国語施策・日本語教育

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議事 当用漢字表の補正について

佐 野

 われわれは国語の複雑さに困りぬき,どうにかしてやさしくしようと努力してきたところ,ようやく現代かなづかい・当用漢字表が決まって,非常に喜んでいる。補正はやむを得ないとしても,簡素化の大方針だけは,あくまでつかんで進んでゆきたい。当用漢字表は再検討ではなくて,補正の意味で御研究願いたい。

時 枝

 副会長のお話を伺うと事実に違うことが多い。当用漢字表は官吏だけのために決められたように聞えたが,一般国民のために決められたものである。学会から意見が出てくる以上は考えなければならない。

宮沢副会長

 わたくしは,一委員会にすぎない国語審議会が,その決定をもって国民に強制することはできるものではないと言っているのである。訓令は法律と違い役所の内部は拘束するが,一般国民に対して強制力をもつものではない。訓令が出たから一般国民も従わなければならないと考えるのは誤解である。国民に行きわたったのは,新聞が協力したからである。時枝氏の攻撃は,最も協力した新聞に向けられなければならない。

時 枝

 一般国民は,訓令が出ているために強制されているように感じているというのである。一般国民が実行するには審議会がどうすればよいかといういうことである。

緒 方

 旧審議会の批判は,わたくしども新委員にとっては,お嫁さんを前において,嫁に来ない前のやり方の欠点を聞かせているようなものである。
 すでに3回も聞かされてうんざりしている。新しい話題に移っていただきたい。

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