国語施策・日本語教育

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話しことばの改善について(建議)

 書きことばの研究と教育とはすでに相当に進んでいますが,話しことば(いわゆる音声言語)の研究と教育とについても,なお,いっそう改善・くふうを図る必要があると認め,次の各項を建議します。

  1.  話しことばの教育を特に学校教育において,いちだんと推進する必要がある。
  2.  「1」のためには,話しことば教育の指導者を養成する方策を,できるだけ早く立てなければならない。たとえば,とりあえず既設の大学その他の機関内に講座を置くなどの方法を講ずる。
  3.  「1」「2」のためには,話しことばの教育を科学的方法にもとづいて検討しなおす必要がある。
  4.  以上3項の対策と平行して,話しことばに関する必要な調査をいっそう根本的に,継続的に実施する必要がある。
 これによって話しことばに対する社会的関心が高められることを期待します。

 国語審議会は,これが実現をはかるため国立国語研究所・国立教育研究所その他の機関において具体的に研究されることを要請します。

第2部会審議経過報告

  1.  放送・演劇・映画などにおける話しことばの実情の審議と,学校教育における話合いの実際についての審議とを行い,また,外国人の日本語習得の方法について検討を行った。
  2.  その過程において,われわれは次のような実情を知り,問題の所在を明らかにすることができた。
(1) 学校教育における話しことばの教育は放送および録音によって進歩している一面もあるが,他の一面においては,一進一退の状態であるか,後退が見られたこと。
(2) 一般的には,今日なお,書きことばの偏重あるいは優先の空気があり,それが学校教育に反映しがちであること。
(3) 話しことばの教育について,科学的な指導・研究が普及していないため教育の現場において自信を持つことができないこと。
(4) 日本語の標準的表現(発音・発声などを含む。)については,その具体化をはかるべきであり,標準語辞典の編集普及が要望される。
  1.  問題は以上につきているわけではないが,まず,話しことば教育の振興を推進しなければならないことを痛感した。

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