国語施策・日本語教育

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議事 庶務報告

阿部会長

 きょうは各部会の経過報告を伺うことになっているが,その前に,庶務報告をお願いしたい。

白石課長

 平良恵路委員が6月8日付けでおやめになり,後任として沢畑泰二委員が同日付けで発令されたことと,滝川幸辰委員が11月16日になくなられたことをご報告する。

阿部会長

 それでは,滝川委員のごめい福をお祈りしたい。(全員黙とう)
 次に,第1部会から順次これまでの審議経過の報告をしていただく。なお,部会報告についての質疑,意見などは,全部会の報告が済んだあとで伺うことにしたい。

村上第1部会長

 第1部会は,毎月1回開くことにして,これまで合計7回開いてきた。第1部会に課せられた問題は,「日本のことばと文字のあるべき姿を正して,国語改善の基準を立てる。」ということである。これは,個々の具体的な問題であるよりは,根本的,原理的な問題である。それで,まず審議の方針,方法を検討したが,まず,ことばや文字の機能,性格などを分析することから審議を始めた。このために,これまで国語審議会で出た種々の意見も資料として参考にし,特に熊沢委員から問題点の解説を伺った。また,委員各位からは,それぞれの立場からじゅうぶんに意見を出していただいたのである。このような審議,検討によって第1部会は,まず,ことばや文字が本来もつところの機能,性格を明らかにしようと努力してきたわけである。それによって,部会に課せられた日本のことばや文字のあるべき姿を正すという課題に対して,なんらかの解答を与えることができるのではないかと考えた。
 次に,国語改善の基準の問題については,ことば,文字の正しいあり方を示すべき本質論的分析に加えて,日本のことば,文字の現状分析を加える必要があると考えられた。日本のことば,文字が,現在どういう状態におかれているか,日本のことば,文字は現在いろいろな要求,要請に当面しているが,そのような要求,要請は,どういうものなのか。そういう日本のことば,文字の現状と現実的な要求,要請を明らかにしなければ,改善を要することば,文字の具体的な問題とその手がかりをつかむことはできないと考えたからである。このようなことば,文字の現状分析によって,改善を要すべき具体的な問題,要求,要請が明らかになれば,それらの具体的な問題,要請をいかに処理すべきか,その一般的な基準を立てることができるのではないかと考えられている。
 以上のような考え,方針のもとに,これまで自由に審議を続けてきた結果,問題点もだいぶ明らかになってきたように思われるのである。しかし,今のところは,お互いに自由に審議しているのであるが,これまでの審議は,まだ部会全体の考え方を整理して,部会としてまとまった方針を立てるというところまではいたっていない。今後できるだけ早い機会にそれを整理して,整理されたものについて,再び総括的な検討を加えながら,結論を出す方向に進めていきたいと考えている。

有光委員

 きょうは,久保田部会長が欠席されたので,わたくしが代理をし第2部会の報告を申し上げる。部会開催のつど,皆様に議事要録をお送りしているので,すでにお読みになってご承知になっておられることと思う。
 第2部会の仕事は,「これまでの国語審議会の審議結果を総合的に検討し,所期の効果をあげたかどうかを評価し,個々の国語政策について修正あるいは改正すべきかどうか,修正あるいは改正するとすれば,いかに修正,改正するかを検討審議する。」ということで,部会委員として,岩下委員はじめ16委員が会長によって指名され,部会長には,部会委員の互選により,久保田委員が選ばれた。その後,平良委員の退任に伴って,沢畑委員が加わった。
 5月以来今日までに,6回の部会を開いた。初めの一,二回は,何を取り上げて審議すべきかについて,自由な意見の交換を行なった。
 当用漢字表とか音訓表とか送りがなのつけ方とか,具体的な個々の問題を取り上げたらどうかという意見も出たが,その前に,これまでの国語審議会の審議の趣旨,方針や経過等について説明を聞き,検討を試みて,個々の国語施策について見きわめをつけた上で,審議の対象をしぼっていってはどうかということに決まった。
 そこで,当時の発表文や,主査委員長報告,総会の議事要録など関係の資料に当たり,関係した委員のかたがたから戦後の国語政策の流れ,いきさつについて説明を聞いて,これまでの国語審議会の審議が表音文字化を意図したものでなかったこと,また,行政整理によってローマ字調査審議会が国語審議会に合併された事情などがわかった。
 続いて,具体的な問題を検討する端緒として,新聞社の実施の情況や教育の現場その他広く各方面での事情を聞くため,部外のかたの出席を得てはどうかということで,総会にはかることになった。
 第3回からは,当用漢字表の「まえがき」の検討を始めて,音訓表を終え,現在,字体表の検討を続けている。それぞれの「まえがき」に選定の趣旨や方針などが表われているという理由で,それを手がかりとして審議を進めており,活発にいろいろな意見が出ている。今のところ,まだ結論めいたことを出していないので,審議の要約とか要点とかを申し上げることは困難なのである。あと一,二回,残っている送りがなのつけ方などについて検討した上で,改めて,これまでの施策について全般的に問題を取り上げるのか,個別的にどれを取り上げるのかを決め,そして,修正あるいは改正すべきかどうか,また,修正あるいは改正するとすればいかにするのか,どの程度まで具体的な案を作るのかなどを審議する予定になっている。

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