の中にあるわけですね。それを幾つか書いておいてあげれば,実際にどういうふうに…。
○西原主査
反対に,そうすると,相互参照できるように,このロールプレイ(役割演技)の活動手順の後に,この実際にロールプレイを行っている活用例を参照すると書いておく。
○中野委員
非常に代表的な活動例。もう中身がちゃんと見えています,それがあれば,それとこの一般的な説明と実際の活動例が…。
○西原主査
そうすると,その能力記述に基づいた実際の教室の中にこれが見えますよと書いておいてあげるということですね。グロッサリーとまた少し違う意味の相互参照ということですね。
○中野委員
はい,幾つかでいいと思います。
○西原主査
用語についてこれでいいのかというようなことは,後でお聞きしようと思っておりました。
○杉戸副主査
今の中野委員の最後の御意見と重なるものも含みます。この配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の1ページのロールプレイの例で示されている表の項目を増やすという提案なんです。先ほど尾﨑委員が一つ増やされましたけれども,それに並んで,その方法の持つ長所とかあるいは適用するタイミング,どんな学習者がこの方法を適用するといいとされているか。あるいはこの,例えばロールプレイという活動でやってはいけない注意点,それから最後に中野委員がおっしゃった,この資料の中の活用例の中でどれで具体例を示しているかというそのインデックス(index)と言うか,それをこの最後のリソースの部分に盛り込むということはどうかなと思いました。
○西原主査
ヌナン氏(D. Nunan)を引用させていただくと,世の中では応用問題としてロールプレイをやる,つまり全部覚えた後で,仕上げとして役割演技をやりましょうということになるのですが,タスク(task)というのはそういうふうに展開すべきものではなくて,さっきおっしゃったように,「おやおや,こういうことを知らないと大変だぞ。」という最初のショックを与えるためにも使えるわけですよね。で,タスクというのは決して応用例ではなく,最初からタスク中心で行くことができるということを現場で徹底しなければならぬとヌナン氏はあちこちで書いてらっしゃいます。どこでやっちゃいけないかというよりは,どこでどう活用するかという話です。
○佐藤委員
すみません,何か自分たちがやった経験から言うと,余りにもここが長くなりすぎるとだれも見なくなるんですね。
これを見て,もう一回自分の現実,実践に即してやろうなんて人はいなくなる。だから,ここをどういうふうにして現実的,シンプルに例えばイメージできるようにするかという議論の方が大事かなと思います。つまり,概念とか言葉でまとめても,多分学校の先生ですら見ないんですね。今のような議論を伺ってるともっともなんですが,多分見ないんじゃないかという危惧を感じます。
○岩見委員
だから,おそらく実践例の方にマニュアル的な,してはいけないとかそういうことも何かコメントが付くと,そっちの方が分かりやすいんじゃないかなというふうに思います。
○佐藤委員
2番目にかかわるのかもしれませんが,配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」にあるように,こういうロールプレイの実践例を集積していって,リソースにしていくという手の方が非常に分かりやすいと思うんですね。
○西原主査
そうですね,双方向ですよね。
○佐藤委員
そうですね。だから,逆に言うと余りここは概念の,何か言葉でやってしまうとそうやってはいけないと言われても,どういう場面でやってはいけないのかとかいうことが非常に分かりにくいんじゃないかと思うんですね。
○西原主査
例えば中野委員がおっしゃったように,具体的に活用した例が「どこにあるよ」と言っておけばいいということなのかもしれないですね。「どこにあるよ。」という部分を見ていくと,してはいけないことが書いてあるとか,そういう話でしょうかね。
それでは,時間の関係もございますので,配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の「(2)「教室活動を行う際の参考資料リスト」の様式について(案)」に移ります。参考資料リストというのは実は御意見というよりは,広い情報提供があっていいのかなと思います。まず,取り上げるのは3タイプというのでよろしいでしょうか。一つは生活情報のリスト,もう一つが日本語学習教材のリスト,もう一つが日本語学習サイトのリストということで例示していただいています。
