感覚をひらく―新たな美術鑑賞プログラム創造推進事業
- 実行委員会
- 新たな美術鑑賞プログラム創造推進事業実行委員会
- 中核館
- 京都国立近代美術館
事業目的
上記の現状を踏まえて、本事業の目的は次の3点とする。
1点目は、障害のある方・作家の参画を呼び掛け「鑑賞ワークショップ」と「ツール」を新規開発することで、誰もが楽しめる美術鑑賞の可能性を模索し、これまで美術館から縁遠かった利用者層へアプローチする。
2点目は、過去事業で構築した「さわる」鑑賞をはじめ、障害のある方とない方が楽しめるユニバーサルな鑑賞プログラムの実践を継続し、機会やノウハウの普及を目指す。
3点目は、引き続き京都国立近代美術館を中核に、盲学校、大学、行政、周辺施設等のネットワークを強化しながら、障害者を含むあらゆる人が文化芸術活動に関わる環境整備に向けた課題整理、具体的な方策を模索する。
事業概要
【障害のある方・作家と協働した鑑賞ワークショップ・ツールの新規開発】
視覚障害者・地域のアーティスト・美術館の三者が連携し、従来型の鑑賞体験とは異なる鑑賞ワークショップやツールを新規に開発する。また、国内ではいまだ発展途上である「さわる鑑賞ツール」についての技術開発と、それを用いた新たなツール開発と普及を行う。さらに、聴覚障害や身体障害のある方の美術館利用のニーズを調査するため、展覧会と連動し「身体」をテーマとしたプログラムを試験的に実施する。
【国内外のネットワーク構築および事例調査】
事業の継続した運営と発展のため、芸術学や美術教育等の専門家との研究ネットワークを構築するほか、同様の事例の調査を行い、本事業の意義や発展的展開を検討する。
【「さわる」等の鑑賞機会の継続的な提供・ノウハウの普及】
自己予算を活用し、本事業で過去に構築した鑑賞プログラムの実施と触察ツールの制作・配布を行う。それにより、障害の有無によらず誰もが参加できる美術鑑賞の認知度を高め、ノウハウの全国的な普及を目指す。また、盲学校における鑑賞教育の充実を目指し、引き続き美術館と盲学校が共同して授業研究に取り組む。
実施項目・実施体系
- 障害のある方と協働した新たな鑑賞プログラムの開発
- (1)ワークショップの開発
- ①陶芸作品の世界を触って知るワークショップ
- ②日本画の素材と技法を学ぶワークショップ
- ③聴覚障害のある方と手話を交えながら行う鑑賞ワークショップ
- (2)さわる鑑賞ツールの開発
- ①検討会議と作品選定
- ②試作品の制作と視覚障害者へのモニター調査
- ③ツールの制作と成果公開のイベント実施
- (3)展覧会と連動した「身体」をテーマとしたプログラムの実施
- (1)ワークショップの開発
- 事業の継続した運営と発展的展開のための基礎研究・調査
- (1)事業運営のための委員会開催
- (2)優れた事例の調査研究
- 本事業で過去に構築した鑑賞プログラムの実施
- (1)「さわる」鑑賞ワークショップ等の継続的な実施
- (2)鑑賞補助ツールとなる「触察シート」の研究と発行
- (3)盲学校との連携による鑑賞教育の充実のための授業