HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第2期国語審議会 > 7 ローマ字つづり方の問題 [別紙],〔付記〕
7 ローマ字つづり方の問題 [別紙],〔付記〕
〔別紙〕
ま え が き
国語のローマ字つづり方として広く行われている方式には,それぞれに根拠,特色および歴史があり,いずれのつづり方もにわかにその使用を無視することはできない。
しかしながら,国語教育のうえや公式の文書,地名などに用いられる場合には,おのずから一定のよりどころがなければならない。この「ローマ字つづり方」の第1表は,すなわちそのよりどころの役をなすものである。
ただし,第2表によるつづり方も現実には通用しているのであるから,その読み方もまた教育の適当な時期において習得されなければならない。
なお,そえがきは,書き表わし方のうちのおもなきまりをあげたものである。
ローマ字のつづり方
国語のローマ字のつづり方は第1表による。
ただし,第2表のつづりを用いてもよい。
そ え が き
前表に定めたもののほか,おおむね次の各項による。
- はねる音「ン」はすべてnと書く。
- はねる音を表わすnと次にくる母音字またはyとを切り離す必要がある場合には,nの次に’を入れる。
- つまる音は,最初の子音字を重ねて表わす。
- 長音は母音字の上にをつけて表わす。なお,大文字の場合は母音字を並べてもよい。
- 特殊音の書き表わし方は自由とする。
- 文の書きはじめ,および固有名詞は語頭を大文字で書く。なお,固有名詞以外の名詞の語頭を大文字で書いてもよい。
〔付記〕
その後,文部大臣から小・中学校の教育課程において,国語審議会から建議されたローマ字つづり方の単一化について,国語審議会の趣旨どおり実施してよいかを教育課程審議会に対して諮問したところ,さしつかえない旨の答申があったので,文部省としては,「小・中学校のローマ字学習について」を昭和28年8月31日付で初等中等教育教育局長・調査局長名をもって,教育委員会その他関係方面あてに通達し,昭和30年度から実施することとなった。
また,国語審議会建議「ローマ字つづり方の単一化について」の趣旨は,政府の採択するところとなり,昭和29年12月9日,内閣告示第1号・同訓令第1号をもって,「ローマ字のつづり方」が制定公布された。