「1 生活情報のリスト」及び「2 日本語学習教材のリスト」についてはダウンロードできる情報があり,これはダウンロードだけではなく,実際にペーパーメディア,紙媒体でしかないようなものもここに入ってくると思います。サイト(site)の方は,これはインターネットでなくてはいけないので,これはURL(uniform resource locator)が出てくるという話になると思います。
このほかの項目というのは必要でしょうか。
○中野委員
非常に小さなことかもしれないのですが,この情報を自分で検索していくときに,使用言語なんですけれども,例えば情報が何語でという,これは何か外に出した方が,使用言語という項目があった方がすっと見られるかなと思いました。例えば中国語で出ている情報はどれかなど。
○西原主査
そうすると,内容のところにもう一つ項目を設けて,言語という項目を設けるということですね。
○中野委員
言語の名称はすぐに分かるように省略してもいいと思います。使用言語が貴重な情報なのかなと思います。
○西原主査
分かりました。そうすると,これを名称の後ろにもう一つ項目を増やして,言語というのを独立させてはどうかという御意見ですね。皆様方,いかがでしょうか。
○井上委員
ネット上のポータルサイトのやり方は,上の方に言語が並んでいて,英語とか,中国とかハングルとか書いてあって,そこをクリック(click)するとそこに対応するものだけがリストとして出てくるという作り方になっています。日本語は全部入っているんですけれども,英語なら英語,スペイン語ならスペイン語,ポルトガル語ならポルトガル語という形で,その出てくるリストが変わるというやり方もあります。
○西原主査
はい,それはよく分かりました。ただ,このカリキュラム(案)として,今考えているのは紙媒体として,審議経過報告として出ていくのが最初ですね。
○山下日本語教育専門職
現状としては,とりあえず紙媒体でと考えております。
○西原主査
紙媒体が先行するので,その場合はクリックできないということになります。
○井上委員
どこに連絡すべきかというところだけでも,中国語やポルトガル語で書いてあれば,それなりのことはできると思います。とりあえず,そこのところは各言語でやらないと,連絡するにしてもメールするにしてもどうしようもないですよね。
○西原主査
分かりました。そうすると,言語というところをどうしたらいいんでしょうか。中国語という表記があり,ポルトガル語にポルトガル語の表記がありというような形でしょうか。
○井上委員
「押すとリストとしてポルトガル語で出てくる,ダウンロードが可能であれば,そこに色が付いている。スペイン語がない場合,そのリストにはない」という形でしょうか。
○西原主査
はい。では,工夫することにして,この2ページ目については何らかの形の言語情報を考えるということでよろしいでしょうか。
○杉戸副主査
少し事情が分からないのですが。ここに三つ,生活情報とか教材,学習サイトなどありますが,それ以外の固まりとして支援する側にとって直接役に立つような情報が載っている,そういう固まりを案内するということは必要ないでしょうか。例えば,指導法の説明リストとかそういうものがここを見ると分かるとか,あるいはどういう学習者にはどういう授業をやっているという一覧リストがどこかで分かるとかというような話です。先ほど来の情報リソースの活動方法の例一覧というのは日本語教育指導法の参考書を見れば分かるでしょうというようなそういう情報だと言ってしまえばいいということですね。
○西原主査
そうですね。実際には例えばこの社団法人国際日本語普及協会の[2]の「リソース型生活日本語」ですけれども,これは教師用ですよね。
○岩見委員
本来教師用,支援者用に作られたものです。今,目次だけ10か国語で生活項目一覧がありますが,そこは学習者に選んでいただくという発想です。本来は支援者用です。
○西原主査
今の杉戸副主査の御説明に答えるとして,つまり,さらに支援者のための参考になるリストを付けたらどうかという御指摘について,国際日本語普及協会のものはその部分も既に含めた形で教材と言っているのですよね。
そうすると,この日本語学習教材というここのところの定義と言うかここに何が入っているかということの予想と言うか,そういうものをどうやって付けるかですけれども。何か御意見はありますか。
