国語施策・日本語教育

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スタルネーカー氏あいさつ

 本日連合軍総司令部民間情報教育局の一員として,この会議に出席したことを光栄に思います。新しく各分野から選ばれた委員に対して,ごあいさつを申し上げます。わたくしは語学の専門学者ではないから,国語の改良とか単純化などについて討議する会に出席することはハンディキャップがあります。しかしわたくしは哲学者であると同時に,国語問題にも興味をもっているので,この会に参加することに意義があると信じます。国語問題について忘れてはならないことは,古代の国語問題よりも,現代の国語,思想の発表機関としての国語の簡易化ということがたいせつであります。
 国語問題については,日本の各界のかたが集まっていろいろ討議しているのに解決しているものが少ないという批判があります。日本側だけでなく,連合軍の内部にもあるが,わたくしはそうは思わないのであります。それを打ち消すのもわたくしの任務の一つであります。みなさんがいろいろの面で国語の改善の努力を払っていることを認めるが,今まで以上に国語の改善と簡易化に努力していただきたいと思います。いろいろの仕事をいっぺんにやることはむずかしいから,一つ一つ取り上げていくべきであります。そのうちどれを優先的に取り上げるかを考え,一つ一つに結末をつけ,報告していただきたい。審議会の決議は,日本で最も有力なものであるから,結論を一つ一つ出してほしいと思います。同時に審議会がなにをやっているかを一般に周知徹底させてほしいものです。そしてそれは正確適当な方法でなければならないと思います。

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