HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第4期国語審議会 > 2 送りがなの問題
2 送りがなの問題 送りがなのつけ方 (通則 2)
第4 名詞
- 名詞(活用語から転じたと感じられなくなった名詞を含む。)は,送りがなをつけない。
<例>
山 春 桜 湖 鶏
扇 頂 帯 趣 畳 隣
ただし,次の語は最後の1音節のかなを送る。
哀れ 後ろ 幸い 互い 半ば 情け 斜め 誉れ 災い - 活用語から転じた感じの明らかな名詞は,その活用語の送りがなをつける。
<例>
動き 戦い 残り 苦しみ
遠く 近く
ただし,
(1) 誤読・難読のおそれのないものは,かっこの中に示したように送りがなを省いてもよい。
<例>
現われ(現れ) 行ない(行い) 断わり(断り) 聞こえ(聞え)
向かい(向い) 起こり(起り) 終わり(終り) 代わり(代り)
(2) 慣用が固定していると認められる次の語は,送りがなをつけない。
組 恋 次 富 恥 舞 巻 卸 話 光 雇 志 - 語幹の一部から送る形容詞の語幹に「さ」「み」「げ」などがついて名詞になっているものは,語幹のその部分を送る。
<例>
大きさ 正しさ 明るみ 惜しげ - 活用語を含む複合名詞は,その活用語の送りがなをつける。
<例>
心構え 日延べ 物知り 山登り
教え子 考え方 続き物 包み紙
大写し 長生き 早起き
歩み寄り 見送り 読み書き
ただし,誤読・難読のおそれのないものは,かっこの中に示したように送りがなを省いてもよい。
<例>- 綱引き(綱引) 帯止め(帯止) 気持ち(気持) 封切り(封切) 金詰まり(金詰り) 心当たり(心当り) 身代わり(身代り) 大向こう(大向う)
- 編み物(編物) 受け身(受身) 掛け図(掛図) 死に時(死時) 合わせ鏡(合せ鏡)
- 打ち切り(打切り) 売り出し(売出し) 落ち着き(落着き) 申し込み(申込み)
- 取り締まり(取締り) 果たし合い(果し合い)
- 向かい合わわせ(向い合せ)
- 書き入れ時(書入れ時) 切り抜き帳(切抜き帳)
- 呼び出し電話(呼出し電話)
- 打ち合わせ会(打合せ会)
「置きみやげ」「払いもどし」のようにあとの部分をかなで書く場合には,前の動詞の送りがなを省かない。 - 慣用が固定していると認められる次のような語は,送りがなをつけない。
<例>- 献立 座敷 …係(進行係) 関取 手当 頭取 仲買 場合 番付 日付 歩合 物語 役割 屋敷 夕立 両替 …割(2割) 小包
- 植木 織物 係員 切手 切符 消印 立場 建物
- 請負 受付 受取 書留 組合 試合 踏切 振替 割合 割引 浮世絵 貸付金 借入金 繰越金 小売商 仕立物 積立金 取扱所 取締役 取次店 取引所 乗換駅 乗組員 引受人 代金引換 振出人 待合室 見積書 申込書
- 数をかぞえる語尾の「つ」は送る。
<例>
一つ 二つ 三つ
第5 代名詞
- 代名詞は送りがなをつけない。
<例>
私 君 彼 彼女 何
[備考]
代名詞はなるべくかな書きにする。
第6 副詞・接続詞
- 副詞は最後の1音節を送る。
<例>
必ず 少し 再び 全く 最も
ただし,次の語はその前の音節から送る。
直ちに - 他の副詞を含む副詞は,含まれている副詞の送りがなから送る。
<例>
必ずしも 少しは - 名詞を含む副詞は,その名詞の送りがなから送る。
<例>
幸いに 互いに 斜めに - 活用語を含む副詞は,その活用語の送りがなから送る。
<例>
絶えず 決して 少なくとも 大いに
[備考]
副詞・接続詞はなるべくかな書きにする。
[注意]
表に記入したり,記号的に用いたりする場合には,「晴(れ) 曇(り) 答(え) 終(わり) 生(まれ) 押(す)」のようにかっこの中の送りがなを省いてもよい。