国語施策・日本語教育

HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第5期国語審議会 > 第39回総会 > 議事

議事 第5期の国語審議会の方針

土岐会長

 ただいまから,第39回総会を開く。最初に,この前の総会で問題になった「逓信省」について,事務局のほうから,説明してもらう。
〔白石課長,「逓信省」について,会長の記者会見で,総会の議事といっしょに話があったこと,また,大臣への報告のことを説明。〕

土岐会長

 ただいまの報告でご了承いただけたことと思う。
 きょうは第5期の国語審議会の方針としてどういうことをやっていったらいいか,ご意見を伺ったうえで,部会を設けるところまで運びたい。ローマ字分科会のほかに,部会は二つぐらいにしたらどうか。
 この前すでにごらんいただいた,これまでの国語審議会の報告を参考にして,これからやっていくべきことについてのご意見を伺いたい。

遠藤委員

 この前の総会(38回総会,3月30日)のあとで,大阪の朝日新聞に,国語審議会は今後何をやるかということが出ていた。

土岐会長

 記者クラブで話をしたとき,そういう話が出たが,今後マスコミとのつながりが密接になっていくだろうということをいった。ローマ字についても個人的な話をしたにすぎない。東京の新聞には何も出なかった。

遠藤委員

 記者クラブで,個人的な意見を話されたことを,関西ではそのような形として受け取ったのかもしれない。

百瀬委員

 東京でも,朝日は版によって出たのがある。都内版では削ってあった。記事では,総会で決まったようにもとれるし,そうでないようにもとれるような書き方であったので,あえて文句は言わなかった。

遠藤委員

 所によっては,国語審議会の方向を相当注意しているから,こういう場合,慎重に取り扱ってほしい。

土岐委員

 こちらでそのつもりでも,報道方面に対してはコントロールのつかないこともある。
 次に,今後何をやるかについて,ご意見を出していただきたい。

千種委員

 審議すべきことはいろいろあると思うが,法令・公用文などについても審議できるような部会も設けてほしい。法人名・官庁名・人名・地名・法令用語,また左横書き等についてまだやることがある。今までにも,前の公用文部会では,公用文・法令用語,市町村合併などについて,いろいろ実績をあげてきた。ところが,部会がたくさんありすぎるということで,昭和29年から少なくした。部会を少なくすることも一つの方向であるが,あまり少なくても結果からいってよくないこともある。今申し上げたようなものも審議できるようなら,部会を作ってもらえば,効果をあげることができると思う。

百瀬委員

 三つ四つの意見を述べる。(1)部会ではどんな問題がどういう方針で審議されているかということは,外部にはわからない。国語は国民のみんなが使うものであるから,できるだけ多くの意見を聞くという意味で,適当な人に部会の審議の模様を公開するのがいいと思う。(2)国語審議会で決められたことが,どれだけ実行されているか。決めたものだけは確実に実行されるような指導機関が必要である。役所方面だけでも実行するよう積極的に進めてほしい。(3)当用漢字補正案が出てから5年になる。2本立ての当用漢字に,この期で結論を出さなくてはならない。わたくし個人としては,補正の28字をそのまま採りたい。これで当用漢字を1本にまとめたうえで,次の問題に移りたい。(4)最後に,当用漢字別表の字種の再検討をやるべきである。別表の漢字881字の中にはどう使ってよいかわからないものもまざっている。これはもう一度白紙にもどしてやりなおし,教育が合理的にできるようにすることを考えなくてはならない。

遠藤委員

 ただいまの最後の問題は,音訓の問題も含んでいるか。今実際,問題として起こっていることは,新聞に「座込み」とあるのを,小中学生は「ザコミ」といっている。「座」には「すわる」の訓がない。京都のほうの新聞では,「座」の字を使っていない。こういう点はどう考えるか。

百瀬委員

 新聞でも当然,音訓表によらなければならないが,いろいろむずかしい点があるので,今までは考えていなかったが,だんだんにやるべきものと思っている。わたくし自身教育にたずさわっていないので,そこまで考えていないが,音訓は当然考えるべきである。学校の教科書で使うのだから,字数のほうが問題でないかと考える。

