国語施策・日本語教育

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議事 各部会の中間報告と提案

時 枝(漢字部会長)

 漢字の部会は,「漢字対策の根本問題」ならびに当面の問題として「当用漢字表に関連する問題」の二つについて審議することとなった。このうち,第2の問題について当用漢字表の補正の審議にはいる前に,当用漢字表そのものの性格に対する各委員間の了解のしかたに相当の開きがあることがわかったので,まず当用漢字表の解釈についての白書を作ることにした。

颯 田(話しことば部会長)

 話しことばの部会では,話しことばとはなにかということから始めて,まず「いやなことば」を集める仕事をした。次いで国立国語研究所の森岡氏から,アメリカのパブリックスピーキングの話を聞き,また放送局の秋山氏の話を聞いた後,話しことばと書きことばとの一致の問題をこれから取り上げていくこととした。また,話しことばの文法をつくることついても考慮中である。

大 塚(ローマ字―分ち書き部会長)

 この部会では,まず審議の方針についてだいたいの方向を決めた後,「改定ローマ字教育の指針」「改定ローマ字教育の指針解説」その他,現場で問題となっている事がらを審議の材料として,具体的な問題の審議にはいることとなった。この仕事の結果,小さな分ち書きの字びきのようなものができるのではないかと予想している。

安 藤(ローマ字調査分科審議会長・同つづり方部会長)

 つづり方の統一は非常にむずかいし問題だが,各委員の努力によって統一の見込はたってきている。この問題については,従来くり返されてきたような紛争はなるべく避けたいというのが各委員の考えのようである。私見だが,その結果,つづり方の方式には,ある程度の許容の項目も設けられることになるのではないかと思う。
 次に,今回のアメリカ教育使節団の報告書について,ローマ字調査分科審議会としては,その勧告を快く受け入れることに意見の一致をみた。ついては,受け入れ態勢を整備して,国語の改良,ローマ字の普及に力を尽したい。そのために,従来のローマ字調査分科審議会をさらに充実させて,じゅうぶんな効果をあげることができるよう適切な御配慮を願いたい。

金田一(敬語部会長)

 敬語の部会では,民主社会になっても個人が互に他を尊敬し合うかぎり敬語も不必要にはならない。ただ,新しい社会情勢に対応するために適当に敬語の行きすぎを整理する必要があるし,また,聞きずてにならないものは正すべきだとの各委員の意見が一致し,まず自称・対称の代名詞について審議した。次いで,名詞・動詞のほうへもはいってゆくつもりである。

千 種(公用文・法律用語部会長代理)

 この部会では,公用文の審議はあとまわしにして,まず法律用語について審議した。その結果,部会の審議として「法令の用語・用字改善要綱」ができた。ついては,この要綱にしるされたようなわれわれの理想がすみやかに達成されるようおとりはからい願いたい。

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