○尾﨑委員
今の杉戸委副主査のお話ですが,『日本語これだけ』という教材を開発しているのですが,実際に教室で活動していてビデオに撮って,「こういうのってよくないよね。」とか「これいいじゃない。」というようなテロップが入って,短いビデオを作って,それも教科書とパッケージにしてとかサイトに載せるという話をしています。それからあと,『日本語宝船』も「リソースが別にありますよ」というような形になっています。ある教材が作られたときに,教師用マニュアルと一般的に呼ばれているようなものが付いているものと付いていないものとあります。
それから,もう一つ,杉戸副主査がおっしゃったのは,全くそれとは別に,地域で活動していく上でこういうことに気を付けたらどうですかとか,初歩の文法をどうしても教えなきゃいけないようなときに,こういうものを読んだらどうですかというような地域向けに作られたものが幾つかは出てきているようだから,それを別カテゴリーにしたらというお話だと思ったのですが。
○西原主査
そうですね。または,この内容というところにもう一つやはり項目を設けて,マニュアル有無とかマニュアル有り,無しとか,それからこのメディア何々とかそういうものをこの内容のところに加えていくことに…。
○尾﨑委員
言語もそこに入るかもしれませんね。
○西原主査
言語も入るかもしれませんよね。というようなことで一つは解決できるかなと思います。
というのは,教材と言うときに,セットで教師用マニュアルを作ってしまうところと,汎用教科書なんかはそれが後から出てくるというかそれが永久にできないというか,そういうものとがあるような気がします。
○井上委員
先ほどとりあえず紙媒体でということだったんですが,紙媒体と言っても文書作成ソフトやPDF形式のソフトでも,この「http://」以下,ホームページアドレスを付けると,全部クリックできるようにできます。そうすると,当然文化庁のサイトに飛べるし,それからそのサイトに飛べてしまうわけですよね。ですから,紙媒体だからと言ってその紙媒体のまま紙で渡すというだけじゃなくて,やはり何らかの形で文化庁のサイトり,あるいはどこかのポータルサイトに載せるということは必要なのではないでしょうか。最近の外国人は方結構パソコン使っているので,アクセスされると思います。
○西原主査
無料ですからね。無料と言うか,地域のローカルだけでいいですからね。
○井上委員
そうなんです。ラン(LAN:Local Area Network)の部分はみんな大学が提供したり研修技能実習生の組合が提供したりしていて,無料なんです。ですから,彼らにとってはそういうポータルサイト(portal site)があること,あるいはそれを検索できるようなサイトがあるということはとても重要なことなので,最初から紙でしか渡せないということではなくて,どこかホームページ上に載せていただけるとよいと思います。
○西原主査
これは最後にそういうような御質問も出るかなと思いつつ置いたことなんですけれども。紙媒体で出ると同時にホームページにもアップされるという御想定ですよね。
○井上委員
そうですよね。そのときにクリックをしてちゃんと飛べるような形にしておいていただければと思っています。
○西原主査
そういう御提案と聞いてよろしいでしょうか。
では,項目としてはこの三つで,中の内容というところの下位項目が増えていくという形で対応ということでよろしいでしょうか。
○山田委員
やはり少し気になるのですが,杉戸副主査が言われたことかどうか分からないのですが,例えば教材の作り方でこういうのがありますとか,それは日本語学習教材に入るんじゃなくて,例えばその指導者という言い方が正しいかどうか分かりませんが,指導者用情報コーナーみたいなのがあって,例えば前橋市というところでは地域の外国人と,それからボランティアが一緒になってこういう方法で教材を作りましたとか。そのときにこういう意見が出て,それが役に立ちましたみたいなそういう情報があるといいのではないかと思いました。一覧表というのはどちらかと言うと無味乾燥的になるかもしれないし,汎用性がある代わりに個別性が失われるかもしれないです。現場ではこんな工夫もしているので,ここでやっていることがそのまま使えばいいじゃなくて,いろいろなところにネットワークを張りながら情報を収集したら役に立ちますよという参考資料リストなので,例えば何々市のこういうサイトに入ってみたら,こういうコーナーにこれがありますみたいなものもあってもいいんじゃないでしょうか。