塩田委員

 昨年決めた送りがなについて,調整を要する問題……ということがあるが,その調整を今期の審議会でもう少し時間をかけてやってもらえばいいと思うが,どうか。

土岐会長

 その点について,あれを実施の面からどう調整するかについて事務当局から説明する。

白石課長

 この前の送りがなの処置について,簡単に報告する。当方としては,事務次官名で,各省庁あて照会した。その結果,従来の送りがなとの幅をどう調整するか,本文と例外との幅の調整などをはっきりさせるということが大筋として出てきた。従来の慣習をなるべく改めないでやれるなら,官庁方面では協力できるとのことである。また,教育面との関連を考えて,それぞれの方面でなるべく抵抗なく実施できるような幅をもたせる技術的は面での最終的の調整をしている。

土岐会長

 実施はいちおうあの線でやるが,再検討の必要も考えられる。

塩田委員

 複合名詞のところに矛盾したものがある。前にただし書きがあるから,調整する場合,その点を解決して出してもらえばいい。

久松委員

 実施にあたって,複合名詞についてもう一度検討する必要がある のではないか。

白石課長

 「送りがなのつけ方」の19・20の複合名詞は,通則の本文に出ているかぎりのものについては送るほうで統一する。従来の慣習によって送れないとするものに,許容とするもの,どうしても送らないものとが出てくる。通則に書いてあるかぎりでは,本文と本文に対するいわば例外と許容による3本立てということになる。教育では本文によってやさしく,役所などでは簡潔にするために送らないほうをとるという状況である。そういうこともあの案の性質上やむをえないことと思う。

西原委員

 国語審議会の審議の方法についてさきほど意見があったが,国語審議会もだいぶ年をとってきた。文部省の他の委員会は,多くの諮問機関である。ここでやったものについて,役所のほうに苦労をかけることは本旨でない。部会は,二つ三つの部に分かれると審議することが局部的になる。そういうことを防ぐために,あらゆるものに力を注ぐ意味で専門委員を設けて審議の組織づけとし,ここでは世論の反映もはいるような形でなければならない。たとえば,法令にしても社会的の立場でやることである。それには審議の委員だけでなく,いろいろの方面から動員して考え,こちらはそれらのまとめ役になるべきだと思う。
 次に,教育方面の問題として当用漢字別表であるが,これが決められてからずいぶん長くなる。これは漢字補正案以上に大きな問題と思う。別表は,文字を決めただけで,語いの裏づけがない。今日では,基本語いの研究調査も整ってきている。語いの現状を裏づけとして検討する必要がある。それによって,教育漢字の881字の増減ということもありうるだろうし,語いの裏づけによって音訓も解決されてくる。全部についての基本語いをやることはなかなか困難であるから,まず手近のことろから語いを出していくことが教育上,ことば・文字・文字づかいを指導するうえに必要だと思う。

土岐会長

 参考までに,こういう問題があると項目を並べたものがあるからごらんいただきたい。これは系統的に並べたものではないが,どのような問題があるかということの参考になると思う。(会長,説明する。次表参照)

(1) 標準語・標準表記法の確定
 a 標準語
 (ア)話しことばと書きことばの一致
 (イ)漢語の言いかえ
 (ウ)同音異義語の整理
 (エ)2様以上の言い方のある語の統一
 (オ)方言の乱用の調整
 (カ)流行語・新語に対する態度
 b 標準表記法
 (ア)むずかしい漢字・漢語の書きかえ
 (イ)かたかな書きをすることばの種類の決定
 (ウ)学術用語のかなの使い方の確定
 (エ)当用漢字補正資料の取り扱い
 (オ)正書法(標準表記法)の確定
 (カ)略字体の採用
 c 新造語に対する造語法の態度

(2) わかち書き
 (ア)漢字かなまじり文と,かな文と,ローマ字文におけるわかち書きの方式の決定
 (イ)ローマ字教育の義務教育になったことに伴う,ローマ字のわかち書き法の決定
 (ウ)地名のローマ字表記のわかち書き

 以上は,今までやってきたものの上にたって,将来調整されていかなければならないいろいろの面ではなかろうかと思って,問題点を並べたものである。
 また,部会ではできるだけ分けたほうがいいという意見と,なるべく少ないほうがいいという意見が出ている。そのほか,組織体と連絡をもってやれという意見などがある。これらをあわせて,今後採るべき方針についてお考え願いたい。

