事業詳細

「黒耀石のふるさと」創生事業

実行委員会
「黒耀石のふるさと」創生事業実行委員会
中核館
黒耀石展示・体験館

事業目的

本事業の目的は、歴史遺産を活かした地域振興と、その担い手の育成を地方の小さな博物館が地域住民とともに実現し、また、事業推進を持続する体制を構築するため、存在基盤となる地域住民との関係を見直し、歴史遺産の継承と理解を発信していくことにある。

具体的には、地域住民が博物館活動の主体者であるという意識形成を促進・拡大するために、博物館活動を農商工観光の分野で取り組んでいる地域振興事業との関係を有機的に位置付けていくことで、多世代・異業種からなる地域住民の自主性や自発性に基づく博物館との関係づくりを促進し、地域振興において目標を共有できる団体間の人的交流及び組織的な連携を強化することによって地域全体の活性化を共に担うことである。また、「with コロナ」の時代にあっても、持続可能な事業の推進を図るために、令和2年度は日本遺産認定の核となる星糞峠の黒耀石鉱山について昨年度の9月に完了した発掘調査等の新たな調査成果を加えた情報発信と、遺跡をテーマとした地域振興の新たな魅力づくりに向けての実験的な取り組みを行う。

事業概要

本事業は、「黒耀石のふるさと祭り」事業、地域歴史遺産継承人材育成事業から構成される。

「黒耀石のふるさと祭り」事業は、国史跡『星糞峠黒曜石原産地遺跡』を背景とし、これまでの調査研究成果をフィードバックした考古学的な体験プログラムを提供するワークショップを中心とした異業種・多世代交流のイベントである。事業内容のコンセプトは、地域振興を担う人々のネットワーク形成及びその強化を図ることであり、それが本事業の特色でもある。

令和2年度は、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から、実施会場と従来のワークショップ中心の実施方法の見直しを図ることとした。会場は、農産物直売所として今年新たに開館した「マルシェ黒耀」がある道の駅「マルメロの駅ながと」をサテライト会場として実施する。道の駅の整備事業では商業エリア全体を巡る回廊が新設されたが、この回廊において、新たな調査成果を加えた黒耀石鉱山の概要、当事業で行ってきたこれまでの黒耀石のふるさと祭りの様子、史跡星糞峠の黒耀石鉱山において現在建設中の野外展示施設の様子を紹介するタペストリー展示「黒耀ウィーク回廊展示」を行う。また、サテライトの中核となる「マルシェ黒耀」では、ミュージアムグッズとして取り組んできた黒耀石クラフトの制作実演に加え、地元の子ども達や町民のアイディアによる黒耀&縄文フードの試作販売を行い、町の歴史遺産と、地域の食材をはじめとする地域資源とのコラボレーションにより、歴史遺産を活かした新たな商品開発の可能性を探るとともに、この新たな取り組みを契機とした人的交流を広げ、地域ならではの歴史遺産を介した地域振興の手法を共に考える。

地域歴史遺産継承人材育成事業では上記事業を継承していく次世代の担い手を育成するために、当町が有する黒耀石文化に関する基礎的な理解を深めることを目的としたオブシディアン学習を実施する。地元の小中学生だけでなく、高校生以上の学生や地域振興に係る中高年層にむけた学習機会の提供の要望を受け、幅広い世代を対象とした歴史遺産に係わる学習会を行う。今年度は、過去のふるさと祭りでも実施した「縄文の食」の視点を振り返り、地元の小中学生および町民と共に黒耀&縄文フードを考え、実際に試作販売を行って歴史遺産を活かした新たな商品開発という視点からアンケート調査を実施する。また、「食」という今も昔も生活に欠かせないより身近なテーマに取り組むことにより、「生きる力」の根本を体感する機会とする。

実施項目・実施体系

    • (1)地域文化の発信の核となる美術館・歴史博物館
      • ・美術館・歴史博物館の情報発信、相互連携
      • ・地域の存する文化財を活用した地域共働の創造活動や地域の魅力の発掘・発信
    • (2)あらゆる者が参加できるプログラム及び学校教育や地域の文化施設等との連携によるアウトリーチ活動
      • ・小・中・高等学校と連携した地域文化の担い手の育成
    • (3)新たな機能を創造する美術館・歴史博物館
      • ・観光・まちづくり・国際交流・福祉・教育・産業等他分野との連携・融合による活動

事業実績(PDF)

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