国語施策・日本語教育

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議事 正書法について(3)

古 谷

 「付」にしろ,例を示せば結果は同じことになる。まず,例を入れるか省くかをさきに決めたらどうか。

高 辻

 基準を明確にされたことはいい。参考として例を入れて世の批判を聞くことはけっこうであると思う。

土岐会長

 入れたほうがいいという意見に従って,付属書のような形で出すことはどうか。

池 上

 これをこのまま発表しても,本文はむずかしいから,見る人はさきに例を見る。付属書としてでもいいから,例はなるべくたくさん出したほうがいい。

時 枝

 わたくしは例を入れるか入れないかよりも,例示のグループの中で問題があると思う。

土岐会長

 例を入れるときに,たとえば「れんじゅう」以下は1行下げるとか,右側の語をとるとかくふうしてはどうか。

有光分科会長

 たとえば例示の話で問題になったものに*印をつけて7ページの異論のあるものの側に入れてはどうか。また,「じゅう,じゃく,ずう」は別のグループにして注をつけると納得しやすいだろう。

遠 藤

 例示の右側は省いたほうがよい。

有光分科会長

 問題の語に*印をつけて右側を省くか。

前 田

 一般の人には原則を読んでも具体的な点で迷う。右側のものもあまりさしつかえないものは対照的にあげておいていただきたい。
 (例示の語について細かい論議があった。)

伊 藤

 これは大正年間から40年間引き続いて論議されている困難なことである。国語問題は難関を突き抜けていくことがたいせつである。小委員会でここまで苦心してまとめた努力を認めて,2〜3困難なものは他日に譲り,無理のあるものは省くなりして,ここで決議していただきたい。また,それらのものは注記して残しておけば,省かなくてもいいだろう。

遠 藤

 「しんじゅう」「れんじゅう」などは省いて,「いちにちじゅう」などの例があれば,他はそれから推して適用していけるようにしてはどうか。

高 津

 「いちにちじゅう」「いえじゅう」などは,分離できるから,かえって「ちゅう」との連想が強くなりはしないか。「しんじゅう」「れんじゅう」などはいいと思うが。

前田(賢)

 「しんじゅう」「れんじゅう」は,「しんちゅう」「れんちゅう」ということもあるが,「いちにちじゅう」は,「いちにちちゅう」ということはない。

時 枝

 こういうものはみんな省いたらどうか。

緒 方

 「いちがつちゅう」「いちがつじゅう」こう読むときにはこう書くということで両方認めるよりほかないだろう。

松 坂

 「いちねんじゅう」と「いちねんちゅう」とでは意味が違う。

有光分科会長

 「つ」の濁りの「ヅ」か,「す」の濁りの「ズ」かは,耳で聞いてわからない。連想のあるなしにかかわらず,「ぢゅう」と書く場合はないということから,「ず」でよいのではないか。それでなければ,ここのグループ全部を省くほかないだろう。


土岐会長

 このへんでもう少しさらに考えることとして,出席人員がそろったから,ここで協議会委員の互選をしていただく。

(互選投票)


 なお,開票の結果がわかるまで,次の議事を進める。


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