国語施策・日本語教育

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議事 第2部会・ローマ字調査分科審議会の中間報告

土岐会長

 ご質問・ご意見があれば,発言願いたい。なければ,第2部会,ローマ字調査会分科審議会の報告をしていただき,そのあとで伺うこととする。

池田第2部会長

 第2部会は,16人の委員により6回部会を開いた。この部会は,前の審議会の話しことば部会と異なり,新聞・放送などマスコミュニケーションとの関係も考えるので,文字の問題も含まれる。この部会での審議事項として,たとえば,書きことばの正書法のように,話しことばの正話法は考えられないか,「これからの敬語」のように,これからの話し方はどうか,書き方・読み方に2種以上のゆれのあることばがあるが,それの整理統一はどうか,同音異議語の整理,流行語,外国語についてなど多くのことが考えられた。さしあたって,ゆれのあることばについて審議することとした。この際,語法・アクセント・鼻濁音などは,いちおう対象外とすることにした。また,資料として,「学術用語集」「文部省刊行物表記の基準」「新聞用語集」などから,ゆれのあることば400〜500語を選び,個々に検討して,整理の基準を定めたいと考えた。現在,10か条ほどの基準を定め,それに基づいて,さらに語例について検討している段階である。明確な基準が見いだされ,ゆれが解消するかどうかは,なお今後の検討の結果をまたないと明言できない。

土岐会長

 ただいまの報告にご質問はないか。なければ,ローマ字調査分科審議会の報告をしていただく。

有光分科会長

 ローマ字調査分科審議会は6月12日に第1回の会合を開き,それ以後これまでに5回審議を行なった。第1回のときに,分科会長の選挙を行ない,わたくしが選出された。また,審議すべき事がらについて,検討の結果,わかち書きの問題を取り上げることとした。初めに,単にローマ字だけのわかち書きにとどまらず,広く日本語をわかち書きして書き表わす場合どうしたらよいか。また,漢字かなまじり文と,ローマ字文とのわかち書きを合致させる必要があるかどうかについても検討したが,現段階では,そこまで問題を広げずにローマ字文に限って考えることとした。従来,わかち書きには,原則として単語は一続きに書き,他の語から離して書くとなっているが,その単語とは何かといういわゆる単語の認定,そのほか,文節の解釈,品詞の分類などのように,文法上の根本問題に立ち入ることはやめて,これらについては普通の解釈にしたがって審議を進めることとした。さしあたって,昭和22年文部省で発表した「ローマ字文の書き方」を再検討することから始めることになり,これを再検討したところ,わかち書きのうえで,特に問題になるのは助詞・助動詞・複合語(接頭語・接尾語・固有名詞,およびいわゆる複合語)などの書き方にあることが確認された。そこで,まず助詞の書き方を取り上げて,いろいろの助詞およびその用例を集めたものを資料として検討を始めたところである。

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