国語施策・日本語教育

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議事 審議

土岐会長

 ただいまの報告のとおり,国語審議会が建議した「法令用語改善について」,また,国語審議会が協力した「専門用語の統一について」が,それぞれ政府の取り上げるところとなり,われわれのやっていることが相当有力に反映していることは同慶に堪えない。
 第21回総会議事録を配布したが,内容について不備の点があれば,1週間以内に国語課のほうへ申し入れていただきたい。
 次にローマ字調査分科審議会委員が指名されたので,本日の総会の途中,いったん休憩し,その間に同分科審議会の総会を開いて,分科会委員の間で分科会長の互選をやってもらうことをおはかりする。
 この前の総会で,国語審議会の今後の運営についての小委員会が設けられ,6人の委員が決まったが,その小委員会は,10月14日と同21日の2回にわたって開かれ,次のようなことについて自由に話し合った。

  1. 国語政策に関する根本的な考え方の検討
  2. 終戦後の国語政策のできたいきさつ
  3. 国語政策の決め方,実施のしかた。その適用範囲をいかにすべきか。
  4. 国語審議会の審議をじゅうぶんにし,その結論に一貫性をもたせるためには,任期を4年にしたらどうか。
  5. 審議の参考資料を国立国語研究所などから得ること。

 などについて活発な論議が行われ,結論としては,総会で本質論を重ねていくことを原則としては認めたが,議事運営のうえから,


第1部会(表記部会)――広く文芸・創作・教育の面なども考慮しながら漢字・表記法などの問題を審議する。


第2部会(話しことば部会)――標準語の問題を,音声的方面にもわたって,演劇・映画・放送・マスコミュニケーションを含めて審議する。


ということにしてはどうかということに話がまとまった。以上について,本日の総会で話合いを願って,こういう方針をとることがよいと決まれば,それぞれの部会に属する委員を決め,二つの部会が発足することになる。
(〔参考資料〕1審議事項一覧〔総2〕について,白石国語課長説明)

田 口

 標準語と方言との関係について,もう少し総会で資料として説明してほしい。大きな問題だから部会でよりも総会でやったらどうか。学校の中での方言の取扱について,実際上どうなっているかわからない。

野 間

 学校の中では標準語を使っている。現在はまだ細かく調査したものがない。この次までに調べてみる。

土岐会長

 総会で御意見を伺っておいて,部会に反映させるという形でよいか。

田 口

 けっこうである。

土岐会長

 二つの部会を置くことについて御意見はないか。

吉 川

 二つの部会とは spoken language と written language とになるか。

土岐会長

 そうである。

吉 川

 全委員が2分されるのか。

土岐会長

 委員はなるべく重ならないようにしたい。両方関連はあるが,なるべく重点的にしたい。けれども,ローマ字分科会もあるから,どうしても重複する委員もできてくるであろう。また,どの部会にも加わらないで,総会で意見を述べていただくかたもあるほうがよくはないかという意見であった。
 二つの部会でそれぞれ関連をもって一方的にならないようにする。部会ができても,総会に対して中間報告をしながら審議を進めていくから,部会で決めて総会に押しつけるということはないと思う。部会を作ることに賛成のかたは。

時 枝

 もし部会を作らないときは総会だけでやるのか。

土岐会長

 総会だけでは具体的にまとめることがむずかしく,原則的なことだけしか審議できない。部会を作って審議し,適当なときに中間報告をしていただくために総会を開くようにすればよいと思う。

時 枝

 この前の総会では,小委員会は,部会を作るか作らないかを決めるのではなく,審議を進めるうえについての根本方針を決めるということではなかったか。根本方針が決まらないで,部会を作ることはどうかと思う。

土岐会長

 小委員会で話し合った結果,部会を作ったほうがよかろうということになったのである。

高 津

 部会を作ることは賛成である。しかし,たとえば漢字制限などについても,根本方針を総会で決めて部会へもっていくことにしたらどうか。

土岐会長

 総会で審議しても実際問題として結論が出ないだろう。そういうことも部会で決めていくという方向をとってはどうか。

高 津

 けっこうである。しかし,部会としてのやり方を時々総会にはからないと危険である。

時 枝

 いろいろな意見があることを総会で話し合って,知らない委員に知ってもらうことが必要である。

吉 田

 今までの審議のしかたは,部会が総会と離れすぎていたように思われる。今までは,中間報告がふじゅうぶんだったように思う。もっと総会の意思を部会に反映させて部会活動をさせたいということではないか。部会を作ることはよいが,運営方法をうまくしたい。

土岐会長

 前に国語審議会にローマ字教育部会が設けられ,審議報告があったが,そのままの形では総会を通らず、もういちど考え直してということであったが,中途で任期が来てしまったという例がある。部会の決定が総会で,うのみにされることはない。

高 津

 部会でせっかく決めたことが,総会であっさりつぶされるということは,不満ではないか。

松 坂

 部会で決めたことを総会に押しつけたというようなことは今まで一度もない。

吉 田

 総会をもっとたびたび開いて部会の中間報告をし,総会の意向を部会に反映していくようにしたらよい。

時 枝

 ローマ字の問題の場合は,総会から部会にすぐ移って,部会でのみどんどんやって,結果だけが総会に出され,そのままの形では通らなかったのである。こんなことは非常な時間の浪費である。

土岐会長

 国語問題一般の話合いだけでなく,具体的にまとめていくという方針をとりたい。国語政策を解決していくことを目的として国語審議会は設けられてある。
 部会を作ることに異議はないか。 (賛成)
 部会は二つでよいか。初めは二つの部会でやっていて,問題点が出た場合に,その部会の中でしぼって考えていく小委員会的な部会を作ることも,小委員会では考えられた。

楓 井

 部会は二つでは少ない。

土岐会長

 ローマ字は,分科審議会でやる。つまり,表記・話しことばの2部会とローマ字の分科会になるわけである。

吉 田

 部会を作る前に,全体の空気がみんなによくわかるようにして部会に分けてほしい。

土岐会長

 部会に属する委員は,政令で会長指名ということになっているが,それでよいか。よければそのとおりに運ぶ。
 ここでしばらく休憩して,その間にローマ字調査分科審議会総会を開きたい。


――休憩――

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