国語施策・日本語教育

HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第10期国語審議会 > 概要

第10期国語審議会概要

 第10期国語審議会は,最初の第75回総会(昭和45.7.31),および第76回総会(昭和45.10.14)で,前期(第9期)と同じく,漢字部会,かな部会を設置し,前期の末に公表した両部会のそれぞれの試案〔「当用漢字改定音訓表(案)」,および,「改定送りがなのつけ方(案)」〕に対して,社会の各方面から寄せられた意見・批判を参考にして,試案に吟味を加え,必要な修正を施して,それぞれの案をまとめていくこととした。また,別に一般問題小委員会を設けて,両部会の審議結果に伴う法制上の取扱い,すなわち,国語施策の公表の方法についての問題を審議し,ついで,国語の教育の振興についての審議を行った。
 総会を開くこと6回,運営委員会を7回,漢字部会を16回,かな部会を43回,一般問題小委員会を13回,それぞれ開き,別に,全員協議会を1回,漢字,かな両部会の審議事項に共通する問題点等を協議するための会を4回開いた。また,以上のほか,漢字部会としては,説明会を2回,音訓に関する小委員会を27回,その前文小委員会を2回開き,かな部会としては,説明会を4回,小委員会を17回開いた。この「説明会」というのは,部会としての案がある程度まとまった段階で,主として,その部会に属している委員以外の委員を対象として,部会審議の経過,案の内容等を説明するとともに,意見を求めるために開いたものである。
 前期の末に公表した試案は,直ちに関係各方面に広く配布し,積極的に意見の収集に努めたほか,昭和45年8月に,東京と名古屋で試案の説明会を開き,副会長,漢字部会長,かな部会長が出席して,審議の経過,案の内容を説明し,参加者の意見を聞き,また,質疑応答を行った。
 この結果,第78回総会(昭和46.12.20)に対して,漢字部会から「当用漢字改定音訓表(案)」を報告し,総会は,これを答申の原案とすることを了承した。また,第79回総会(昭和47.5.24)に対して,かな部会から「改定送りがなのつけ方(案)」を報告し,同じく,答申の原案とすることを了承した。
 第10期最後の第80回総会(昭和47.6.28)では,「当用漢字改定音訓表」,および,「改定送りがなのつけ方」を答申することを議決し,直ちに国語審議会会長から文部大臣に答申として手渡した。また,「国語の教育の振興について」を建議することをはかり,議決の後,同じく大臣に建議した。
 なお,今期中,学術奨励審議会学術用語分科審議会からの連絡事項はなかった。 
この期における答申・建議は,以下のとおりである。

1 「当用漢字改定音訓表」(答申)
2 「送りがなのつけ方」(答申)
3 「国語の教育の振興について」(建議)

トップページへ

ページトップへ