○西原主査
ただ,それを含めて支援者向けの参考資料としてこれ日本語学習教材と言ってるんだと思うので,最初からこれを幾つかに分けてしまうというよりは,この2番が膨らんでしまったら枝分かれしていくという精神で今は情報を集めるんじゃないでしょうか。と言うのは,学習サイトというのはサイトでなければいけないし,入りません。生活情報というのは,そういうことでなければ入りませんけれども,その他諸々はまず全部2の学習教材に取りあえず入れてしまうのではないですかね。
○山田委員
そうすると,「教材」というネーミングが少し引っかかるような気がするんですね。教材というと材料がそこにあって,その材料は具体的に使える形で存在しているような印象を受けます。
○西原主査
だから,それは教材というのを目にしたときに,耳にしたときに何とイメージするかというのが人によって違うという話ですよね。
○山田委員
情報にもう一回情報を付けるのは変かもしれないけれども,日本語学習情報というようになれば内容がより分かりやすいと思うんですけれども。
○西原主査
はい,では,この用語を考えて内容を豊かにし,今,山田委員がおっしゃったようなこともこの中に入れるということでよろしいでしょうか。
○山田委員
そういうことが一番望ましいのかなと思います。
○西原主査
情報の収集というのはなかなか難しいのですが,とにかくここにはいろいろなものが候補として上がってくることには違いないし,委員の皆さんにはそういう情報を是非この中に入れていただきたいわけです。それを整理するというのはもう一段階先のことかなと思います。
最後に今度は「実践例」のところを見ていただきます。配布資料4「情報リソース(資源)部分等の様式について」の最後のページです。これがこういう形であっていいかどうかというのは,先ほど中野委員や佐藤委員も御意見を下さったところです。
○杉戸副主査
これはどれぐらいの量を考えていたのでしょうか。つまり,「生活上の行為」の小項目単位にすべて付けるということでしょうか。
○西原主査
いいえ,違います。幾つになるかということよりも,どういうものが要望が多いだろうかということにあらかじめ答えるという形で作られるであろうということでした。その点も今期の日本語教育小委員会ワーキンググループの中で具体的に話し合わなくてはいけないことかなと思います。
とりあえずは第9期日本語教育小委員会の終わりに行われた話し合いを思い出してみると,要望が多いであろうと思われることについて,実践例を付けるということしか決まってないように思います。
たくさんあればあるほどいいけれども,佐藤委員のさっきのお話じゃないけれども,200ページもできてしまうとそれだけでもう本棚に行ってしまうだろうということですね。
○尾﨑委員
量が多くても,探しているものが明確であれば,そして,その分厚いものの中にあるという予測が非常に高ければ探すんじゃないかと思います。そうすると,このカリキュラム(案)がドンと出てきて,たまたまどこかのグループの方たちが,じゃあ,「病院で隣の人に容態を伝えて伝言を求める」というのを今度やってみようか,どうやるんだろうねと言ったときに,この本の中の目次か索引を見たら,「ああ,あるじゃない」と。そこを開けたら,例えばこういう手順でこんなことをやってこんなことをやった,それやってみたらここでトラブルがあったとか,何かそういうのがあるということが分かっていれば,見てもらえるかなということですね。何があるのかが漠然としていると探す気にもならないです。開けて1回読んでみて,「これは…」と言ったらもう二度と開けないというのは分かるんですよね。
だから,そういうものというのは,多分蓄積をしていくようなものなので,今回は一つでも二つでもいいので,この標準的なカリキュラム案にあるここの学習項目を取り上げてみて,こういう実践例ですからやったというか,やるんですかね。それはやったとして書いて,そうすると多分本当にやった人が書くんだったらこういうふうにやってみようというアイデアがあって,「実際にやったらこの部分がこんなに時間が掛かってここできなかったんだけれども…」とか,何かそういうことが記録としてあるともう少しイメージが出るんですよね。
○西原主査
