国語施策・日本語教育

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議事 第42回(前回)の要約

土岐会長

 これから,17日の総会の引き続きの会合を開く。初めに,公開についておはかりする。総会は原則として公開であるが,事情によって公開しないこともありうる。なお,きょうの通知には第43回の総会というように書いてあったが,この間が第42回で,きょうは前の会議が時間切れで延びたもの,つまり,第42回の引き続きであることを念のため申し添える。

成瀬委員

 前の総会が最初から公開であり,その会議が延びて延会ということであれば,原則どおり公開にしてさしつかえない。

塩田委員

 公開ではいけないという理由があるのか。もし,きょうの会議の主題が推薦協議会の委員の選出であれば,そのことがいかに公平に行なわれるかということを示すためにも公開でよい。

土岐会長

 総会として,公開の形も非公開の形もとれるが,皆さんの意向によって決めたい。

池田第2部会長・山岸委員

 公開でさしつかえない。

土岐会長

 他のご意見がなく,公開でよいということであるから,原則どおり公開とする。
 17日の総会に欠席されたかたもあるから,第1部会・第2部会・ローマ字調査分科審議会からの報告と説明のあとの会議について,ごく簡単に経過を述べる。まず,会長から推薦協議会の性格,任務,今期までの構成人数などについて説明した。その省令の規程に従い,第6期の委員を推薦する協議会の任務・構成人数・方法などについておはかりした。これに対して,いろいろのご意見が出たが,要約すると,次のようになる。(1)この推薦の形式は,民主的のように見えるが,今までの実情から見て,そうは受け取れない。(2)推薦母体が問題であり,推薦協議会の考え方が変わらない限り,いわゆる表音主義者が多数を占め,いわゆる首脳部(会長・副会長・部長・分科長をさす。)も,そのままという状態が続く。(3)したがって,推薦の規則を改めるか,別によい方法を考えたいという意見が出た。これに対して,(1)任期中に次の委員を選ぶ推薦協議会の委員を互選するというのが,文部省令に決められたたてまえであるから,それに従いたい。(2)この推薦方法をとらないとなると,文部省の任命といったような形となるので,現在の方法のままがよい。(3)委員が良識と責任をもって推薦協議会の委員を互選すればよい。(4)規則は今となっては変えられない。これはその期間がないという意味である。そこで,さらに次のような意見が出た。(1)この推薦の方法がどうしても改められないなら,今の第5期の委員が次の第6期の委員に推薦されたとしても,委員になることを辞退するという申し合わせをしたい。(2)もしも,それもできないならば,長い間委員であったかたは,この際やめていただきたいということである。この意見に対して,(1)辞退するとか,年数のこととかを総会で申し合わせるということは,推薦協議会の権限を無視すること,否定することになりはしないか。(2)長期間にわたり国語問題にたずさわった人の経験や識見は必要である。つまり,その人たちにやめてもらうとか辞退することなども適当でないという意見が出た。
 そのほか,(1)あくまで表音化を主張する人と同席しては,もはやじゅうぶんに国語の問題を審議することはできない。(2)世論を無視してはならない。改選について世間が注目しているから,改組して公正な国語審議会を作ってほしい。(3)一新された構成メンバーで,これまでの国語政策を批判すべきである。という意見が出た。これに対しては,(1)いろいろな立場,それぞれの立場の人も含めて審議するのが,会議のあり方であり,そこで討議を尽くしてはじめて妥当な結論が出る。だから,従来どおりの推薦の方式でよい。(2)世論とか現状とか今後の国語のあり方などをよく考えよという多くの発言の趣旨を,推薦会議の委員のかたがたによく含んでいただいたうえで,次の委員を推薦していただくことにすればよい。
 以上が,それぞれの意見の結論的なことであったと考えられる。そこで,17日の総会では,(1)規則に従って,委員の互選を17日じゅうに行ないたいという意見と,(2)時間も延びているから,選ぶ方法について決めることも延ばしたほうがいい,延ばすとしても任期中ということであるから,22日,つまり,きょうに延ばすという意見があり,けっきょく22日に延ばすことになった。時間切れのため,方法についてよく考えるために,17日の引き続きとして,きょうの会合となったわけである。
 ついでながら,17日の総会の通知には,推薦協議会について審議するということが議題の中にはっきり示されてなく,「その他」に含まれていた。これは,事務上の手違いで,これも,17日に審議が尽くせないで時間切れとなった一つの理由になったものと思われる。
 このような経過で,きょう開くこととなったが,さきほども申し上げたとおり,推薦協議会の委員を選出する方法を考えるために延ばしたのであり,この協議会を作るのか作らないのかということを考えるためではない。
 この前の総会のときの意見と経過のあらましは,このようなことであったと思うが,補足する点があれば,ご発言願いたい。(発言なし。)では,この前の総会についての説明は,これで,ご了承いただけたものとする。
 これから,前の会議に引き続いて,選出の方法などについても審議を始める。

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