松坂委員

 郵政省では,全国の町名番地の合理化を図るため大がかりな調整をしているという。人名は文字だけは制限しているが,読み方は統一されていないので,依然として読み方がわからなくて困っている。これは統制しないまでも,今後届け出の際に,読み方がわかるような方法を考えるべきである。さきほど意見があった法人名についても,これと関連して同じことがいえる。次に左横書き実行についてまだ不徹底であるから,もう一度促進したい。また,動植物名を書き表わす場合は,かたかなで書くことを決めてほしい。学界では,古くからかたかなを使っている。それからさきほどの教育漢字の再検討という意見に大賛成である。それと,現代かなづかいをもっと音韻主義にするよう再検討することを希望する。最後に,最も強く希望することは,今日の世界情勢から見て,日本も漢字を全廃するという方向を示すことが必要であると思う。

稲富委員

 さきほどの説明の流行語・新語に対する態度に関連することであるが,外来語に対する態度を考えなくてはならない。今日,日本語の中に外国語がたくさん入りこんできて混乱をきわめている。これをそのままにしておくことは問題である。それから,人名について,現代の人の名まえももちろんであるが,少し古い人の名まえになると,いろいろに読まれて,人名辞典などを見てもわからないのがある。ことに,外国人の名まえや固有名詞は,古い時代の誤った発音をそのまま使っているものもある。外来語に対する方針を決める必要がある。また,左横書きなど,決めたことは実行させるようにしたい。テレビなどを見ても,右書き縦書きが多い。国会の中の標札など,右書き・縦書き・左横書きなどまじっている。これなどさっそく左横書きに統一してほしい。

高辻委員

 わたくしのほうでは,法律案・政令案を見ているが,国語審議会でやっていることについて強い関心をもっている。今までも,こちらで決定されたものは,ほどんどそのまま受け入れてやっているつもりである。また,今後国語審議会でやってほしいことは,当用漢字補正案の取り扱いについてである。わたくしのほうとしても,文字については文部省の発言をまってやっている。そのほか,送りがな問題もある。やはり一つの専門部会を設けることと細分化しないほうがいいということは両方とも確かにそのとおりであるが,法令だけについて特別の会をもつことはどうかと考えられるから,そういうものも取り扱えるような部会を設けて検討できるようなものにしてほしい。

土岐会長

 左横書きについてはどうか。

高辻委員

 それについては,わたくしのほうでとかくいう立場にない。今日行なわれているのは政府部内の取り決めで,一般に拘束力がない。国会などにも,協力してほしいというぐらいのことしかいえない。

土岐会長

 左横書きはかなり推進されたが,まだ実行されない方面がある。

高辻委員

 もう少し徹底させる必要がある。

颯田委員

 左横書きが行なわれるのにはどうしたらいいか。現在のように左右がいっしょに行なわれているのは,おかしなことである。これを行なうように決めるのに,国語審議会の力がどこまで及ぶか。こういうことは組織の問題にあるのか,または,もっと根本問題も含まれているのか。

北岡局長

 国語審議会は必要と認める事がらを建議することになっている。建議したものを取り上げるか否かは,おのおのその官庁にある。国会は内部規定によって動いている。事務的の連絡はできるが,他のことはできないたてまえになっている。また,文部省対他の官庁は,閣議決定,内閣訓令でないと拘束力がなく,ある意味では弱い。正当な手続きで出たものも,それを処理する側が行政的に動かないかぎりうまくいかない。また,それに対して行政機関には命令権がない。

颯田委員

 国語審議会としても,左横書きの処理に対して,少し考えなければならないのではないか。

伊藤委員

 いろいろ意見がでたが,教育方面,官庁事務の文書の表現方式,そでは現在日本の実業界の活動のうえから,国語は社会全般に関係がある。ことに経済面を見のがすことはできない。昨今,いろいろの方面がオートメーション化しているうえから考えて,前進した文字としてかたかなが社会に多く実用化されている。日本は人口が多い。保険会社をはじめ,それらの社会で扱う人口はきわめて多い。都市の水道・電気・ガスをはじめ,保険・百貨店など民衆相手のものは,かたかなを使っているところが多い。昨年暮れに決まった送りがなは,実社会に大きな影響を与えた。それによって,かな書きにした所が多くあるほどである。わが国には,現在正書法的な決まったものがない。この際,ローマ字およびかな書きによるわかち書き,句とう法などをどうするかについて,実社会に合うようなものについて,あまり長くない期間につくってほしい。特別委員会を設けてやることを希望する。左横書きの問題,「逓」の字の問題にしても,国の進歩に対する考えがないというのが現状である。みんなが熱をもって真剣に考え実行に移すことがいちばんである。特別委員会を設けて,わかち書きについてローマ字,かな書きの厳格ないろいろな案を作って,審議することを熱望する。実業界におるものの意見として申し上げた。