私が一番最初に思っていたのは,教員用赤本,教科書のところに矢印があって,ここはここを突っつく,ここで冗談を言うまで書いてあるという話もあるんですが,そういうものもあるかなと思います。でも,この実践例というのは取りあえずはとにかくこういう能力記述というものを達成するためには現場でこのようなことをやるんです,それをやってみたら,それを紙に書いてみるとこうなりますという例を挙げていくという話になります。
○加藤委員
すみません,今尾﨑委員がおっしゃったことについて,こういうことだろうかなと思うのは,まず一つは作る段階で,頭だけで作るのではなくて,実践の現場でしてみて,まず1枚目を作る。もう一つやはり,実際出来たものが次に使用されてどうだったかというのが本当に100人いれば100通りの変化があるわけですね。それが何かに蓄積できればいいと思っています。一番いいのは,前からいつも申し上げているように,文化庁の中のサイトに直接それをみんなで書き込めるというのが一番いいんですが,紙媒体であっても,紙媒体と連動する形で別のサイトでもいいですから,実際に教室活動を行ってみたらどうだったかというようなものを,実際に実践した人たちが書いていけるものが同時にできるといいなと思います。
○西原主査
社団法人国際日本語普及協会も財団法人国際文化フォーラムも独立行政法人国際交流基金も実はそういうサイトを持ってらっしゃるんですよね。それで教員たちのネットワークが広がっていくというか,教える人たちが意見交換できるような仕掛けになってますよね。独立行政法人国際交流基金の「みんなの教材サイト」は正にそうですね。
○中野委員
先生方はお忙しくて,自分のやったことを几帳面に入れていただくというのは現実としてはすごく難しいんです。もちろん私も同じ理想だと思いますが,なかなか難しい面もあります。私は逆に,既にもう各地,十何地域で既にこのような実践がたくさん行われているわけですよね。浜松のカリキュラムとか活動例がたくさんそこに宝物のようにあるわけですよね。だから,逆にそういうものを集める。つまり,1からここで全部作るのは大変ですし,今回目標と言うか指標化したので少し再編成が必要かもしれないけれども,結構この指標に向っているカリキュラムや活動は現実には日本全国いろいろなところにあるんだろうと思うんですね。そういうものを少し吸収できると,最初のサンプリングとしていいのかなとちょっと思いました。
要は言いたいのは,自然発生的に先生方は実践例を入れてくださらないので,やはりこっちからある程度お願いするしかないと言うか,そういうことであれば今までも集まりましたということです。
○尾﨑委員
それとの関連で行けば,多分来年度も文化庁が幾つか事業を組まれてらっしゃるから,その予算の一部というのはそういう趣旨で初めから実験的に一緒にやってくださるところというのでデータをもらう前提というのはいいですよね。
○西原主査
パイロットスタディ(pilot study)ですね。
○尾﨑委員
もう考えてらっしゃると思いますけれども。
○西原主査
それで,実際にはそういうようなことをいろいろ含んで,項目としては列が二つしかない表がここに書いてあります。事業展開の例として活動内容と情報リソースという表になっているんですけれども,これでお作りになれますか。
○加藤委員
恐らく使う中で活動内容の中でまた細分化した書き方をしていくのだろうなと思います。
○岩見委員
考えるのはこれからですけれども,いろいろお話を伺っていて思ったのですが,要するに本物の会話と言うか本人にとって使える言葉,力を付けていくというところが大切で,実際に体験させていく部分とか,ある意味では事前に用意をしすぎないということも必要じゃないかと思います。結果的に実際に日本語を使ってみて報告をさせるということですね。いかにお仕着せのものをただ覚えるだけでやるということを避ける,何かその方法を盛り込むために知恵を働かせなければいけないのかなと思います。
○西原主査
と言うと,今は余り具体的にこの表が余り細分化されていない方がいいということでしょうか。
○岩見委員
そうですね,項目によってそれぞれ少し違ってくるかもしれませんよね。
○加藤委員
危惧きぐするところがあります。すべてのものをそろえて,「はい,これでしてください」ではないと思っています。本当にこれからもっと増えていくわけで,そこで学習者も自力でしていかなければならないし,教えると言うか指導する立場の人も,全部を1から10までこのようにしなさいと言って授業をするのではなくて,ヒントをもらえば自らできるような人たちを育てていくという趣旨だと思うので,活用例でどこまで何を書くかということ,どういうスタンスで書いていくかというところは考える必要があると思います。
