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議事 人名漢字に関する建議案と声明書の続き
中 島
またそこは,反対に,根本的に考えている人からもまた攻撃を受ける。
土岐会長
それは,子の名に用いる漢字と書いてあるからよい。
滝 口
では,現在のところという意味で,今日という字を入れてはどうか。
颯 田
当用漢字表はどしどし改良していくものだから,そういうことをわざわざつけなくてもよい。それから,表という字をとってもよい。
土岐会長
では,理想という字は,みなさんが変えたいという意見なら,適当ということばに変えてはどうか。
(賛成多数)
颯 田
考えようによると,適当ということばはかえって理想ということばよりも強い。
舟 橋
さきほど今日ということばを入れると言われたが,そのような意味のことをつけ加えてもらいたい。
佐 野
今回の問題は,国会に戸籍法改正案が提出されたために起ったものである。衆議院では通過したが,参議院ではまだなので,それに対してわれわれはどうするのかというのである。法律は改正する必要はないのだ。施行規則上だけで手を加えていってもらいたいというがみなさんの考えだと思う。大臣に善処していただきたいというのは,法律をそのままにしておいて,施行規則だけを変えてくれということであり,参議院に対しても啓もうの意味で一刻も早く建議および声明書を決めていただきたい。
時 枝
わたくしは,参議院に対しては,全然触れないという態度で審議していったように了解している。
颯 田
「子の名」というのは「人名」となおしてもらいたい。
時 枝
さきほど,佐野委員の言われたことについて決をとっていただきたい。
宮沢副会長
部会の意見は佐野委員の意見である。
時 枝
わたくしは決してわたくしの意見を固執しているわけではない。
土岐会長
では修正された建議案は通していただけるか。
(一同了承)
整理はこちらでする。次は,声明書と92字のほうだが。
石 黒
92字は,1850字プラス92字が人名だけに用いてさしつかえないのであって,当用漢字表はそもまま変らないわけか。
土岐会長
そうである。
田 口
92字を選定した事情について知りたい。
土岐会長
お手もとに配布した資料の目録にある資料により,さらにほうぼふの要望とか出現度数に応じて,当用漢字のわくをくずさないように慎重に審議した。
舟 橋
字体が統一されていない。たとえば竜の字などは問題である。
滝 口
新聞発表の場合,制限漢字ということばがよく使われるが,できるだけそういうことばをつかわないようにしてもらいたい。
土岐会長
では声明文はどうか。
石 黒
まず,建議案と同じく,(別紙参照)はなおしてもらいたい。
舟 橋
さきほど,建議案についてわたくしが申し上げたことを声明書の場合も取り入れてもらいたい。
滝 口
ではていしょくするというところを言ってもらえばよい。
土岐会長
ではそうしてもらおう。
中 島
2ページの第2パラグラフの最後のところが問題になる。
服部(静)
2ページ下から4行目の世論ということばについて質問したい。
土岐会長
では議論としてはどうか。
中 島
原則としてという気持ちがはいればよい。
舟 橋
とにかく当用漢字表は研究中であることを唱えてもらいたい。
園 田
そういうことは危険である。特に教育機関に影響するから別の機会に言えばいい。
原
わたくしも同じ意見をもっている。
時 枝
そういうことは漢字部会で研究するから,きょうのところは触れないでもらいたい。
土岐会長
では,以上,文章の作成は会長に任せてもらい,まとまりしだいただちに新聞発表を行うことにする。
(一同了承)