国語施策・日本語教育

HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第8期国語審議会 > 第69回総会 > 次第

次第 文部大臣あいさつ

〔文部大臣あいさつ〕

 一言ごあいさつを申しあげます。昨年11月,文部大臣に就任以来,さっそくごあいさつを申しあげたいと存じておりましたが,国会等の関係で,今日まで心ならずもその機会を得ず,失礼いたしておりましたことをお許し願いたいと思います。
 皆様がたには一昨年6月,委員にご就任をお願いしまして以来,ご多忙な時間をさいて,今日まできわめてご熱心にご審議をいただきましたことに対して心から感謝申しあげる次第であります。戦後いち早く実施されました国語施策については,その後の実施の経験にかんがみ,また,時代の進展に伴っていろいろ再検討を要する問題が出てきていると思われます。したがって,この時点において従来の施策の問題点を検討して,国語を平明であって,しかも美しく,豊かさを失わないものにするために,さらに努力を重ねることは今日の重要な課題であります。今期の初めに国語審議会に対して「国語施策の改善の具体策について」という諮問を申しあげたのも,このような趣旨にほかならないのであります。
 国語の問題は,国民の社会生活や文化の基礎をなす重要な問題であります。それだけに,この改善については,いろいろの視野から慎重な検討がなされる必要があります。本日は,漢字・かなの両部会,および小委員会からそれぞれ審議経過についてご報告されたわけでありますが,これまでの間,いろいろとご苦心があったことと拝察いたします。審議会におかれましては,国民一般がこの審議会に寄せている大きな期待にこたえられて,引き続いてご審議くださることを期待しております。文部省といたしましては,この審議会における審議の成果を尊重して国語施策の改善に努力してまいりたいと考えております。
 本日は,このたびの任期中の最後の総会ときいております。一昨年6月以来,2か年間にわたって賜わりましたみなさまがたのご努力とご苦労に対して,かさねて深じんの謝意を表しますとともに,今後のご協力をお願い申しあげて,ごあいさつに代えるしだいであります。

細川委員

 文部大臣に要望を簡単に申しあげておきたい。ただいま大臣のあいさつを承ったが,具体的に国語施策に対する見解を公私両面にわたってお聞きしたことは一度もなかった。そこでこの際,強くわたしの希望を申し述べておきたい。このたびの小委員会報告はよくできているけれども,特にこの中で,日本語の豊かさ・正しさ・美しさを保つために,個々の施策を厳格に制限的なものとしないでという内容は,これまでの考え方と少し色あいが違ってきている。それに国語施策の実施方法の段階で,いちおう従来どおりの内閣告示・内閣訓令の形式によることが適当と考えるが,一般国民に対しては,法令的な拘束力を持つかのような誤解を起こさせないよう表現を厳に慎重にすべきであるという点,さらに国語施策の内容を戸籍法等に取り入れる場合には,慎重な配慮が必要であるとしている点など,明らかに従来の考え方と色あいが違ってきている。わたしはこの小委員会の報告は,当然のことと考えるので,一つこの報告をもとに,進んで具体的な行動をとられるよう文部大臣に強く強く望んでおきたい。

灘尾文部大臣

 ご要望であるからお答えするのもいかがかと思うし,また答える能力もないけれど,小委員会の報告の骨子についてはわたしも承知しているところである。さきほども述べたように,今回の報告については,政府としてもじゅうぶんに尊重していかなければならないと考えている。また,実際問題としては,これを適用する場合に,学校方面や官庁方面ともその取り扱い等について,いろいろ相談しなければならないこともあろうかと思われるが,この趣旨が生きていくように善処したいと考えている。

前田会長

 これをもって第69回総会,同時に第8期国語審議会の最終総会を閉じる。この2年間,会長としてみなさんにいろいろご迷惑をおかけすることばかりであったけれども,その間,なにかとご協力いただいた古賀副会長をはじめ各委員に厚く感謝する。

トップページへ

ページトップへ