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3 人名用漢字の問題
<<固有名詞部会>>
〔部会長〕
宮沢俊義
〔部会員〕
鹿住徳一 倉石武四郎 佐野利器 園田次郎 千種達夫 時枝誠記 中島健蔵 中村宗雄 原 富男 藤森良信 前田賢次 松坂忠則 佐藤達夫
〔部会開催〕
第1回(昭和26.3.13)〜第8回(昭和26.5.14)
〔提出資料〕
- 標準名づけ読本(抄)【国語協会】
- 第3回全国戸籍事務協議会において増加を要望した漢字の表
- 都内電話帳に現れた名の漢字出現度数【国語課】
- 読み書き能力調査の被調査者に使われている漢字の出度数【国立国語研究所】
- 都内小・中・高等学校女子生徒の名まえ調査【国語課】
- 朝日新聞社用語改善委員会調査【園田委員】
- 「名の変更」に関する資料【千種委員】
- 漢字と名まえ【前橋市立若宮小学校】
人名漢字については,昭和22年12月戸籍法ならびに戸籍法施行規則で子の名に用いる漢字を当用漢字表の範囲内に限定したことに対して,その後社会の一部に反対が起り,国会で審議の対象となったので,国語審議会ではこの問題が国語政策に及ぼす影響の重大なのにかんがみ,国語改善の立場からこれを取り上げて審議することになった。そして第9回総会(昭和26.3.9)において,次のことが決議された。
戸籍法において「子の名」に用いる漢字の問題は,最近各方面で議論され国会の審議にも取り上げられているが,国語審議会としては,この問題が国語政策の上からきわめて重要な意味をもつものと考え,3月9日の総会で,これに対する処理の方法を立てることが必要であるとの意見に一致し,固有名詞部会に付託して,その先議事項をして審議研究を進めることとなった。
部会の審議と並行して,一方土岐会長と宮沢部会長は衆議院の法務委員長と会見し,国語審議会の態度見解を伝えるとともに,双方の審議が一方的にならないように申し入れを行った。
部会では,従来人名に用いられることの多かった漢字を資料として慎重に審議を進めた結果,子の名の文字には社会慣習や特殊事情もあるので,当用漢字以外に92字の漢字を選定した。そして,第11回総会(昭和26.5.14)において,これが議決され,同日,法務総裁ならびに文部大臣に次のような建議を行った。