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次第 前回の議事要録について

福島会長

 ただいまから第96回国語審議会総会を開会する。前回総会の議事要録は,前もってお送りしてあるので,御覧いただいたと思う。3月に開催された前回総会から今回総会までには,日数がかなりあったので,今回は議事要旨を省略して議事要録だけを作成した。お手もとの黒表紙の最後にもとじ込んである。
 これまでの議事録の確認の手続について,念のため申し上げておく。
 議事要旨なり議事要録なりは,前回のものを前もってお送りしておき,御自身の発言について訂正箇所があれば,この席で発言するか,あるいは後ほど事務当局に連絡するか,いずれかの方法をとっていただくことになっている。訂正の連絡がなくなった時点で自動的に確認されることになる。もし訂正箇所があった場合には,その次の議事録の最後のページに載せることになっている。
 お手もとの前回総会の議事要録について訂正箇所があったら,御発言いただきたい。後ほど事務当局に連絡いただいても結構である。(発言なし。)特になければ,先へ進みたい。
 前回総会とのつながりを思い出していただくために,前回総会の審議の骨子だけを申し上げる。
 前回総会では,林(大),松村両委員から中国の文字改革等の調査の報告を伺ったほか,問題点整理委員会及び漢字表委員会の所属委員について了承を得て,両方委員会を発足させた。そして,今後の進め方について自由討議をしたわけである。
 その後,問題点整理委員会には字体表その他の問題について会議を3回,また,漢字表委員会には漢字表の具体的検討について会議を4回重ねていただいた。両委員会の主査から本日それぞれ概要を報告していただく予定である。そして,それについて協議しようというわけである。
 それに先立ち,お手もとに配布してある資料の3について,事務局の説明を聞いておきたい。これらの資料の内容は,前期審議会の概要について各方面に回して意見を述べてもらったものであり,問題点整理委員会及び漢字表委員会両方に関係があるので,先に説明を聞いた方が良いかと思う。それでは国語課長,よろしく。

石田国語課長

 「第11期国語審議会審議経過報告」について今までに教科書協会,日本雑誌協会,カナモジカイ,日本文芸家協会の4団体から意見が寄せられている。それを簡単に説明する。
 このほかに,文書を受領したという程度の簡単な返事もあるが,それは省略させていただく。
 教科書協会は,ただいまのところ格別申し述べることはないが,深い関心を持っているので,更に意見を述べる機会を与えてほしいという意見である。
 日本雑誌協会は,協会としての考え方をまとめるには至っていないが,表記研究委員会で出されたいろいろな意見を取りあえず述べるというもので,内容は,例えば,制限的なものから目安とするのは結構だという意見が多いとか,適用範囲に雑誌を含めることに異議はないが,雑誌には,法令,公用文書,新聞,放送にはない独自の複雑な性格もあるので,運用上いろいろ問題もあるかと思うとか,字体については特に慎重にしてほしいとかいうものである。
 カナモジカイの意見は,漢字表についてはまだ当分の間は当用漢字表に増減を加えるより現行のままにしておくことが最も望ましい,字体も今日のところは手を加えるべきではないという趣旨のものである。
 日本文芸家協会の意見は,協会の国語調査委員会でまとめ,理事,評議員会,総会で承認されたものであって,その要旨を述べると,新漢字表を制限的なものとしないということは,これまでの「当用漢字表」から一歩前進したものとは思うが,これを芸術その他に及ぼさないとしても,新聞,雑誌などの表現媒体での漢字使用が制限されると,当然文芸もその影響を受けることとなり,日本の文化そのものをゆがめるおそれがある。したがって,もし何からの目安を設けるならば,その目安が実質上の制限とならないように,漢字を大幅に多くすることが前提になる,というものである。詳しくは後ほど御覧いただきたい。
 なお,2月の総会でも申し上げたが,文部省には教育モニターという制度があり,全国で600人ほどのモニターがいる。そのほうにも「第11期国語審議会審議経過報告書」を送り,漢字や字体に関する一般的な質問を設けて意見を聞いた。省内の教育モニター担当のところで,今,回答を整理している。まとまったら,発表になると思うので,その折に改めて報告したい。

福島会長

 今の説明について発言もあるかと思うが,議事を進めながら関係のところで発言願った方がよいと思うので,予定の議事に移る。

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