○西原主査
今お二方の御意見を聞いていますが,日本語教育小委員会ワーキンググループ及び委員のだれがいつこれに指名されないとは限らないので,そういう面で行くと,余りここの表を最初からきちんと活動内容にこれを入れなさいとやらない方がよろしいということですね。
それは,書いていった中で,実践例が一つ,二つ,三つから四つぐらいまで挙がったところで,比べてみて,突き合わせてみて,こういう書きぶりがいいかなということを検討することになるのでしょうか。それは能力記述によっても違いますね。すべてのものが同じ書きぶりで同じパターンになるはずはないですよね。
では,これでやってみるということでよろしいでしょうか。
○杉戸副主査
しかし,それでも,例えばですね,どういう学習者であったか,あるいはどういう段階であったかはできるだけ書こうというのはいかがでしょうか。
○岩見委員
第二段階ですね。
○杉戸副主査
それをこの表の列として準備しておくというのは硬すぎるでしょうか。
○西原主査
 いや,それが出来てくるというふうにお考えになってらっしゃるんじゃないですか。
○岩見委員
作る過程で出来てくるということですね。
○西原主査
実はもう一つ御検討いただきたいものがございまして,それは配布資料5「国語分科会日本語教育小委員会においける審議について 目次立て(案)」です。こちらの方はもっと抽象的なのですが,いかがでしょうか。
まずは,この日本語教育小委員会の審議経過報告というものが出ていくということになり,その一部分として「標準的なカリキュラム(案)」というのが報告される,そういう目次立てになっております。そういう流れの中では,今日御検討いただいた情報リソースの部分,それから事例の整理の部分などが別紙として入っていくと言うか,添付される形を考えているという事務局からの御提案です。
目次を見ても何とも言い難いのかもしれないですけれども,この中で何か御修正提案等がありますでしょうか。これはこうあった方がいいのではないか等の御意見をお願いいたします。世の中の審議経過報告というのを見慣れていらっしゃる方にとっては余り抵抗のない形であるかと思います。
○杉戸副主査
念のため確認ですけれども。標準的なカリキュラム(案)ができたあかつきには,ここでいう別紙の基礎的資料と情報リソース部分が後ろに資料として付くわけですよね。
○山下日本語教育専門職
そのように考えております。別紙というのはあくまで巻末,一番最後に付けるという意味でここでは書かせていただいております。第8期日本語教育小委員会の報告におきましても,標準的な内容等の表については「別紙」という位置付けではありましたが,別紙部分を含めてセットで報告として出ていたかと思います。
○尾﨑委員
これはいつまでに取りまとめるのかという,スケジューリングのことを伺いたいのですが。
○西原主査
恐れ入ります,配布資料6「日本語教育小委員会の検討スケジュール(案)」を御覧ください。
○尾﨑委員
提出は5月中旬ということですか。いや,事例をこれからいろいろお書きになるとか,細かなお仕事をすると随分これは中身が濃いので,日程が厳しいんだろうなと思って伺っていたのですが…。
○西原主査
スケジュールについてはこの配布資料6「日本語教育小委員会の検討スケジュール(案)」のようになっています。
○尾﨑委員
 はい,拝見しました。実践例については,配布資料5「国語分科会日本語教育小委員会における審議について 目次立て(案)」で10ページ程度というふうに書かれている部分になるんですよね。活用例(実践例)の様式について10ページ程度だったら大丈夫ですね。見せていただくの楽しみにしています。
○西原主査
それから配布資料5「国語分科会日本語教育小委員会における審議について 目次立て(案)」ですけれども,今の段階ではこれでやってみたらどうでしょうかという感じでしょうか。格別の訂正,御意見,強い御意見は今のところ,出しようにも出せないというようなことでしょうか。では,これで始めてみるというようなことにさせていただくということでよろしいでしょうか。
では,ほぼ時間になりましたので,今日の第25回日本語教育委員会をこれで閉会としたいと思います。お忙しいところありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
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