西本委員

 国会での右書きは重要な問題である。これは国語審議会の活動の限界の問題でもある。国会の右書きはどういうわけかを調べ,どうしたらよいか研究する必要がある。国語審議会外のことであるなら,どういう方法でやればよいかなど事務当局で調べておいてほしい。

白石課長

 左横書きは内閣官房長官から通達が出ている。これは国会の事務局の問題かどうか。当方としてもできるだけ連絡はとるが,むずかしい問題がある。

西本委員

 現在右書きしていることの理由,これを簡単に改めることができるか改められるならどういう方法をとったらいいかなどについて調べておいてほしい。(国会内の標識の横書きの書き方は,国会内の事務的な問題で,古いものは右書き,新しいものは左書きとなっているとのことである。)

高橋(健)委員

 国語審議会で決めたことを守られるように促進するにはどうしたらよいか。総会で検討して促進する方法を考えるとよい。左横書きなど,もっと推進すればできるだろう。町名の問題についても,町名を新しくつける場合,むりに漢字を使わなくても,かな書きでいいことを進めることである。たとえば,「欅町」というのを大学生でも読めない。これでは電報も打てない。「けやき」の名が悪いのではないから,かな書きすればいい,こういうことをもっと強く進める必要がある。国語審議会で決めたことについて,総会で適宜な処置をすることを考えるべきである。他の多くの問題は正書法の問題であるから,正書法部会を作ることである。正書法は字引きがあれば問題はなくなる。その際,大きいものは容易ならぬことであるから,大小二つの字引きを考えるべきである。グリム兄弟の辞書は,100年を費やして,あと一,二年でできようとしている。これは歴史的なことば,地域的なことばを集め,その時の用法も示してある。日本語についてもこういうものがほしい。しかし,これには長い年が必要である。教育的に見ても,当座の用にたりる小さい字引きがあるといい。これについて,国語審議会から国語研究所に要望するという処置をとってほしい。また,国語研究所にその準備があるか伺いたい。

土岐会長

 予定の時刻を少し過ぎるかもわからないが,あらかじめ少し延ばすことを了承していただきたい。今まで出た意見をまとめて,部会のこと,取り上げる問題について整理する。まず問題として法律公用文・当用漢字別表・当用漢字補正案・送りがな・正書法などがある。今までは,正書法部会と話ことば部会との二つの部会であった。今度考えられることは,一つは上にあげたようなものを全部ひっくるめた一つの部会とし,部会内の話し合いで問題ごとにさらにいくつかに分かれてやっていく。これを第1部会とする。もう一つは,事務のオートメーション化されていくこと,新聞・ラジオ・テレビ・映画などマスコミとの結びつきなどの間における国語の問題を検討する部会として第2部会を設けてはどうか。
そのほか,ローマ字調査分科審議会では,わかち書きの問題(これはかな表記とも関連する。)を考える。それにもう一つおはかりしたいことは,改組後の国語審議会で「国語問題要領」(昭和25年)を建議し,それに沿って,今日までいろいろの問題を審議してきて実績をあげてきた。このへんで,もう一度国語問題の現状を分析し,将来の国語政策の見通しをつけるという意味で,小委員会を設けて第2の白書を作ってはどうか。これによって,部会としては,第1部会・第2部会の二つ,それにローマ字は分科会をあわせて三つとなり,さらに小委員会ということになるが,意見はないか。意見がなければ,お認めいただいたこととして,これらの部会等に加わっていただくかたを指名することになるが,あらかじめ皆さんの希望を伺ったうえで,部会の構成を考えたいと思う。よろしければ,希望を書いて出していただくこととする。

