事業詳細

歴史文化遺産の社会資源化事業

実行委員会
鈴鹿山麓混成博物館
中核館
多賀町立博物館

事業目的

本事業が対象とする地域(湖東エリア)は、鈴鹿山脈に源を持つ日野川、愛知川、宇曽川、犬上川、芹川そして八風街道を縦糸に、中山道、御代参街道、名神高速道路、グリーンロード(国道307)を横糸に様々な文化を織りなして来た、文化的にまとまりの強い地域である。

本事業は、この地域に所在する公立直営博物館が連携し核となり、ここに文化財を資源として発信し活用する観光協会、観光関係企業が加わり、各々の強みを織り交ぜながら歴史文化遺産を「文化財」として育て、これが地域経済の発展に貢献することを目的とする。

本事業は、湖東エリアとその周辺に所在する多様な歴史文化遺産をテーマを設定して集成し、これについて物語化と資源化を図る。資源化の視点は、地域外からの経済波及をねらった観光資源化を前提とし、発信素材の整備、発信媒体の整備、発信人材の育成、発信モデルの構築をこの事業を活用して実施する。

将来的には、この湖東エリア発のムーブメントを、琵琶湖を中心とした文化的なつながりを持つ県下全域に広げてゆく。

事業概要

湖東エリアに所在する文化遺産群を素材としてテーマを設定し、これに基づき再編し、その価値を顕在化させ、媒体(紙・電子)、博物館等での展示、観光ツアーなどを通じて発信する。本事業は、次の3事業から成る。

事業の柱:磨き・発信する【磨き発信】

  • 歴史文化遺産群の観光の視点からの価値・魅力の顕在化【顕在化】
    • ①発信すべき歴史文化に対してテーマ設定を行い、毎年1テーマを取り上げ発信する。
      全体計画として次の5のテーマを設定
      • ⅰ神と仏の交わり:神仏習合の文化・・・・・・・・・・・・・・・・・2018年度事業
      • ⅱ日本武尊と大蛇の葛藤:湖東平野の水利の変遷・・・・・2019年度連携展示事業
      • ⅲ寺院と城郭:宗教都市としての天台系寺院・・・・・・・・・2019年度媒体制作事業、2020年度連携展示事業
      • ⅳ聖徳太子伝説を追う:湖東の寺院開基の深層・・・・・・・2020年度媒体制作事業、2021年度連携展示事業(予定)
      • ⅴ渡来人と湖東の文化:渡来人による開発・・・・・・・・・・・2021年度媒体制作事業(予定)
      • ・設定テーマを観光資源として発信する媒体の作成【媒体制作】
        設定テーマ「聖徳太子伝説を追う」を観光への動機付け、あるいは観光のガイドとして使える媒体(紙媒体と電子媒体)「鈴鹿山麓の聖徳太子」に編集し発信した。電子媒体に関しては鈴鹿山麓混成博物館HPを通じて発信した。
    • ②設定テーマに基づく連携展の開催【連携展】
      湖東地域の博物館や観光施設を会場に、設定テーマ「寺院と城郭」を共通のテーマとした展示会を企画・開催した。
    • ③設定テーマ「寺院と城郭」に基づく連携フォーラムの開催【連携フォーラム】
      連携展で取り上げたテーマの魅力をわかりやすく発信するため、実行委員会が主催し連携フォーラムを開催した。
    • ④ヘリテージツアーの実施【ヘリテージツアー】
      設定テーマ「寺院と城郭」に関する歴史文化遺産を探訪するヘリテージ観光モデルツアーを企画・開催した。
    • ⑤これまでに取り上げた成果をわかりやすくまとめた紙媒体(リーフレット)を製作した。【鈴鹿シート制作】
  • ヘリテージコンシェルジュの養成 【人材育成】
    設定テーマ「寺院と城郭」を観光資源として定着させるため、この価値と魅力を発信するための人材の育成に取り組んだ。当初はヘリテージコンシェルジュの養成講座を企画していたが、コロナ禍で講座形式の事業実施が困難になったため、自主学習用のガイド養成教材を作成し鈴鹿山麓混成博物館HPを通じて発信した。
  • 歴史文化メニュー・レシピの制作発信【メニュー】
    観光に訪れた方に提供する地域の特性を生かしたメニュー・レシピを制作・発信した(東近江市内の3地区)。

実施項目・実施体系

  • 地域の文化施設等と連携し、テーマごとに歴史文化遺産群の観光の視点から価値・魅力を顕在化させ、情報を発信する。【顕在化】
    • ①設定テーマ「聖徳太子伝説を追う」を観光資源として発信する媒体の発行(紙)。【媒体制作】
      設定テーマ「聖徳太子伝説を追う」を観光資源として発信する媒体の製作(電子)。【媒体制作】
      ・リーフレット「鈴鹿山麓の聖徳太子」の発行と鈴鹿山麓混成博物館HPを通じた電子データの発信。
    • ②設定テーマ「寺院と城郭」に基づく連携展の開催【連携展】
      ・連携展「寺院と城郭」の開催
    • ③設定テーマ「寺院と城郭」に基づく連携フォーラムの開催【連携フォーラム】
      ・連携フォーラム「城の3密」の開催
    • ④設定テーマ「寺院と城郭」に基づくヘリテージ観光モデルツアーの開催【ヘリテージツアー】
      ・ヘリテージツアー①「攻略!山上の要塞」の開催
      ・ヘリテージツアー②「知られざる近江の名城を歩く」の開催
    • ⑤これまでに扱ったテーマの中からトピックを取り上げ、わかりやすくまとめた媒体の製作(紙)【鈴鹿シート制作】
      ・鈴鹿シート①「せめぎあう岩と水湖東流紋岩」の発行
      ・鈴鹿シート②「地球の歴史を秘めた白き岩」の発行
  • 地域の文化施設・観光関係団体と連携し、ヘリテージコンシェルジュを養成する。ガイドを希望される方に鈴鹿山麓混成博物館HPを通じてテキストを提供し、質問等に事務局が対応する。【人材育成】
      • ・歴史文化遺産ガイド育成テキスト「鈴鹿山麓の寺院と城郭」の製作と鈴鹿山麓混成博物館HPを通じた発信。
  • 地域の文化施設・観光関係団体と連携し、設定テーマ「聖徳太子伝説を追う」、「渡来人と湖東の文化」に基づいた歴史文化メニュー・レシピを制作し、発信する。【メニュー】
      • ・創作メニュー①「聖徳太子近江韓流膳」
      • ・創作メニュー②「聖徳太子の里御膳」
      • ・創作メニュー③「近江万葉浪漫の膳」
      • ・リーフレット「風土を味わうVol.2聖徳太子と万葉浪漫」の発行と、鈴鹿山麓混成博物館HPを通じた電子データの発信

事業実績(PDF)

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