事業詳細

和紙を未来へ繋ぐ事業

実行委員会
和紙を未来へ繋ぐ事業実行委員会
中核館
安部榮四郎記念館

事業目的

・手漉き和紙が地域の伝統文化として伝承できるよう、新たな試みに挑戦する。松江市八雲中央公民館を通して地域住民や、松江市民とプロジェクトを組み三椏・トロロアオイの栽培を始める。また和紙の特長を活かした活用法の開発と提案をする。

そして、松江工業高等専門学校と共働して、和紙を漉く時の人と道具(簀桁)の動きを分析しデータ化する。このデータは後継者育成に活用する。

また技術の記録と共に、文化財においても将来手漉き和紙が必要になる時、必ず復元できるよう正確に記載した和紙製法レシピ本を、永久保存できる手漉き和紙で製作する。

さらに重要な役割として、経年変化を測定するための和紙生産者アンケート実施に向けの準備をする。(2021年実施予定)激減する生産者の定点観測は、前回実施した2016年からの変化を把握し、また当時調査不足であった生産者漏れ、手漉き和紙と機械漉き和紙との違いについて検討する。また、今回初めて全国手漉き和紙用具製作技術保存会も含めて生産者同士の連携を構築する。

事業概要

  • ①地域住民及び松江市内外からの参加者による原料生産に向けたプロジェクトを構成し、三椏とトロロアオイの栽培を始める(栽培は3年から5年必要)。地域活性化、休耕田の活用、森林の保全を含む。和紙の特長を活かした工芸や写真用紙など身近で活用できるワークショップを開催し、同時に参加型体験プログラムにおいて「和紙の全工程―原料準備~処理~紙料造り~紙漉き」を体験する。
  • ②松江工業高等専門学校と共働による和紙生産環境調査と経験豊富な職人(安部信一郎―島根県無形文化財指定・雁皮紙/弟安部紀正)の技術を記録し、そのデータをもとに後継者育成(現時点で1名)の技術指導に活用する。また温度・光など環境も同時に記録する。後世へ伝えるためには、和紙を作るすべてを記録する必要がある。今しかできない住民(高齢者)への聞き取り調査を行い八雲町の歴史等情報を収集、道具の記録、①で行う原料栽培方法や体験プログラムによる和紙抄造工程の記録をまとめてレシピ本として2~3年かけ製作する。
  • ③後継者不足のため激減する和紙生産者の調査は経年変化の測定のため重要な位置付けにある。5年毎に行うのが適当であるため2021年の調査に向けて準備する。正確な情報を得るため、前回不備であった設問や、機械すき和紙について実地調査し、新たな生産者についても把握する。

実施項目・実施体系

  • 和紙を未来へ繋ぐ活動
    • (1)地域と連携した三椏・トロロアオイの栽培と和紙を活かした工芸開発
      • ①用地の実地調査と栽培研修会の開催
      • ②参加者募集
      • ③参加体験プログラムの実施
      • ④体験プログラム成果冊子作製とホームページでの公開
    • (2)出雲民芸紙抄造技術記録と和紙のレシピ製作
      • ①技術のデータ記録開始(熟練職人)
      • ②和紙製法レシピ本内容記録作業開始
      • ③技術記録データ成果報告書作成
      • ④和紙レシピ本内容成果報告作成
    • (3)和紙生産者、用具生産者アンケート調査
      • ①生産者アンケートの検討と決定内容
      • ②全国手漉き和紙用具製作技術保存会について調査し情報収集
      • ③調査及び決定内容の報告作成

事業実績(PDF)

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