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議事 1 国語審議会の性格と任務
颯 田
1ページ,「感覚の乏しい」はおかいし。「意見が足りない」としてはどうか。
内 藤
発表するか,しないかで違うが,国民の協力を求めなければならないのに,こういう書き方をしては困る。国民がおこるだろう。
颯 田
日本人はことばの感覚が乏しくはない。うそを言ってまで悪く言う必要はない。
土岐会長
「知識が乏しく注意が足りないことを示すものである」としてはどうか。
中 島
「必ずしもじゅうぶんではない」というような表現がいい。以下気になるところをチェックしていけばいい。
石 黒
「新たに」が3か所(1・11・15ページ)もあるが,特に使わなくてもよいのではないか。
土岐会長
前のと違うということをはっきりするために入れた。
大 野
2ページ「意見に聞き」が耳ざわりである。「意見を」としてはどうか。「文部省設置法」という名の法律があるのか。
原課長
法律の名称である。
宮沢副会長
「設置法……」がなくてはいけないのか。開巻第1ページの文句としておもしろくない。
土岐会長
「意見に聞く」は苦心のあるところで,「……を聞く」ではいちいち聞いていなければならぬが,「……に聞く」としたのは,聞くだけ聞いて適宜に採用すればいいのである。「世論を察し」も,自分で世論調査をしなくてもいいわけで,ニュアンスがあるのである。
中 島
「設置法……」を13ページの諸機関のところにもってきてはどうか。
だしぬけにもってきては,文章の魅力を感じない。
藤 森
「設置法……」を削って,「新たに」から始めると,「新たに」が生きてくる。