平成27年度 危機的な状況にある言語・方言サミット(沖縄大会)

開催日時

平成27年9月18日(金)13:30~18:00

開催場所

沖縄県立博物館・美術館 講堂
(沖縄県那覇市おもろまち3-1-1)

参加者数

約110名

内容

1 開会式(主催者挨拶)

  • ・岸本織江(文化庁文化部国語課長)
  • ・前田光幸(沖縄県文化観光スポーツ部長)
  • ・大城肇(国立大学法人琉球大学長)

2 基調講演「島に根ざす」(うちなー噺家 藤木勇人)

しまくとぅばを使うことに関する体験を踏まえ,しまくとぅばをはじめとした地域の言葉を残していくことの意味について講演。

3 危機的な状況にある言語・方言による語り

八丈方言及びアイヌ語による語りの披露。

・八丈方言(語り手 川上絢子・吉森豊美)
「べニジャラとカケジャラ」
・アイヌ語(語り手 山本りえ)
「シロカニ ペ ランラン ピシカン」

4 危機的な状況におる言語・方言の聞き比べ

ロシア民話「おおきなかぶ」の冒頭と最後の場面ついて,アイヌ語,八丈方言,奄美方言,国頭方言,沖縄方言,宮古方言,八重山方言,与那国方言に翻訳を依頼し,それぞれの翻訳文を披露し,類似点や相違点を実際に感じ,多様性を実感。

  • ・山本りえ(アイヌ語話者)
  • ・川上絢子(八丈方言話者)
  • ・保宜夫(奄美方言話者)
  • ・菊秀史(国頭方言(与論)話者)
  • ・仲間正直(国頭方言(金武)話者)
  • ・玉城弘(沖縄方言話者)
  • ・渡久山春英(宮古方言話者)
  • ・東浜剛(八重山方言話者)
  • ・前外間功(与那国方言話者)
  • ・狩俣繁久(解説・琉球大学)

5 調査研究の結果報告

文化庁委託「危機的な状況にある言語・方言の実態に関する調査研究」及び文化庁委託「危機的な状況にある言語・方言の保存・継承に係る取組等の実態に関する調査研究」の調査研究結果として,ユネスコによる危機度の尺度,アイヌ語,八丈方言,奄美方言,国頭方言,沖縄方言,宮古方言,八重山方言,与那国方言,東日本大震災被災地(岩手県沿岸部)方言の状況について紹介。

  • ・消滅の危機の程度に係る判断基準・根拠について(琉球大学 石原昌英)
  • ・消滅の危機の程度に係るユネスコの尺度と奄美・沖縄県内各方言の状況(琉球大学 石原昌英)
  • ・アイヌ語学習の現状と課題(北海道大学 北原次郎太)
  • ・八丈,被災地等の状況(国立国語研究所 木部暢子)

6 協議

「継承のために求められるものは」というテーマで,何を主眼として教えるのか,高齢者と児童生徒の間が空白世代となっていることへの対策,海外での事例などについて,上記の報告者によって協議。

7 閉会式

・謝辞(岸本織江(文化庁文化部国語課長))

アンケート結果

回収したアンケートを集計した結果,「サミットの内容に満足した」は95%,「危機的な状況にある言語・方言についての理解が深まった」は98%となった。

ページの先頭に移動