波多野委員

 ローマ字分科会は法律で決まっている。ここでかな表記をあわせ考えるとなるには,総会で決めてローマ字分科会に付託するか,第1部会と合同して第3部会を作ってやらないといけないのではないか。

土岐会長

 合同の第3部会を作ることが賛成ならそうしてもよいが,そうしなくても,各部会で連絡をとりながらやるということにしたらどうか。

波多野委員

 そういうことならいい。

宇野委員

 さきほど,部会の公開について意見があったが,たとえ部会でどう決まろうと,総会で変えることはできる。途中の総会で部会の審議の経過報告をして,皆さんの意見を聞くようにしたらいい。部会を公開にしてもなかなか出にくいから,公開にしなくてもいい。

百瀬委員

 部会の公開を言ったのは,広く世間の人にわからせて,世間の反映を見るという態勢のもとで審議するという意味である。国語審議会で決めたことに対して,世間が押しつけだという考えをもつことをやわらげるためにも公開にして,進んで世間の意見を求めるという形をとっておくということである。

土岐会長

 今までにも,総会の中間報告でそういうやり方をしてきている。部会は公開にしなくても,実際上からは,そういう形がとれると思う。

石井委員

 当用漢字の字体表はできているが,筆写体の字体は決まっていない。たとえば,「木」という字の下をはねるか,はねないかにしても,決められたものがないので,教育方面ではまちまちで困る。国語審議会で筆写体のもとになるものを決めてほしい。次に,漢字の補正案の取り扱い方を早く決めてほしい。

松坂委員

 さきほどの部会について,もう一度説明願いたい。

土岐会長

 第1部会は,書きことばの両面から総合的に検討する。具体的には,漢字補正案,当用漢字別表,漢語のいいかえ(語い),かなの問題(送りがな,現代かなづかい),字体の問題などがある。第2部会は,マスコミュニケーション(新聞・ラジオ・テレビ・映画等)の間における国語問題を検討し,現在あるものに対して批判・申し入れなど対社会的な活動をやっていく。それから,ローマ字分科会,さらに白書部会ともいうべき小委員会は,前の「国語問題要領」の例にならって,国語問題の現状を見きわめて,将来の国語政策の見通しをつける。具体的には,国語課か国語研究所に資料があると思うから,そこれでまとめてもらって検討する。いずれの部会にしても,みな関連があるので,部会に加わる場合,二つに重なるかもしれないが,どうかおほねおり願いたい。

遠藤委員

 第1部会には全委員が加わることとして,第2部会だけに加わる希望者をということにしてはどうか。
(各部会所属希望について,記入して提出することに決まる。)

土岐会長

 国語研究所のほうのことを,所長から説明願う。

西尾所長

 国語研究所で研究を進めていることは,国語問題解決の資料を作ることである。現代標準語辞典,歴史的国語の大辞典を作るにあたって,研究の成果をまとめ,編集にはいる前になおいろいろ研究しなければならないことがある。現在は,編集の基礎になる研究は進めているが,具体的に編集の仕事はまだ進めていない。なお,岩淵第1研究部長も来ているから,補足してもらう。

岩淵第1研究部長

 辞典の問題は,正書法が決まればできる段階になっている。現在,語い調査を進めているから,方法さえ決まれば編集の仕事ができると思う。

大塚(明)委員

 ローマ字とかなとを合わせ考えることはいいと思うが,決めることは相当むずかしいことと思う。そこのところをもう少しやわらかくしておいてほしいと思う。また,部会の公開は賛成であるが,中間報告をしたいというには,総会をもう少し多くしないと,広く世間に問うということはむずかしい。

土岐会長

 部会であるところまで線が出たとき,70パーセントなり90パーセントなり決まった線が出たときに,中間発表するようにすればよかろう。総会はいろいろな事情で,そうひんぱんには開けないかもしれない。
 また,さきほど書いていただいた部会への希望は,きょうはお預かりしておいて,それに基づいて指名することになるが,どうぞよろしくお願いする。

北岡局長

 大臣から,できるだけこの会に出席して,お話を聞いたり意見を述べたりしたく思っているが,きょうは時間のつごうがつかなかった。どうか各方面の意見なり,案なりについて活発に議論くださるようにとのことづけがあったのでお伝えする。

土岐会長

 きょうは,これで閉会する。


午後4:20 閉会

トップページへ

ページトップへ