「京都・大学ミュージアム連携+」による
「京都の伝統 Tradition of KYOTO」発信プロジェクト
- 実行委員会
- 京都・大学ミュージアム連携運営委員会
- 中核館
- 京都工芸繊維大学美術工芸資料館
事業目的
本事業は、京都・大学ミュージアム連携加盟館のうち複数館が核となり(コア館)、コア館のネットワークを活用して、京都・大学ミュージアム連携の活動をさらに地域(京都)にひろげてゆくための活動をおこなう(「京都・大学ミュージアム連携+」、以下、「連携+」)。それにより、地域に眠っている文化資源を発掘・発見し、ひろく発信することができるようになる。
本事業では、これまでの8年間の活動で理解を深めることのできた大学ミュージアム収蔵資料の価値を地域の歴史に位置づけるとともに、大学ミュージアムが、たとえば大学ミュージアムをもたない大学や研究機関など他の機関と協働することにより、率先して地域の文化資源の開拓者となり、また、展示というかたちでの発信者になることを目的とする。
2019年度に関しては、2019年9月に開催されるICOM京都大会2019の開催時期を含む2019年8月から10月にかけて、通底するテーマを設定して、そのテーマのもとで、コア館が個別の展覧会およびシンポジウム、ワークショップなどを実施して、地域(京都)文化のあらたな発掘と魅力の発見、文化の発信をすることを目的とする。その際には、「連携+」の活動に統一感をだすために、広報資料などの統一をはかる。
事業概要
本事業は、密接に関連する以下のふたつの取組から構成される。
- 取組① 「京都の伝統」発信展覧会ネットワーク
複数のコア館においては、「京都の伝統」を発信するという目的のもとで、京都の伝統工芸、伝統技術を、後継者育成、アーカイブ化、芸術的評価、近代化への対応などさまざまな切り口から発信する展覧会、連続講演会、ワークショップなどを2019年8月から10月にかけて実施する。また、ICOM京都大会2019に合わせて「連携+」を「見える化」するために、共通のポスター、チラシ、リーフレット、幟などを日英二カ国語で作成する。さらに、上記期間中に、伝統文化と近代化の問題を考える京都・大学ミュージアム連携主催のシンポジウム「伝統と近代化」(仮称)を開催する。
実施予定の具体的な展覧会としては、- 嵯峨美術大学「現代京都の名工」(仮称)連携先:嵯峨螺鈿、京提灯、真田紐、黒谷和紙、京象嵌などの工房
- 京都外国語大学「京都の社寺建築と匠の技・心」 連携先:文友会
- 京都工芸繊維大学「京都の図案家-近代京都と染織図案Ⅲ」(仮称)連携先:京都市立芸術大学(加盟館)、京都女子大学、京都美術工芸大学、京都府立京都学・歴彩館
- 京都大学「京都発見!―舟木本洛中洛外図屏風で京都を旅する―」(仮称)連携先:凸版印刷
- 京都市立芸術大学「掛図と標本―美術工芸学校の教材」
- 取組② ICOM京都大会2019における京都文化の発信
ICOM京都大会2019において京都・大学ミュージアム連携のブースを設け、そこにおいて、2011年度から文化庁の助成を受けて進めて来た諸事業の紹介やそれらの事業を通しておこなってきた京都文化発信の成果を示す。
実施項目・実施体系
- 取組① 「京都の伝統」発信展覧会ネットワーク
ハーバード大学燕京図書館のマクヴェイ・山田久仁子氏を招き、国際シンポジウム「京都の近代化と伝統の形成―歴史資料の保存と活用」2019年9月21日(土)(於:京都工芸繊維大学60周年記念館1階ホール)を開催し、講演・ディスカッションにより、近代の京都で形成された文化が海外でどのように受容されているのかを示すことができた。
以下の展覧会を実施した。
- 嵯峨美術大学「現代京都の名工」連携先:嵯峨螺鈿、京提灯、真田紐、黒谷和紙、京象嵌などの工房
- 京都外国語大学「文化財ドックin京都外大-匠のわざと社寺建築」連携先:文友会
- 京都工芸繊維大学「図案家の登場-近代京都と染織図案Ⅲ」連携先:京都市立芸術大学(加盟館)、京都女子大学、京都美術工芸大学、京都府立京都学・歴彩館
- 京都大学「洛中洛外図屏風を愉しむ―絵画資料に親しむ方法の開発―」連携先:凸版印刷(展覧会gと連携)
- 京都市立芸術大学「掛図と標本―美術工芸学校の教材」
- 京都産業大学ギャラリー企画展「大嘗祭」
- ハリス理化学館同志社ギャラリー「中世末期の京―洛中洛外図屏風の世界を掘る」
- 取組② ICOM京都大会2019における京都文化の発信
ICOM京都大会2019において京都・大学ミュージアム連携のブースを設け、そこにおいて、2011年度から文化庁の助成を受けて進めて来た諸事業の紹介やそれらの事業を通しておこなってきた京都文化発信の成果を、映像・パネルで示した。