国語施策・日本語教育

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議事 同音の漢字によるおきかえについて

土岐会長

 では,第1部会の報告をお願いする。

原(第1部会長)

 第1部会では,現代かなづかいを審議したあと,当用漢字を決めたことからくる漢語が使えなくなった問題を取り上げることになり,漢字のおきかえについて審議を重ねてきた結果,資料〔総2〕「同音の漢字による書きかえ」が第1部会として決定した。これは言いかえではなく,現に日本語として生きて使われている語で,漢字が当用漢字表にないものを,当用漢字表中の漢字におきかえたものである。それには,音の同じもので意味もなるべく近いもの,同じ字源かまたは正俗同字のもの,音通のものなどいろいろくふうして選んだものであるが,大部分が現在社会では使われており,今日の段階では,このへんが妥当であろうと思うところである。国語審議会では,さきに当用漢字を決めたが,今日までその具体的な取扱が示されていなかった。その責任の一端を果すうえにもこの「漢字のおきかえ」を総会で認めていただいて,広く世間に発表されるようお願いする。

(資料〔総2〕「同音の漢字によるおきかえ」を読む。)

 以上,第1部会の報告にあわせて希望を申し上げた。

倉 石

 けっきょくのところは,これでけっこうであるが,わたくし自身として一つ二つ疑問があるのでおたずねする。「篇→編」となっているが,わたくしどもが使うときは,「篇」は一つ一つの小さいもので,「篇」がいくつか集って「編」となるように使う習慣になっている。こういう時にどうしたらいいか。また,当用漢字表にこうでいしないで見ると,同音整理のほかに,音符だけのものがおきかえによって,かえって複雑になったものがある。たとえば「坐→座」「彎→湾」。あとはこのままで賛成である。

 専門家として「篇」を使うことはさしつかえない。

緒 方

 医学用語として使っているもの,たとえば「繃帯→包帯」「骨骼→骨格」などのおきかえにも,出典を示す。(法)(動)の印と同じように(医)印をつけてこれらに対して医学のほうでも支持していることを示しておいたほうがいい。

 発表するときには入れたほうがいい。なお,必要でない文句は省くなど整理をして,まえがきをつけて出すことで御承認いただきたい。

土岐会長

 それでは,そのように承認されたこととして異議はないか。異議がなければこれで決定されたことにする。
 次に,第2部会の報告をお願いする。

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