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2 送りがなの問題 送りがなのつけ方 (通則 1)
通則
第1 動詞
- 動詞はその活用語尾を送る。
<例>
書く 読む 生きる 考える
ただし,次の語は活用語尾の前の音節から送る。
表わす 表われる 現わす 現われる 著わす 著われる 行なう 脅かす 断わる 賜わる 群がる 和らげる - 活用しない部分に他の動詞の活用形またはそれに準ずるものを含む動詞は,その含まれているものの語尾から送る。
<例>
動かす(動く) 照らす(照る) 及ぼす(及ぶ) 積もる(積む) 聞こえる(聞く) 浮かぶ(浮く) 向かう(向く)
語らう(語る) 計らう(計る)
起こす・起こる(起きる) 終わる(終える) 悔やむ(悔いる)
定まる(定める)
ただし,次の語は含まれているものの語尾を送らない。
押える(押す) 捕える(捕(と)る) - 活用しない部分に形容詞の語幹を含む動詞は,その含まれているもの以外の部分を送る。語幹が「し」で終わるものは,「し」から送る。
<例>
近づく 遠のく 重んじる 赤らめる
怪しむ 悲しむ 苦しがる - 活用しない部分に形容動詞の語幹またはその一部を含む動詞は,その形容動詞の送りがなから送る。
<例>
確かめる 暖まる 静める 異なる - 活用しない部分に名詞を含む動詞は,その含まれているもの以外の部分を送る。
<例>
色づく 傷つける 黄ばむ 先んじる 指さす 春めく 横たわる - 動詞と動詞とが結びついた複合動詞は,前のにもあとのにも送りがなをつける。
<例>
移り変わる 思い出す 流れ込む 譲り渡す
ただし,誤読・難読のおそれのないものは,かっこの中に示したように送りがなを省いてもよい。
<例>
打ち切る(打切る) 差し上げる(差上げる) 取り扱う(取扱う)
引き受ける(引受ける) 受け取る(受取る) 繰り返す(繰返す)
乗り換える(乗換える) 割り当てる(割当てる)
[備考]
「呼びかける」「払いもどす」のようにあとの動詞をかなで書く場合には,前の動詞の送りがなを省かない。
第2 形容詞
- 形容詞はその活用語尾を送る。語幹が「し」で終わるものは,「し」から送る。
<例>
暑い 白い 高い 若い
新しい 美しい 苦しい 珍しい
ただし,次の語は活用語尾の前の音節から送る。
明るい 危うい 大きい 少ない 小さい 冷たい 平たい - 活用しない部分に他の形容詞の語幹を含む形容詞は,その含まれているもの以外の部分を送る。
<例>
重たい 憎らしい 古めかしい - 活用しない部分に動詞の活用形またはそれに準ずるものを含む形容詞は,その含まれているものの語尾から送る。
<例>
勇ましい 輝かしい 頼もしい 喜ばしい 恐ろしい
ただし,次の語は含まれているものの語尾を送らない。
荒い 悔しい 恋しい - 活用しない部分に形容動詞の語幹を含む形容詞は,その形容動詞の送りがなから送る。
<例>
暖かい 細かい 柔らかい 愚かしい - 動詞と形容詞とが結びついた複合形容詞は,その動詞にも形容詞にも送りがなをつける。
<例>
聞き苦しい 待ち遠しい
第3 形容動詞
- 形容動詞はその活用語尾を送る。
<例>
積極的だ - 活用語尾の前に「た」「ら」「か」「やか」「らか」を含む形容動詞は,これらのなかから送る。
<例>
新ただ 平らだ 静かだ 確かだ 穏やかだ 健やかだ
明らかだ 朗らかだ - 活用しない部分に形容詞の語幹を含む形容動詞は,その含まれているもの以外の部分を送る。語幹が「じ」で終わるものは,「じ」から送る。
<例>
清らかだ 高らかだ 同じだ - 活用しない部分に動詞の活用形またはそれに準ずるものを含む形容動詞は,その含まれているものの語尾から送る。
<例>
切れ切れだ 晴れやかだ 冷ややかだ