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3 かなづかい・漢字の問題 同音の漢字による書きかえの問題
当用漢字が円滑に行われるためには,当用漢字表以外の漢字で書かれることばをどう処理するかが問題である。当用漢字表のまえがきの中の「使用上の注意事項」の(イ)に,「この表の漢字で書きあらわせないことばは,別のことばにかえるか,または,かな書きにする。」とある。その言いかえ,書きかえの一つとして,もとの語の音を変えないで,当用漢字表中の同音の漢字に書きかえる方法が社会に行われている。それらの用例を広く収集して,その妥当なものを選ぼうとするのである。
部会は,審議の材料として,国語課が次にあげるものから約520語を集めて作成した「同音の代用字・代用語」を取り上げた。
- 日本新聞協会:新聞用語言いかえ集
- 文部省編:文部省刊行物表記の基準
- 文部省編:学術用語集 既刊各編
- 文部省著作:中等国語
- 国語審議会建議:法令用語改正例
- 金田一京助編:明解国語辞典
- その他
この審議にあたっては,そう書きかえてよい根拠の見いだされるもので,比較的に無難なものをなるべく選ぶ方針をとり,一語一語慎重に審議を進めた。その結果を次の5項に分けて整理し,さらに第2読会で検討した。
- 1. 同じ字源か,または正俗同字のもの
- <例>
- 2. 普通のもの
- <例>
- 3. 同じ意味か,または似た意味の語を借りたもの
- <例>
- 4. 新しく造語したもの
- <例>
- 5. 単に音を借りたもの
- <例>
第2読会の審議の結果,「同音の漢字による書きかえ」という案を作った。第32回総会(昭和31.7.5)でこれを可決し,同日付で文部大臣あて報告した。