国語施策・日本語教育

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議事 ローマ字調査分科審議会報告

有 光(分科会長)

 ローマ字調査分科審議会は,昨年10月に分科会委員が文部大臣から指名され,同年11月1日の第1回総会で分科会長の選挙があった。第2回の分科会で審議事項について審議した結果,ローマ字教育の問題を取り上げることになった。前にはつづり方・教育・わかち書きの三つの部会をもっていたが,つづり方の問題は一応解決したので,今度は教育の問題を取り上げることになったが,まだ部会を設けるまでにはなっていない。
 以後,今までに2回会合を開いて,自由に話合いを重ねてきた。皆さんからでた意見をまとめると,


  1. 現場におけるローマ字教育の現状を分析してみて,ローマ字がどのように取り扱われているかを知ることが必要である。また,ローマ字の教科書が実際にどれだけ使われているかについてもその実態を知ることが必要である。
  2. 現在のローマ字教育について配慮されることが,現場にはたしてどのくらい反映しているか。いわゆるローマ字のよさはわかっていても,それをどう取り上げるか,現場から出発して考える。
  3. ローマ字教育が,漢字かな交じりでは効果の上がらないものよりすぐれたものをもっているという点を中心に,ローマ字のすぐれている点を実験の結果からどの程度考えられるか。
  4. PTAその他社会一般のローマ字教育についての関心が浅い。
    ローマ字のよさが認識されていない事情の検討が必要である。
  • その他,ローマ字教育をいきなり必修にするようなことをしないで,現状をじゅうぶんに見つめ,まず,ローマ字のよさを一般に知らせる必要がある。
  • 小学校でローマ字教育をやっても,中学校とどう結びつくか。
  • 教育・新聞関係では,ローマ字に対して,ある程度理解があるが,他の方面では関心が薄い。
  • ローマ字教育を必修にしてから,社会に及ぼすか,また,その逆がよいか。
  • ローマ字教育をするについて,じゅうぶんな資格をもった教師が少ない。この点については,教員免許状を出すに際して,何か考慮する必要はないか。
  • また,国語審議会全体として,ローマ字教育に対してどのような考えをもっているか。審議会の方向と離れてしまってはしかたがない。
  • 昨年度までは,国語教育における研究題目としておもに取り上げられていたのは,小学校の漢字教育についてであったが,昭和30年度からは小学校の国語教育の課程で,文法をどう取り入れるかということの問題が取り上げられるということである。わが国の初等教育における文法教育は諸外国に比べて手薄である。今後はこれらの問題を前提として,ローマ字教育と小学校の文法教育とを関連させて,審議が進められるであろうと思う。なお,これらは教育課程審議会と関連が多いので,適当な時に連絡をとって審議をしていくことも考えている。

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