国語施策・日本語教育

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仮名遣い委員会

〔委 員〕

林  大*(主査)  松村 明*(副主査)
今坂 晃  太田三十雄(昭和58.9.1から)  角藤久介  楠山三香男  小林幸雄(昭和58.9.1まで)  佐久間裕三  築島 裕*  村敏樹*  野元菊雄  林 四郎*  古田東朔*  三根谷徹  村松定孝*  山田年栄
*印は,小委員会委員。

〔会議開催〕

第1回(昭和57.9.28)〜第14回(昭和59.2.7)
小委員会 第1回(昭和58.11.8)〜第4回(昭和59.1.13)

〔概 況〕

 仮名遣い委員会は,第2回総会(昭和57.7.16)で,「現代かなづかい」の問題点に関する技術的,専門的事項の検討を行うための委員会として設置することが決まり,会長から15名の所属委員を指名した。第1回の委員会で,主査に林(大)委員を,副主査に松村委員を選出した。
 小委員会は,仮名遣いに関する専門的検討のためのたたき台を作るなど具体的な作業を行う委員会として設置することとなり,第4回総会(昭和58.9.29)で了承された後,第11回仮名遣い委員会(昭和58.10.25)で主査から7名の委員を指名した。

<第1回>(昭和57.9.28)
 主査,副主査の互選が行われ,主査に林(大)委員,副主査に松村委員が選出された。「現代かなづかい」の問題点の検討と今後の委員会の進め方について自由討議を行い,その中で基本的な問題,共通理解を得るべき問題として,次の9項目が挙げられた。

(ア)  「現代かなづかい」はどのくらい定着しているか。
(イ)  「現代かなづかい」はどのような体系を持っており,その中にどのような矛盾があるか。
(ウ)  「現代かなづかい」の矛盾点がどのように受けとめられており,コミュニケーションの上でどういう問題を持っているか。
(エ)  「現代かなづかい」の実施がどういう影響を日本人にもたらしたか,その得失。
(オ)  規範性の問題(強い規範か,ゆとりのあるものか)。
(カ)  適用分野をどう考えるか(公用文,新聞,学校教育など)。
(キ)  現行告示の書き方の問題,規則の立て方,語例の挙げ方など。
(ク)  固有名詞の表記,外来語の表記との関連。
(ケ)  仮名遣いと古典教育。

<第2回〜第4回>(昭和57.11.2,12.3,昭和58.1.21)
 第1回委員会の自由討議の中で挙げられた(ア)から(ケ)までの9項目に沿って,順次意見交換を行った。

<第5回>(昭和58.2.25)
 第3回総会への報告に関連して,これまでの委員会審議のとりまとめについて話し合った後,「現代かなづかい」による表記上の問題点の所在,今後の委員会の審議の進め方等について意見交換を行った。表記上の問題点としては次のような項目が挙げられた。

 1 助詞「を」「は」「へ」の問題
 2 オ列長音をめぐる問題
 3 ウ列拗長音の問題(「言う」を含む)
 4 「えい,けい,せい」の類とエ列長音の問題
 5 「ぢ・じ」「づ・ず」の書き分けに関する問題
 6 地方的発音としての「クヮ」「グヮ」「ヂ」「ヅ」の問題
 7 促音化する語中の「キ」「ク」の問題
 8 その他発音にゆれのある語の問題
 以上第1回から第5回までの審議の経過を第3回総会(昭和58.3.22)に報告した。

<第6回>(昭和58.4.22)
 今後具体的に検討すべき事項について話し合った後,表記上の具体的な問題点のうち,助詞「を」「は」「へ」について話し合った。

<第7回〜第9回>(昭和58.6.3,6.24,7.22)
 引き続き,表記上の具体的な問題点について,オ列長音,エ列長音,「ぢ・じ」「づ・ず」,地方的な発音,「キ」「ク」の促音化,その他発音に揺れのある語の順に話し合った。

<第10回>(昭和58.9.9)
 9月1日付けで,仮名遣い委員会所属の学校長関係の委員の交代があり,小林幸雄委員が辞任,代わって太田三十雄委員が就任した旨報告,紹介があった。表記上の具体的な問題のうち,ウ列拗長音について話し合った後,第4回総会への報告案について協議した。また,今後の審議の進め方について協議し,全委員を対象にアンケート調査を行うこと,仮名遣い委員会の中に小委員会を設けて,音韻組織の問題や規則の立て方などを検討するためのたたき台を作ること等を総会に諮ることとした。
 以上第6回から第10回までの審議の経過を第4回総会(昭和58.9.29)に報告した。

<第11回>(昭和58.10.25)
 「現代かなづかい」の検討に関するアンケート案(全22項目)について協議した。また,小委員会を発足させることとし,7名の委員を主査から指名した。

<小委員会 第1回〜第3回>(昭和58.11.8,11.22,12.6)
 小委員会は,従来の仮名遣い委員会での論議を参考にしながら,仮名遣い委員会で今後具体的な審議を進めていくためのたたき台を作る方向で運営することとし,「仮名遣い」という言葉の内容,現代語の音韻組織,音韻と仮名の対照,規則の立て方(構成,語例の挙げ方,旧仮名遣いとの対照)等の問題について検討を行った。

<第12回>(昭和58.12.16)
 11月に実施したアンケートの回答の概況について事務局から報告した。小委員会(第1回〜第3回)での検討の状況について主査から報告し,規則の立て方,語例の掲げ方の問題について協議した。

<小委員会 第4回>(昭和59.1.13)
 第5回総会に対する仮名遣い委員会の審議経過報告の骨子について検討し,また,仮名遣いの歴史をどのようにとらえたらよいかについて意見交換をした。

<第13回,第14回>(昭和59.1.31,2.7)
 第5回総会に対する仮名遣い委員会の審議経過報告の内容について協議した。
 以上第11回から第14回までの審議の経過と,小委員会の審議の経過を含めて,第15期の仮名遣い委員会の審議経過を第5回総会(昭和59.2.28)に報告した。

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